本日は現地の旅行会社に申し込んだ、プロヴァンス1日ツアーです。ガイドはルーマニア人。参加者は我々夫婦とおひとりさまのオランダ人、ミネソタ人夫妻、ラスベガス在住韓国人夫妻。「ラスベガス在住」って物凄く響きがいいですよね。自己紹介だけで他人のハートを鷲づかみ。
ラベンダー博物館。ツアー旅行で連れて行かれる免税店のような位置づけであり、さして興味は惹かれませんでした。こういう場面において、私を含む日本人は「無駄遣してたまるか!」と意地でも何も買いませんよね。しかしアメリカ人は連れられる土産物屋全てで何かしら買おうという姿勢を見せます。お国柄って面白い。
ルシヨンへ。オークルカラーの語源である「オークル」という、黄~赤色の土壌で有名な村です。エズなど鷲の巣村と同じく、山の上にある孤高の存在。
町全体が黄色から赤色にかけての色合いで統一されており、不思議の国に紛れ込んでしまったあのような錯覚。
どの風景を切り取っても絵になります。うん、この村は好きだぞ。
1日でいくつかの村を巡るプランなのですが、各村45~60分の滞在なので、ゆっくり食事をするには時間が充分でない。ルシオンで20分ほど時間が余り、またちょうど旨そうなサンドイッチ屋があったので、高台で景色を眺めながらピクニックすることに。
ツナとアンチョビのサンドイッチ。繰り返しにはなりますが、観光地の何でもない食い物屋のレベルがかなり高く、それなりにリーズナブルなのはさすがの美食大国フランス。そもそもフランスには不味いもの、新鮮でない素材というものが少なく、不味い料理の作り方を知らないのではあるまいか。ゆうべの食事を除いては。
巨大サイズのキッシュロレーヌがたったの4ユーロ。東京のディーン・アンド・デルーカであれば1,000円払っても納得の質と量です。
お次はゴルドという村。全景を望むことができる展望台から写真をとっていると、不意にフランス人の老女から「あなたは中国人?日本人?」と尋ねられる。警戒心を持ちながら日本人ですよ、と答えると、「あぁ、オッケー」と言い残し立ち去りました。ちょっと待て何がオッケーだ、と問い詰めると「ああ失礼、あたしは昔、中国に住んでいたことがあって、つい」と、解かったような解からないような説明で誤魔化される。
その後は唐突にフランス語をベラベラと話し出し、何を言っているのかサッパリわからない。貴様はピングーか?という表情を見せると、丁寧な英語で「ご覧なさい、このあたりがプロヴァンス地方なのよ」との解説。知っている。全然昔から知っている。
たまたまの通り雨に鉢合わせしてしまい、どことなく灰色に映る街で、あまり好きにはなれませんでした。また、街中の多くの道に車が乗り入れてくるので、ぶつかられはしないかと常に注意を払う必要があるのが落ち着かない。見るべきものは特になく、遠くから眺めるのが一番ですねこの村は。
それでも1ツ星ピエール・ガニェールが入ったホテルなどがあり、こういった点でやはりフランスの真価を認めざるを得ない。
サン・レミ・ド・プロヴァンスへ移動。一転して快晴です。車中でうっかり爆睡してしまい、ガイドの説明を完全に聴き逃し今どこにいるのかこの建物は何なのか、すっかりわからずじまいです。
それにしてもツアーはラクだ。移動中に寝ていられるのは当然のこと、乗り換え乗り継ぎは何時何分だ切符は手配済みか駐車場はどこだ、などの心配事が皆無。多少の割高感があったとしても、時間が限られた旅行者にとって、名所を効率よく周ってくれるツアーの利用価値は充分にあります。
レ・ボー・ド・プロヴァンス。武勇で名を馳せたレ・ボー家の城砦です。中世の南フランスでは最強の勢力を誇ったそうな。
歩き始めると、すぐにこの街の虜になりました。まず、車の乗り入れが一切無い。街全体から「俺たちは観光で生きていく」という決意めいた空気が感じられます。
フランスの都心部ではトイレは有料が普通であり、駅や百貨店でさえもお金を取られることが多いのですが、南仏のド観光地では無料であることが多いのが嬉しいですね。清潔とは言いがたいですが、要所要所を抑えたトイレの配置は旅の不安をひとつ解消してくれるので嬉しい限り。
世界遺産のポン・デュ・ガール。銀座にも同名のビストロがあります。ローマ時代の全長50kmの導水路の一部です。1kmに24cmという微妙な勾配をつけるローマ人の建築技術には驚くばかりです。
