女の子に「迎えに行くね」と言われたので家の前で待っていると、ド高級車が現れた話


親しくさせて頂いている女の子が「すごく穴場なお鮨屋さん教えてあげる」と蠱惑的な姿勢なので、すぐに日程調整。

「ちょっとアクセス悪いから車で行こう。迎えに行くね」という大変ありがたい申し出を頂戴し、スキップしながら待機していると、ド高級車が自宅前に音も無く止まりました。

「お待たせ」と窓を開け、サングラスをチラリと下げ微笑む彼女。これは決して私の妄想でも何でもなく、どこまでも健康的な実話である。冒頭に「女の子」と述べてミスリードを誘いましたが、彼女はアラサーの逞しい実業家なのです。
麻布十番から大田市場へ向かいます。公共交通機関であれば品川からバスに乗ったり、モノレールの死ぬほど聞いたことの無い駅から死ぬほど歩くなど、アクセスは最悪。しかし自家用車であれば20分やそこらであっという間に到着です。
お目当ての「ゆたか鮨」に到着。こんなカッパ巻きは見たことが無いとショックを受ける。超高級外車で乗り付けたので、市場には何とも不釣合いだなあと苦笑いしていると、我々の後ろにはベントレーが止まっていました。どうなってんだこの市場。
ヘルシーな海沿いをドライブしつつ、「お茶でもしよっか」ということで寺田一族の縄張りへ。お、おお、T.Y. Harbor Breweryのバレーパーキングが値上がっとる。係員がホテルみたいな制服着とる。それにしてもバレーパーキングで働くってすごい度胸ありますよね。ぶつけちゃった場合の保険とかどうなってるんでしょ。
SOHOLM (スーホルム)という、インテリアショップ兼レストランにお連れ頂きました。お洒落かよ。エストネーションっぽい品揃え。こういうお店が天王洲の僻地で成り立つのが不思議でならない。商売って面白いなあ。
レストランエリアもセンスに溢れています。熟成庫があり鹿肉が吊るされていました。「食事もちゃんとしてるから、今度はランチで来ようね」ハイ喜んで!
雲ひとつない快晴だったのでウッドデッキに席を陣取る。「このあたり、隈研吾さんが総指揮で全部カッコよくするみたい。ここだけじゃなく、対岸もね」片岸だけ素敵でも意味がないでしょ、と呟く彼女。
私はコーヒー、連れは紅茶を注文。太陽光が心地良く、大きなサングラスをかけ、長い髪をなびかせる彼女に芸能人感が溢れ出る。

「ナイキのエンプロイストアが近くにあるけど、寄ってみる?」エンプロイストア?何それ食べれんの?と私の間抜けな質問を遮り「ナイキがスポンサーしてるアスリートとかタレントが来るためのお店。新作がどれも半額以下で買えるの」なるほど意義は良くわかりました。が、貴女は一体何者なのでしょう?
おおー、どこからどう見ても関係者限の店である。入館時に身分証明書を提示し必要な書類を満たします。スタッフより館内撮影NG、ケータイNGのような説明を受けました。この秘密結社感が堪らない。
なるほど確かに目が飛び出るほど安い。したがって、普段買うには勇気が要る冒険カラーのシューズを購入させて頂きました。カワイイでしょ。
タグには転売防止のためか「ES(エンプロイストア)」の刻印が。世の中知らないことがまだまだ沢山ありますね。

日が傾き始め帰路につく。夕焼け片手にハンドルを手繰る彼女が美しく思わず見惚れてしまう。唐突に「食生活が豊かな人は、パーソナリティ全てが豊かなの」と彼女が囁く。これは私に対する間接的なお褒めの言葉と解釈し、このまま車を置いてワインでも飲みに行きたくなりましたが、夜には重要なパーティがあったのです(後日掲載)。

