日本焼肉界の王者、金竜山(きんりゅうざん)。食べログ4.37の全体でトップ50入り。焼肉では当然に1位です。小体なお店でその座席は数ヶ月先の分まで争奪戦。全く予約が取れないので半ば諦めかけていたのですが、焼肉女子が席を押さえてくれました。やったー!
炭火焼肉。お店の方がチャキチャキとセッティングしてくれます。有名焼肉屋は何故か店員、特に女将が横柄なことが多いですが、当店はそういうことが全くなく、良い意味で事務的に物事を進めてくれます。
ビールは一番搾りの大瓶のみ。なんとも男前なラインナップ。
肉の前にキムチ盛り合わせ800円。これは全然美味しくなかった。浅漬けでコクや深みなどは見当たりません。キュウリに至っては漬けてすらおらず、スライスしただけ。
上タン塩。3,200円。ひ、一切れ800円か、と身構えてしまいますが、その価値は充分にありました。控えめに言って先頭打者ホームラン。分厚い肉を口に含むとプツンプツンと上品に繊維がほどけていき、ジューシーな味わいが口いっぱいに広がります。
タレとレモンの2種類からご自由に。当店はうしごろなど近年の前衛的な焼肉屋の対極に位置し、王道も王道。奇をてらうことなく、肉を焼くことに真っ直ぐなお店です。
ハラミは2,500円。これはあまり印象に残らず。おくむらの少し熟成がかったそれのほうがタイプかも。
塩レバー1,300円。艶やかな肝臓をササっと炙り、ごま油に浸して一口で頬張る。ううむ、旨い。品の良い鉄分がビールを呼び込み無上の幸せ。
ワサビカルビ2,500円。脂がたっぷり乗ってアラサーには厳しい系。しかし大量のワサビと共に味わえば話は別。特上カルビとかじゃなくてこの皿を選択して良かった。ただしこの皿におけるワサビは重要な構成要素であるため、贅沢を言えばもう少し高品質なものが欲しいです。
ロースの食べ比べをしようということで、普通のロース1,400円。うーん、これは普通の中の普通です。私ちょっとテンション下がりました。
特上ロース3,500円。実に2.5倍の価格です。広い肉が3枚。ひ、一切れ1,000円を超えるのか…、と、また貧乏臭い計算をしてしまう。
さっと炙って大口でかぶりつく。悶絶する味わいでした。普通のロースの2.5倍以上美味しい。適度な脂が流れるように胃袋に落ちて行き、余韻に肉の甘味が広がります。
〆にホルモン。清潔で新鮮。ここまでクリアなホルモンは中々ありません。語らいながらチビチビと酒を飲む友に最適です。
サイドメニューを殆ど注文せず、当店のコアコンピタンスである肉をひたすら食べまくりました。それなりに飲んでひとり1万円と少し。まあ、こんなもんでしょうか。これで8,000円を切るとかだったら跳ねて喜ぶところなのですが。
味に関しては東京に点在する焼肉の名店と同レベルです。当店は予約の取り難さから神格化されていますが、唯一無二の味わいがあるかというとそうではなく、普通に美味しい焼肉屋といったところ。
そうは言っても日本でトップクラスの焼肉屋であることは間違いありません。私の中で当店を凌駕するのは石垣島のやまもとぐらいか。ただ、あそこは東京から遠すぎるので同じ土俵で語っちゃいけませんかね。そういう意味で、当店はトップなのかも。機会があれば是非どうぞ。
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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
- 炭火焼肉 やまもと/石垣島 ←個人的に世界で最もリーズナブルな焼肉屋
- 牛蔵/富士見台 ←個人的に世界で2番目にリーズナブルな焼肉屋
- 金竜山/白金高輪 ←食べログ焼肉1位4.37、その座席は数ヶ月先まで争奪戦
- くにもと/大門 ←リアル注文の多い料理店
- うしごろ/銀座 ←トレンディな芸風。店員に当たり外れあり
- 龍苑/川崎新町 ←ニンニクの使い方は賛否両論ですが、塩ハラミが絶品
- 焼肉北京/平間 ←使い勝手は悪いけど、費用対効果はかなり良い
- ホルモン船ホールちゃん/東新宿 ←雰囲気を鑑みると割高ですが、焼肉料理全体としてレベル高い
- スタミナ苑/鹿浜 ←神格化されていますが私は何とも思いませんでした