ロゼ主体というところ。フランス人は白・赤と似たような割合でロゼを飲みますが、日本人ってあまり飲まない。そこに目をつけロゼ愛好者の裾野を広げようと試みる姿勢に敬意を表します。
プロヴァンスのロゼ。グルナッシュとサンソーの混醸です。鮮度の良い酸味で程よい辛さ。若干の苦味が心地よい。
そうそう、今夜のテーマは南仏での予定調整でした。9月中旬に連れはボルドーと南仏、私は南仏とブルゴーニュに行く予定。同時期にコートダジュールに滞在するので、ニースでお茶でもしようという運びになったのです。なお、ここで言う「お茶」とはテラス席でワインを飲むことを指す。
枝豆の冷製スープ。一口飲んで絶句。脳天に一撃食らった心地です。大地を感じる緑の味を、はっきりとした塩味で味付けし、フレッシュなオリーブオイルでまとめ上げる。ピンクペッパーのアクセントも発展的。「ワイン居酒屋」と称する店が、グランメゾンに匹敵するレベルのアミューズを出すのは痛快の極み。
生ハムで塩分を補給し、アルコール摂取に弾みをつけます。
あっと言う間に1本目のボトルが空いたので、インターミッションとして泡。名物のこぼれスパークリングです。女子店員は表面張力の専門家であり、躊躇無く注ぎ液体の山をつくりあげる。後のギリギリガールズである。
私は徹頭徹尾ロゼの泡。連れは白の泡。ちなみに今夜はこれで3軒目。連れはチャンピオン級の酒飲みであり、私よりも飲むペースが半馬身先を行く。
「フライドポテトはこうだ!」という力強い名の料理。妙に説得力があるネーミングです。スパイシーなシーズニングをたっぷり身に纏い、山盛りのホイップバターを月面着陸させる。脊髄反射で旨い味。ダラダラ飲む際のお供に最適です。
国産チーズの盛り合わせ。日本でナチュラルチーズを食べるならやっぱり国産品。生真面目な日本人が造るチーズは、爆発力は無いものの手堅いレベルを維持しているので大好き。トヨタのような味わいのチーズたちです。海外のチーズは輸送費やら関税やらで、現地で3倍ぐらいの値段なので食指が動かない。
もう1軒行くか、ここでもう1本飲むか逡巡したのですが、日曜夜遅くで開いているお店が少ないことと、当店の居心地があまりにも良いことを加味し、ミラヴァルに突入。
仲睦まじい理想の夫婦であるブラピとアンジーが手がける南仏のロゼです。芸能人のなんちゃってワインと侮るなかれ、米国のワイン専門誌『ワインスペクテーター』の「TOP100 of 2013」で世界一のロゼにも選ばれた実力派です。できる人は何をやってもできる。
その後も我々は不屈の精神で飲んだ。神田ハシゴ酒楽しい。開いている店の少ない日曜日でここまでハッピーな飲み会を形成できるのだから、平日や土曜日の伸びしろが計り知れない。近々再び神田の地にて肝臓を競うことになりそうです。
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