打つ手はないので自宅前まで送ってもらい、近々また会う約束を。外車であるため、助手席の私は車道側に降りる必要があるのですが、なかなか車列が途切れず危険で降りるに降りれません。ずっとこのまま降りれないのも悪く無い。日が落ち東京タワーに灯が点き始める。

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国内旅行もすごく大事にしています。なんてったって安い。みんなハワイなんか行くだけでなく、日本の名所と美食を巡る人生の豊かさも知って欲しいな。

ゆたか鮨/大田市場


待ちに待った「東京最高のレストラン」が発売されました。この本は私が唯一信頼しているグルメ本であり、この本を熟読しピーンと来たお店に片っ端から付箋を貼り、1年以内に必ずお邪魔するようにしています。
プロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメの一冊。

本題に入ります。市場と言えば真っ先に思いつくのが築地市場であり、世界最大の魚市場として間違いありません。他方、青果やお花の取扱高が日本一の市場は大田市場なんですね。
南側には羽田国際空港、東側には東京港、北側にはJR貨物基地、真ん中を貫くように首都高速湾岸線が通っており、物流の拠点として申し分ない環境。

青果やお花につき、大田市場での決定価格は水産物における築地市場と同様、日本全国の市場の指標となっています。
築地のようなウェイウェイ感たっぷりの観光客は一切おらず、プロのみが集う市場です。場外市場のような素人向けの店も当然にありません。
お目当ての「ゆたか鮨」。連れが超高級外車で乗り付けたので、市場には何とも不釣合いだなあと苦笑いしていると、我々の後ろにはベントレーが止まっていました。どうなってんだこの市場。
コチ、別名マゴチを昆布〆で。タイのようにハッキリとした歯ごたえにピュアな味わい。仄かに漂う昆布の香りが妖艶です。
本マグロ。これは上質。2貫目でアッパー・カットを喰らった衝撃です。東京でこれだけのマグロを5,000円を切る鮨屋で食べることは奇跡に近い。
ボタンエビは若干渇き気味な外観ですが、口に含むと弾ける味わい。余韻にネットリとした甘味がいつまでも続きます。
お椀はつみれ汁。鮨屋は味噌仕立てのお椀を出すことが殆どだと思いますが、透明な出汁に野趣溢れるつみれの存在感。大根をはじめとしたお野菜もたっぷりです。
コハダは2枚づけ。4枚づけのような幼いコハダも魅力的ですが、これぐらい大きくなったほうがコハダらしさがクッキリと磨かれます。

アジは肉厚でどこまでも新鮮。魚そのものの味が濃く、50回噛んでもアジの味がしました。
ホタテは高さこそ無いものの、面積が広い。ひとくちで含むと口の中が全てホタテで満たされます。

ホタテの淡白な味わいと対称的に、赤貝は磯の香りが全開で刺激的。赤貝って鮨屋でしか食べることの無い食材だから、このネタを食べると、ああ、鮨食ってるなあ、としみじみします。
「お酒飲まないの?あたしのことは気にしないで、ビールでも日本酒でも、好きにして」と心の広いハンドルキーパー。それでは遠慮なくビールを注文。青空の真昼間にドライブで駆け抜けた後に黄金色のシュワリング。人生って最高じゃないか。
イクラはグラフのダイヤモンドと見まごうほど、大粒に輝いています。先日の神田の立ち飲み屋で食べたイクラ(後日掲載予定)は量こそは多いものの、まあこんなもんかという感想でしたが、当店のそれは見た目に比例する味わいでした。
アナゴと太刀魚。アナゴはニセコのゲレンデのようにフワフワであり箸で触れるとそれだけで雪崩が生じます。羽根枕のように軽いアナゴ。

太刀魚は平たく言うと焼き魚なのですが、いわゆる定食屋のそれとは全く別物。芯のある味わいに香ばしい焦げ目。一通りも終盤だというのに食欲に火がつきました。
トドメに本マグロのトロ。赤身由来の鉄分と脳天を駆け抜ける脂の甘さ。それぞれのバランスの良さが劇的で、まるで上質な牛肉を食べているかのような錯覚。
コースの最後に卵焼き。程よく甘く、安心できる味わいです。

