酒肆ガランス/白金高輪


しゅしがらんす、と読みます。オーギャマン・ド・トキオの跡地。キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレの2階です。特徴的な調理場をぐるりと取り囲むカウンター席はそのままの居抜き。照明がエロティックに落とされており、怪しげな空気感。スタッフの方々もそれぞれ雰囲気があり、個性的なお店です。
ワインやビールはもちろんのこと、日本酒や焼酎ひいては耳慣れない国の耳慣れないお酒まで、飲み物のラインナップが膨大です。完全に酒飲みのためのお店。
肉(豚だっけ?)とホウボウのリエット。何この手の込んだお通し。ホウボウをこのように食すのは初めてです。しかもきちんと旨い。一口で今後の展開に期待を持ちました。

ちなみにリエットの隣にあるオリーブみたいなのは「モモ」と聞こえた気がするのですが、いわゆる桃の味わいとは異なり、歯ごたえのあるオリーブのようで面白かったです。
カニクリームコロッケを注文。ザクザクと粒子が大きいパン粉と共に、じっくりと揚げられています。
開けて驚き、蟹肉がギッチギチに詰まっています。RRRにしろ、最近のカニクリームコロッケ業界はふんだんに蟹肉を使用することが多いですね。こういう解かりやすい方向性は大好きです。
そのままでももちろん美味しいのですが、「スーパー特撰太陽ソース」に浸すとこれまた格別。ソースの熟成感が堪らない。市販品でここまで濃厚で複雑な味わいを具現化できるのは素晴らしいですね。また、ソースを自作することに意固地にならず、「旨けりゃいいじゃん」と出来合いのソースを躊躇無く客に出すシェフの姿勢も合理的。これで焼きそば作ったら最高だろうな。。。
ワインをボトルでもう1本。いかにも業界人が好みそうな雰囲気ながら、ワインは3,000円代からと懐に優しい。
隣席から漂うスパイスの香りが魅力的すぎて思わず注文。南インド風のカレーです。一口食べて驚き。これは本物だ。スパイスの使い方がややこしすぎる。複雑系の極み。普通の日本人では表現できない味わいです。思い切りの良い辛さも見事。街のなんちゃってインドカレー屋は当店に修行しに来るように。
スパイスで食欲に火がついてしまったのか、黒板に躍る「麻婆麺」の3文字に抗えない。これでもかというパクチーに、山椒の香りが大爆発。数々の辛味が胃袋を刺激し、一心不乱に食べてしまう。と、唐突に、食べている途中で、お店のかたがニヤニヤと一旦お皿を下げていく。
なんとゴハンを混ぜ込み、ソバメシ風にしてくれました。最高かよ。満腹ながらもウマイウマイウマスギルと一気に掻き込んでしまいました。めでたしめでたし。

素晴らしいお店です。分類としては居酒屋に入るのかな。とにかく料理の種類が豊富で、洋の東西を問わず多彩な味わい。この店で一通りのメニューを試せば世界一周旅行を疑似体験できることでしょう。次回はおなかを空かせて、旨そうなモノを片っ端から注文しよう。

努力ではどうにもならないセンスを当店に感じました。これは通い詰めてしまいそうだ。

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白金高輪は粒揃いの佳店が多いです。ちょっと不便な立地も良いんでしょうね、若い子たちを寄せ付けることが無くて。
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