が、この世界遺産は世界遺産ではあるものの、見て終わりというだけで、全然面白くない石の橋でした。世界中の世界遺産をスタンプラリー的に巡る人以外は特に訪れる必要もないでしょう。
アヴィニョンに戻りツアーは解散。ホテルで一休みしてから地元産のトリュフ料理で有名なお店へ向かう。卓越した名店であり、シャトーヌフ・デュ・パプの白赤飲んで至福のひととき。詳細は別記事にて。
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「チーズをめぐる冒険」目次
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「チーズをめぐる冒険」目次
- Fromagerie Danard/Paris
- Grill & Cow/Dijon
- Ecrit'Vin/Beaune
- チーズをめぐる冒険 vol.9~いつか親切なお金持ちが~
- Restaurant Stéphane Derbord/Dijon
- チーズをめぐる冒険 vol.8~20代のゴロツキとの小競り合い~
- Restaurant Des Teinturiers/Avignon
- チーズをめぐる冒険 vol.7~フランス人老女への詰問~
- La Vieille Fontaine/Avignon
- チーズをめぐる冒険 vol.6~橋の端を箸持って歩く~
- La Chevre D'or/Eze
- チーズをめぐる冒険 vol.5~Airbnbのホスト夫妻が大喧嘩~
- La Palme d'Or/Cannes
- チーズをめぐる冒険 vol.4~プロニート疑惑~
- Keisuke Matsushima/Nice
- Blue Beach/Nice
- チーズをめぐる冒険 vol.3~軽く電通入ってます~
- Restaurant L'Ange 20/Paris
- Marée de Versailles/Versailles
- チーズをめぐる冒険 vol.2~従姉妹の人妻に告白したプロニート~
- Aux Lyonnais/Paris
- チーズをめぐる冒険 vol.1~Airbnbの怖い話~
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- 香港vol.1~成田第3ターミナルという秘境~ ←美人ソムリエールふたりとの珍道中
- 北米西海岸 vol.1~ホンクーバー~ ←ナパの葡萄畑で眠るワイン旅行
- スイス vol.1~氷点下キャンプファイヤー~ ←スイス航空様ご招待のタダ旅行
- パラオ ダイビング クルーズ vol.1~デルタのビジネスクラスwww~ ←ヒルズ族がクルーザーをM&Aした話
- ワインをめぐる冒険 vol.1~ギャラリーラファイエット~ ←ボルドー・シャンパーニュでワインに溺れる旅
- 小笠原諸島 vol.1~おがさわら丸~ ←船でしか行けない東京都でイルカと暮らす
- 屋久島 vol.1 ←縄文杉?ハァ?
- 飛騨高山・白川郷そしてSKE48 vol.1 ←白川郷は中国人だらけな旅
- イビサとバスク/vol.1 ←パーリーピーポーと美食家の共存
- カリブ海クルーズ vol.1~プレミアムエコノミー~ ←カリブ海の島々を船で巡る
- アマンジオ/ジョグジャカルタ vol.1 ←「アマンジャンキー」発生!
- ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ/洞爺湖 vol.1 ←日本でも本気の美食旅。
- 最も効率よくダイブマスターになる vol.01 ←年間10回は沖縄へ行きます。
- 北欧クルーズvol.01~ロンドン~ ←北欧を船で巡り最先端の美食に舌鼓。
- 地中海・エーゲ海クルーズvol.01 ←2週間かけて地中海のイケてる都市を巡る。
- BIER REISE'09 vol.01 ←ドイツ中欧ビール紀行。
- カリフォルニア vol.01 ←西海岸と思いきやメキシコまで足を伸ばしちゃうもんね。
- ハワイ vol.1 ←ハワイで生まれ育った人とハワイを旅する記憶。