「ここのカッパ巻きは絶品なんだから是非食べて」ということで追加で巻物を。私はカッパ巻きを一段低く見ているため、自分から進んで食べることは決して無いのですが、常連客が言うのであればチャレンジしないわけにはいきません。
何なんだこれは。芸術的な包丁さばきで山のようなキュウリの千切りを生み出した後、薄く薄くのばしたシャリに塩とゴマを振り、たっぷりのキュウリを一気に巻き上げる。まるで生春巻きのようであり、思わず#OOTDとハッシュタグを付けたくなります。

ひと口で頬張ると新鮮なキュウリの食感がシャクシャクと大フィーバー。これは旨い。カッパ巻きではなく新しい日本語を作るべきでしょう。
鉄火巻きは赤身の濃い部分を指定。ギッチギチにマグロが詰め込まれ、全盛期の佐々木のようなクローズっぷりでした。

これだけ食べてひとり4,000円程度。くだらない出前やスーパーのパック寿司でも似たような値段を取られることを考えると、当店は素晴らしい費用対効果です。

アクセスが悪く水日祝が休みで夜も早いことのが難点ですが、予約もすんなり取れそうですし、大田市場の見学ついでに飲み会するのもアリですね。10人強で貸切できるみたいなので企画してみようかしらん。

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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。


おにまる/麻布十番


ブルガズアダからの帰宅後、シイタケ嫌いから「トルコ料理ってものを知らないだけかもしれんが、俺あんま好きじゃないのかも、、、。」というメッセージ。わかる、わかるよその気持ち。互いの物足りなさを補うため、飲み直しにおにまるへと改めて家を出る。
生シシャモの炭火焼き。ガツーンと解かり易い味わいで、先ほどのレストランで食べたどの料理よりも美味しかった。。。
「あーーーーー!マシュランだーーーーー!いたーーーー!」わーかきちーにもゆーるものっ、と『若き血』を歌いながら入店する女性ふたりに絡まれました。秋季リーグの早慶戦を観戦しつつ昼から飲みっぱなしのふたりは完全に低脳未熟大学である。

それにしても、「マシュラン」という呼び方は最近流行ってるのでしょうか?今夜の彼女たちは先日のシンガポール人たちと全くコミュニティが異なるのに、偶然にも時期を同じくしてマシュラン呼ばわりするようになりました。大局的に捉えると、何か見えない大きな力が働いているとしか思えない。
 「あーーーーーーーー!シイタケ嫌いもいる!ってかさー、ホントにあんた、シイタケ嫌いなの?」静かに飲んでいた我々ふたりが何故か酩酊状態のテーブルにまとめられました。「好き嫌いはさておき、ここまでシイタケ嫌い呼ばわりされると、今さらシイタケなんて食えるかよ」とシイタケ嫌いがひとりごつ。
「シュランはさあ~」と、ますます言葉の丈が短くなっていくのは一体どういうことでしょう。酒乱はお前たちである。品の良さをウリにしている私として、このような源氏名を付けられるのは営業妨害です。以後気をつけるように。
「大将!○○○○お願い~」と、幻の料理を復活させる彼女たち。こちらは来店回数100回以上でないと注文できない神聖な裏メニューなのですが、そう、彼女たちは我々と同等かそれ以上に当店を訪れ、2大政党の一角を担うほどの勢力なのです。

驚嘆すべきは彼女たちの住所地。なんと麻布十番ではない。にもかかわらず、毎夜わざわざタクシーで乗り付ける敏捷性。
我々も○○○○のご相伴に与ることとし、日本酒からビールへと回帰。深夜1時を過ぎているので白米はガマンガマン。
しかしどうにも食欲に火がついてしまい、結局ちゃんぽんを注文することに。ただしちゃんぽん麺が売り切れてしまっていたので、普通のラーメンの麺で代用して頂きました。それでもこの料理の真髄はスープ。円満に宴が締めくくられようとしています。
〆の1杯。今年のソムリエ試験の論述に「ひやおろしについて簡潔に述べよ」という問題があったようです。こういう傾向ってすごくいいと思います。日本のソムリエはワインを語るだけに留まらず、日本文化の担い手へと役割が変化していくのです。

