Keisuke Matsushima/Nice


KEISUKE MATSUSHIMA。フランスのミシュラン・ガイドにおいて、外国人として史上最年少で星を獲得。フランス芸術文化勲章についてもこれまた史上最年少で授与された模様。
ニースの海岸から数本路地を入った所に彼の城はあります。Googleマップに住所を入れたのですが、微妙にズレた表示となっておりウロウロ迷ってしまいました。
勝手にグランメゾンのような店を想像していましたが、カフェのようにシンプルなつくりでした。客層も極めてカジュアルであり、スウェット生地の半ズボンにTシャツのオジサンもいました。革靴にジャケットなどは私のみで逆に浮いてしまう。
アミューズにニース風サラダの再構築。これは素晴らしい。ツナが泡状に調理された前衛的なサラダであり、つい数時間前にニース風サラダを食べたばかりなので感動もひとしおです。オレンジ色の球体はシャーベット状の何だっけかな?。
地元のワインで大評判とソムリエが太鼓判を押す1本。南仏の白であれば酸味のきいた爽やかなものを想像していたのですが、樽香がしっかりと感じられるボリュームに溢れた、ひょっとするとブルゴーニュの白と間違えそうな味わいです。
マッシュルームのクッキー(?)にタプナードのマカロン。オカズ系マカロンって何かいいですよね。フランスでは割とメジャーであり、日本でも誰か本格的に始めれば流行ると思います。
ガスパチョはトマトが濃い。加えてワサビの爽快感がお見事。日本人だからといって和の食材で奇をてらっているわけではなく、食材にベストマッチした工夫です。
ズッキーニにトリュフ。その名の通り、一口ごとに必ずトリュフが入っています。香りも抜群。トリュフって美味しいよねと妻と頷き合う。
オリーブのパンとアンチョビのパン。こちらは生地がボソボソとした組織であり、しっとりと艷やかなパンを好む私としては好きじゃありませんでした。
フォアグラ。しっかりとしたポーションで嬉しくなる。桃の千切りと併せて食べるのは初めての体験です。
魚料理はスズキ。こちらにもトリュフが贅沢に使われておりトリュフって美味しいよねと妻と頷き合う。花火をイメージしたソースが皿を彩り、ニョッキが腹を満たしてくれます。
ラムはアニョードレ。乳しか摂取していない産まれたばかりの仔羊です。この肉の様々な部位を種々の調理法を持って食べさせてくれました。やはり私は骨付き肉のキワが好き。ジューシーな肉汁と透明感のある肉質。
デザート1皿目はメロンのアイスにアーモンドのムース(?)。メロンのコクが濃く、メロンよりもメロンの味がします。
デザート2皿目はヨーグルトのアイスにピスタチオのムース(?)。ヨーグルトの爽やかな酸味にヴェルヴェーヌの香りが乗って、上質なソーヴィニョン・ブランを食べているかのような味わいです。
小菓子で〆てごちそうさまでした。

ひととおりのコースを食べて、ふたりで1本飲んで、税サ込総額24,000円。パリの気取ったレストランに比べると非常にリーズナブルです。

全体を通し、完膚無き迄にフランス料理という印象。和のエスプリが感じられたのはワサビのアイスぐらいのもので、事前情報が無ければフランス人が作るフランス料理そのものです。そういう意味ではニースに来て彼の料理を食べるよりも、東京店で食べたほうが本場の味をより一層感じられ、価値も増すような気がします。今度は東京店に行ってみようっと。



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