旬熟成/麻布十番


コンセプトを「熟成肉とジャパンクオリティ」と謳う当店。当店特有の熟成を経て造られたドライエイジングミートとは「旬熟成MEAT」と呼ぶそうな。
十番の鳥居坂からもうちょい六本木方面にある路面店です。ドライエイジングミートとは乾燥熟成肉のこと。食肉を一定の湿度と温度のもと風をあて続け寝かせることで、筋繊維の決着材であるコラーゲンの力を弱め柔らかくし、また、たんぱく質の分解を促進してアミノ酸の増加すなわち旨味の上昇を期待する処理です。
お通しは熟成肉のパテ。なるほど確かに肉の凝縮感があり、今後の試合運びの期待が膨らみます。
今夜は肉料理しか注文しないと心に決めたので、濃い目の赤1本で通す。グルナッシュとシラーの混醸なのですが、思いのほか軽やかで品が良かったです。
熟成牛自家製生ハム。一般的な生ハムとはかけ離れ、結構な厚さと生肉感。旨味が濃く甘味すら感じるほど。素晴らしい逸品でした。
タルタル。若干サシの入った熟成肉に軽く火を通したもの。まずはそのまま食べる。先ほどの熟成牛自家製生ハムと同じベクトルで美味しい。卵黄を崩すと円やかさが加わり白米が欲しくなります。
炭火で火を通しつつ、見慣れない器械で寝かして…を繰り返した後に提供されるのが、
熟成肉ステーキの盛り合わせ。2人前で8,000円。写真は1人前です。値段の割にあんまし迫力ないかも。
ヒウチ。モモ肉の一部で、牛1頭から2kgほどしかとれない貴重な部位。なのですが、鬼マックスに脂がてんやわんやで一口でウっとなってしまいました。これを美味しく楽むことができるのは20代前半までな気がします。
内モモ。脂肪が少ない赤身であるはずなのに、どうも脂っぽく感じてしまう。。。公式webサイトによると、用いているのは群馬県産黒毛和牛種の赤城牛らしいのですが、そもそも脂の主張が強い肉質なのかもしれません。
豚肉は熟成した肩ロース。こちらも牛肉と方向性は同じでどぎつい脂が優勢です。

以上盛り合わせ3点、とにかく脂っぽくて付け合せのワサビで必死に胃袋い詰め込むという有様でした。一見ポーションが小さい気がしたのですが、強烈な脂で食欲が一気に減退し、幸か不幸かこれでちょうど良い量なのかもしれません。
〆に熟成牛スジラグーのフィットチーネ。2,000円近い価格なのですが、数口しか楽しむことができません。生ハムやタルタルに比べると随分割高だなあ。味は申し分無いのに、どうしても物足りなさが先行してしまいました。

パテ、生ハム、タルタルまでは最高に満足していたのですが、スペシャリテで急失速という稀有なお店です。帰宅後も濃厚な脂が胃袋で暴れまわりグロッキー。今回は学び。残念ですが、次回からいわゆるスペシャリテの肉を注文することはせず、前菜を中心に据えて、ワインを楽しむという使い方をしたいと思います。

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  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
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