2時を過ぎたので散会。「じゃあまたね~!」と元気良く去って行くパワフルな女性陣。それにしても毎夜タクシーで十番か。その交通費を地道に積み立てれば本マグロの1本や2本を競り落とせるだろうに。

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我々のおにまるクロニクルは下記の通り。心からくだらない部室のようなやりとりばかり。ヒマで死にそうな時に時間つぶしにどうぞ。
  • 2016年10月 ←予約必須の水炊き
  • 2016年10月 ←ハゲマシュラン
  • 2016年10月 ←シイタケ嫌い生誕祭。
  • 2016年9月 ←壁にマッキーで「魑魅魍魎」と書く酔っ払い。
  • 2016年8月 ←斬新な味わいで、イタリアの未開の村の郷土料理を食べているかのよう。
  • 2016年8月 ←何そのクソブログ聞いただけで超読みたくねえ。
  • 2016年8月 ←オマエと言うと1,000円
  • 2016年8月 ←ひとりの夜は結婚式のビデオを繰り返し見る中年。
  • 2016年7月 ←「デブとか絶対にムリ」などと言う口の悪い女と付き合うメリット。
  • 2016年5月 ←「俺を殺しにかかってますね」
  • 2016年4月 ←営業日数25のうち8はご来店。
  • 2016年4月 ←からの朝までカラオケ。
  • 2016年3月 ←精彩を欠いている山田さん。
  • 2016年3月 ←美人局。
  • 2016年2月 ←スーパーバイザーの誕生日会。
  • 2016年2月 ←ヒルズ族というのはまやかし。
  • 2016年2月 ←「しゃ、写真を一緒にいいですくゎ?」
  • 2016年1月 ←カンテサンスに1日2度行く女。
  • 2016年1月 ←シューツリーの受け渡しのはずがどうしてこうなった。
  • 2015年9月 ←伝説の○○○○初登場。
  • 2014年5月 ←一番食べた日。
  • 2014年8月 ←イスラエル人が闖入し大騒動
  • 2014年8月 ←初訪問。もう2年も前なのですね。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!

東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

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ブルガズ アダ/麻布十番


シイタケ嫌いから「1ヶ月に1回ぐらい、ちゃんとしたお店に行くようにしましょうよ」との提案。恋人かよ。ということで今月はオスマントルコ宮廷料理として有名な麻布十番のBURGAZ ADAへ。
エキゾチックで神秘性のあるインテリア。奥の個室を陣取り宴の始まりを待っていると「うっかりどこかの王かと間違えました」とシイタケ嫌い。確かにそう思わせる独特の空気感があります当店には。
トルコのビールで乾杯。ピルスナータイプでいわゆる一般的なビールです。ちなみに「エフェス」とは「エフェソス公会議」の「エフェソス」のトルコ読みであり、彼の地に船で訪れたことのある私は自分で言うのもアレですが通な客である。
ナスの中にトマトやハーブを詰めたもの。普通に美味しい。が、 どのあたりがオスマントルコなのかはわかりませんでした。

公式ホームページに「歴代皇帝たちに供された門外不出の料理のレシピを継承するレストランは、世界にたった3軒―イスタンブルに2軒と、ここ、BURGAZ ADA」とあるのですが、そこまで希少性が強すぎると、「これは正統的なオスマントルコ宮廷料理である」と判定できる人がもはやいないのではないでしょうか。
パンはフレンチやイタリアンで見かけるものとは一風変わっています。バターのコクは薄い代わりにコロっと軽快に焼きあがっており、ゴマの風味も心地よい。好きです。
冷前菜盛り合わせ。右から順に、エビを種々のハーブで味付けしたもの。普通にイケる。アーティチョークはクセがきちんと取り除かれておりしっかりとした素材の味。ムール貝のピラフも見た目の通りの味わいで美味。カナッペにはこれまた種々のハーブにトマト味。

