ザ・ロビーラウンジ&バー(ザ・リッツ・カールトン東京 )/六本木


「22時からあいてる?」とシンプルなお誘い。メイクを落としてゴロゴロしていたところだったので渡りに船。しかも指定の場所はリッツカールトン。出張ホストのセミプロである私は5分後に家を後にします。
物理的には近くても金銭面において遠くに位置するリッツカールトンはカウントダウンパーティ以来です。ちゃんとしたホテルってお花が飾られているのがいいですよね。眺めているだけで豊かな気持ちになれます。
このラウンジの客層はいつだって最高。オッサン6人とかで談笑していてもすごく絵になる。一方で、店員は意外と気がきかない。空間を贅沢に使うことは大変評価できるのですが、店員のテーブルウォッチングがそれに追いついていません。
生演奏の重低音が腹に響く。なのですが、ひとりあたり2,500円のカバーチャージはやっぱ高いよなあ。まあ、一定の客層を維持するための入場料として割り切るしかありません。
最初は中ほどのソファ席でしたが、窓側の席が空いたので移らせて頂きました。この日の東京は晴れ。男もときめく光の雨。東京の全てが見渡せます。
スカイツリーも根元から頂点まで望めます。角度的に東京タワーが見えないのが心残り。この点に限ってはプリンスパークタワーのステラガーデンに軍配が上がる。
泡が割高だったので白から入る。
群青の空に煌く文明の灯り。琥珀色の液体。東京っていい街だ。
きちんとしたホテルはお通しだってぬかりがない。ナッツはさておき、ここまで美味しいおかきはなかなかないぞ。
「急に呼び出してゴメンね。何でも注文して」というので、このマティーニが飲みたいと告げると「バカじゃないの」と眉ひとつ動かさず私を古靴下のように捨てる。

それにしてもこの価格。単位は円である。値段やダイアモンドはさておき、レシピもちょっと変わっています。「歌と共に」って、歌手が歌うのかバーテンダーが歌うのか、後者だったらなんだか間抜けだなあ、などと妄想が膨らみました。
ロブスターのシーザーサラダ。これは大迫力。ものすごい大きさのロブスターです。質が良いのか丁寧に下ごしらえされているのか、生臭さなど皆無で想定外に美味しかった。支えるレタスも元気いっぱいで食べ応え抜群。シュレッドチーズはやや雑っぽさが目立ち改善の余地ありです。
23時過ぎに極上のハンバーガーにかぶりつける無上の喜び。「WOWバーガー」13,000円(税サ別)に思わず目が釘付けとなってしまいますが、
「タワーズバーガー」3,000円(税サ別)でさえ充分にG.O.A.T。ラウンジの軽食と侮る勿れ、パティの焼き加減やチーズの種類を選択できるなど本格派。ちなみにG.O.A.TというのはGreatest of All Time(史上最高)の意味で、一度使ってみたかっただけです。
特筆すべきはフレンチフライの芋の旨さと油の軽やかさ。5分と経たずに一気食い。
ケチャップとマスタード、マヨネーズは標準的でした。ポテトなどに塗布する必要は無く、そのまま食べるよろし。
ハンバーガーにはビールと100年前から決まっています。赤身の強いハンバーガーをビールの苦味で流し込む至福のひと時。
23:30に食事と飲み物共にラストオーダー。わ、思ったより早い。夜行性の人にとっては意外と使いづらいお店かもしれません。慌てて数杯注文すると一気に酒で渋滞し、まるでバカのテーブルである。
 
赤のグラスワインは4種のみ。席数が多くもう少し選択肢しても歩留まりは悪くならないと思うのですが、、、まあ、ワインに主軸を置いたバーではないので、そんなものなのかもしれません。

また、閉店時間の0時ちょうどに昼間のように照明を点け、さっさと帰れ感を前面に出し、テーブルウォッチングがなっていないくせに、追い出すときは猛烈プッシュしてくるのが残念。もうちょっとスマートに帰して欲しいなあ。

「まだ時間、大丈夫だよね?もう一軒つきあって」と連れられたのが
西麻布の赤のれん。「どうしても水餃子が食べたくなっちゃったの」と、欲望に素直でよろしい。ビンビールで乾杯しつつ
つまみの盛り合わせは1,000円。ほんの10分前までは水が1,000円する世界。両方に愉しみを見出す我々は人生得するタイプです。
「これこれ!」と無邪気に飛びつく水餃子。先ほどのパティと併せて今夜はひき肉祭。
〆はひとつのラーメンを分け合います。深夜2時に轟くトンコツの香り。もちろん赤のれんよりも美味しい博多ラーメン店は数多ありますが、六本木界隈を飲み歩く人種にとって当店は、精神的な拠り所というか、ソウルフードなんですよね。

またそう思わせる要因として、赤のれんのホスピタリティの高さも挙げられます。場所柄色んな客層が好き勝手訪れるので懐が大変深い。カウンター席でひとりラーメンだけパパっと食べて帰れるのは当然のこと、テーブル席でツマミ主体でダラダラと飲んでいても迷惑がられず放っておいてくれます。深夜であっても常に混雑している一方で、行列することは無い絶妙の客入り。皆が皆、思い思いの楽しみ方を貫く稀有で貴重なラーメン屋です。

それでは皆さん、また今晩。


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大所のホテルブランドであればリッツカールトンが好き。その街にリッツがあれば極力泊まるようにしています。




従業員の面接を、宿泊客と同様にもてなすリッツ・カールトン。ドアマンとピアノの生演奏が志願者を迎えるとか冗談みたい。そりゃあ凄いサービス集団が生まれるわけです。



ザ・ロビーラウンジ&バー
夜総合点★★★☆☆ 3.5