興津海水浴場/外房

先週の新島に続いて海。ただし私が人生において最も憎んでいるのは混雑と行列と意味の無い待ち時間。首都圏で空いているビーチは無いものかと情報収集を続けると「外房が良い」との結論に至りました。なんでも、外房はビーチが点在しているので客がバラけるからなんですって。
外房の欠点は都心から遠い点。しかし「グリーン車にシャンパーニュを持ち込み鎌倉へ」 の時と同様に、移動をエンタテインメント化してしまえば無問題。アウトドア用のグラスを持ち込み、缶のスパークリングワインで乾杯です。
成城石井でツマミを買い込めば立派なブランチの完成です。
泡の次は白。ヴィンテージは2016。なんで2016年をもう飲めるかって?これは南半球のヌーボーなのです。
食事が終わればチーズをツマミにひたすら酒に淫するのみ。
面倒くさがって車内販売の缶ビールで済ますのではなく、グラスやクーラーに拘るのがポイントですね。雰囲気が途端に優美となります。
グリーン車の終点からは外房線で各駅停車で南へ。座席を確保することができず、右手にチーズ、左手にワインという、車両内で最も浮かれた中年男性となってしまいました。
都心から2時間と少しで目当ての駅に到着。外房のビーチは駅から離れていることが多く、自家用車での利用が中心となるのですが、興津海水浴場に限っては上総興津駅から徒歩5分と便利な存在です。
街で唯一のコンビニへ。どことなく看板が色あせており、また、営業時間が限られていたりATMがなかったりするのはご愛嬌。コチラで追加の酒を調達です。
ここ通っていいの?と疑いたくなるような路地をすり抜けるとその先には、、、
抜けるような空と粒子の細かい砂で満ちたビーチ!首都圏の8月上旬の日曜日としてはまずまずの空きっぷり。
浜で唯一の海の家、なぎさでレンタルパラソルを調達。
白い砂浜ではやはり黄金色のビールが映える。もちろん銘柄はアサヒスーパードライ。シャープな喉越しが陽射しを跳ね返し湿気を追い払ってくれます。
寝転がると空の青さと太陽の光をたっぷりと浴びて元気いっぱい。ダラダラと飲み続け、水着に着替えるまで1時間、そこから水に浸かるまでもう1時間を要しました。ちなみに水質は首都圏の割には良い方だと思います。遠目から見ると青々とした海なのですが、間近で見ると砂色の水。
しかし事件発生。潮風がビュウと拭きつけ、パラソルの背骨が中ほどでポキンと折れました。すぐにアルミ製のパラソルに交換して頂けたので事なきを得ましたが、これが自前のものだと思うとぞっとします。せっかく持ってきたのにまたレンタルしなきゃいけないわ、そこらへんに捨てるわけにもいかず持って帰って捨てなきゃいけないわ。

その後も大して泳ぐでもなくアルコールと午睡を貪るのみ。外房にまで来て都心でやっていることと大差ありません。
17時にライフセーバーは店じまい。あっという間に掃けていく海水浴客。ここのゲストは慣れているのか、まるで敷かれたレールの上を滑っているかのごとく片付けの身のこなしが軽いです。
無料のシャワー、トイレ、更衣室はあるのですが、シャワーは蛇口が少なく長蛇の列。並ぶのも面倒だし、なんとなく乾いてきたしで砂を払って着替えてそのまま帰ることに。こういうことを経験すると、ホテルのプライベートビーチのシステマティックさの価値が身に沁みます。
ところで、町中に「勝浦タンタンメン」なる幟がチラホラ目立つ。なんでも勝浦のご当地ラーメンらしく、B-1グランプリに出場してまずまずの成績を収めたとか。

腹の虫が泣き始めたことだし、1杯食べて帰りますかと手近なお店に飛び込むと、店員より開口一番「電車の時間、大丈夫ですか?」と訊ねられる。どういうことかと時刻表を確認すると、10分後の電車を逃すと1時間以上も次列車が到着しないという落とし穴。なんて親切な店員さんなのでしょう。

しかし末期的に腹が減り始めたので、当座の繰り延べのために先のコンビニでおにぎりとフランクフルトを買い食いする。高校生みたい。
1番線から2番線へは屋根なしの歩道橋を渡る必要があり、また、2番線には屋根がありません。雨の日つらいなこの駅の構造。
コンビニおにぎりを手に取ると、偶然にも新発売のものを購入していたことに気づく。おかか、新発売か。たぶん建武の新政ぐらいの頃からおかかはあったと思うんだけれど。デイリーの社是か何かで「おかかだけは売ってはならん」みたいなのが定められていて、何かのきっかけで解禁されたのかな。などとくだらない妄想ばかりが膨らむ午後6時の外房線。



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国内旅行もすごく大事にしています。なんてったって安い。みんなハワイなんか行くだけでなく、日本の名所と美食を巡る人生の豊かさも知って欲しいな。