白い球状のものはフムス。ヒヨコ豆を潰したペーストで糖度を上げたタマネギを包んでいます。緑色の直方体はそら豆味。左奥はインゲンでした。
チキンスープ。たいそう珍しいショートパスタが入っているらしいのですが、知らずに食べれば全く気づくことができない量でした。アメリカのデリで売られているチキンスープと大差なし。

「今夜はどうぞよろしくお願いします」とシェフが挨拶に来てくださいました。物腰柔らかで人柄の良さが滲み出ています。彼のコンピテンシーが店内に伝播しているのか、他のサービスの方々も非常に丁寧でホスピタリティに溢れたお店です。
トルコの白ワイン。土着品種の全く知らないブドウが3種混ざっています。フレッシュで軽快。若干の苦味と棘々しさが残ります。
冷前菜盛り合わせ。12時から時計回りに豆の煮込み。中東あたりで食べられる標準的な豆の煮込みです。赤いアーティチョークはシンプルでそのままの味。ホウレンソウのキッシュ(?)もこれまたアメリカのデリにありそうな味わい。右下はホタテ。当然に美味しいですが、特徴的な調理ではありません。

茶色い球体はハンバーグ。なんとハンバーグ発祥はトルコなんですって初めて知った。しかし味は可もなく不可もなく。

お隣のパイは味の濃い肉とたっぷりのチーズが詰め込まれており素直に美味しい。左下は「歴代皇帝が愛したオムレツ」らしいのですが別に普通。言ったもの勝ちですよねこういう料理は。「歴代天皇が愛した卵焼き」と書けばそれなりに厳かになるのと同じ。左上は魚のディップでした。
魚料理はタイ。飾り気の無い調理ではあるものの、肉厚でその歯ごたえを楽しむことがき、他意無く美味しかったです。
肉料理に向けて赤ワイン。こちらもトルコ産で、聞いたことの無い土着品種とシラーが混ざっています。意外にエレガント。
メインはシェフおすすめの羊料理にしました。色々と時間をかけて高尚な調理をしているらしいのですが、ウルトラチョップのラムのほうがわかり易くて好き。一方で、カリフラワーのソースは完全にフランス料理のそれであり、これぞタンジマートと唸らせる出来栄えです。
デザートは冷たいお汁粉のようなもの、杏仁抜きの杏仁豆腐、砂糖よりも甘く味付けしたニンジン。もの珍しくはあるものの、取り立てて美味しいものではありませんでした。
食後にチャイ。トルコのチャイはミルクで煮出したりはせずストレートに飲むようです。つまり、普通の紅茶である。

どの皿も面白くはあるのですが、殊更に褒めるほどの料理でもありませんでした。四捨五入するとフランス料理であり、「わ!これがオスマントルコか!」という瞬間は見当たりません。

それでも立派なレストランなのでお会計は結構高くつき、費用対効果は非常に悪いです。デートなどで行くお店ではなく、一通り食べ込んで一回転した食通向きの変り種なお店でしょう。接客は完璧なので、接待とかにいいかもしれません。

シェフのセンスはひしひしと感じられたので、「オスマントルコ宮廷料理!」のような虎の威を借る必要は全く無いと思います。別形態のお店で出店して、トルコの型に嵌めることなく自由な料理を楽しんでみたいなあ。
帰宅後、シイタケ嫌いから「トルコ料理ってものを知らないだけかもしれんが、俺あんま好きじゃないのかも、、、。」というメッセージ。わかる、わかるよその気持ち。互いの物足りなさを補うため、飲み直しにおにまるへと改めて家を出る。

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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。


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