フェルミエ/神谷町


チーズプロフェッショナル試験2次試験についてです。年間10万円以上チーズを食べない人は読まないで下さい関係の無い話です。

ソムリエおよびワインエキスパートの2次試験はワインのコメントと品種や産地、ヴィンテージなどを回答する試験ですが、チーズプロフェッショナル試験の2次試験はもう少し難易度が高いです。

というのも、そもそも全くの素人でチーズプロフェッショナル試験を受ける人は極めて少なく、受験者の殆どがソムリエおよびワインエキスパートであるため、母集団の飲食に係る知識レベルが最初からすごく高いんですね。

さらに、チーズのコメントや品種・産地などを回答するのはもちろんのこと、「お客様は○○というワインを飲んでいる。食事は××。適当なチーズをオススメする際の台詞を書きなさい」のように、小芝居めいた論述力が必要となるのです。もちろん1次試験で詰め込んだ知識も総動員する必要があるため、ワインの試験に比べると勉強量というか、勉強する期間がいきおい長くなるのです。

したがって、1次試験で読み込んだ教本で引き続き学習し続けることは大変に重要な作業であり、また、

この類の本で、チーズ専門家としての姿勢や身のこなし、哲学についてしっかりと学ぶ必要があります。六本木ツタヤにひきこもって様々なチーズ本を読み漁りましたが、上記の本は「チーズのソムリエになる」と言いつつ、2次試験を強く意識して書かれた本では無いかと疑ってしまうほど、受験者にとっては最上の良本です。

さて、それでもやはり2次試験の華はテイスティング。試験会場にて「こんなチーズ食べるの初めて」などという受験者は話にならず、見て嗅いで味わって何のチーズかを即断できるようにならなければなりません。

しかし、輸入物のチーズは高い。日本だと、関税やら輸送料やらで現地の3倍ぐらいの値段を取られます。また、高級スーパーぐらいでしか輸入物のチーズは取り扱っておらず、あったとしても100g~のカットで最低でも1,000円。数十種類を継続的に勉強しようとするとお金がいくらあっても足りません。

そこで受験者の強い味方となるのがチーズショップのフェルミエ。ナチュラルチーズに関与したことのある人であれば必ず知っていることでしょう。都内高級レストランの殆どは当店と取引があるという、日本でトップクラスに有名なチーズ専門店です。

そのフェルミエ愛宕本店において、2次試験直前の1ヶ月の金曜日と土曜日の限定で、週替わり8種のテイスティングセットが2,500円で販売されているという噂を聞きつけ、これはお買い得と興奮し、毎週通い詰めることとなりました。
話は逸れますがUBERを使いました。UBERアプリの登録名はファーストネームであり、仮に私の名前がタクヤだった場合、運転手から何か声をかけられる際には「タクヤさん」と呼ばれるのでギョっとする。世の中で私のことを「タクヤさん」と呼ぶ人はひとりもいないので、何だか変な感じです。
当店は虎ノ門ヒルズすぐ近く、天然の山としては東京23区内最高峰である愛宕山(25.7メートル!)の中腹に存在します。
愛宕神社の参拝道をのんびりと登り、都心とは思えないほどの緑の中にひっそりと佇む奥ゆかしいチーズショップ。
店内はチーズラヴァー垂涎の品揃えで常時200種以上在庫されているとのこと。熟成庫まで備え付けられており、この店は只者では無い感が嫌でも伝わってきます。買ったチーズはそのまま併設のサロンで頂くこともできますし、また、イートイン限定の3種盛りや5種盛りなども用意。当然にワインやコーヒーなどの飲み物も完備です。
ある週の盛り合わせのラインナップはこんな感じでした。
解答用紙に答えを記入し、
答え合わせ。これぞ独学中の独学である。
またある週は、
こんな感じです。
内容量は160gと記載されていますが、体感ではもっと多く感じました。1人で一気に食べきるのは苦労するボリュームなので、テイクアウトにするか、お友達とサロンで分け合って食べるのが良いでしょう。

また、テイスティングセットは数量限定なので、念のため予約しておいたほうが良いでしょう。また、併設のサロンで貸切イベントを実施していることも多いので、その意味でやはり事前に1本の電話を。
一度、フリーで突入しチーズは買えたが食べる場所が無いという地獄に陥ってしまったことがあります。その時は機転を利かし、メゾンカイザー虎ノ門ヒルズ店のパンをテイクアウトし、虎ノ門ヒルズのフリースペースで独りモソモソと食べることにしました。

優雅なんだか馬鹿なんだかわかりませんが、いずれにせよ不気味な存在であることには間違い無く、周りの人々の視線が気になる気になる。もちろん気にしているのは自分だけであって道行く人々は私など眼中に無いでしょうが、勉強に集中できないという意味ではあまりオススメできない行為です。

その意味でやはり事前に1本の電話を。経験者語る。



Instagram


関連記事
テイスティングは生まれ持っての繊細な味覚に拠るといったことはなく、地道な練習あるのみです。誰でも最初は「赤ワインなんて全部同じじゃーん」と思うものですが、そのうちコーヒーと紅茶ぐらいの違いに感じるようになります。その特訓記録をまとめました。

ソムリエの筆記試験の勉強方法は千差万別ですが、私は地理から入りました。地図と一緒に対応するアペラシオンなどの表が記載されており、上手に整理されていると思います。白地図もついており、復習し易いです。