Cloud 9 Revolving Restaurant & Lounge/West End(Vancouver)

The Empire Landmark Hotelの最上階42階に位置する展望レストラン。「味は大したことないけど、景色は確かだから!」と、友人にお連れ頂きました。80分でレストランごと1周くるりとまわる、オークラのレストランや東京交通会館に似たコンセプト。
なるほどこれは絶景!5月初旬のバンクーバーの日没は21時近くなので、夜景にまでたどり着くことはできませんでしたが、ばびろんまつこも納得の大パノラマです。あまりの興奮に窓にへばりついていると、少しずつ地面がズレて身体ごと持っていかれるのに注意。
全面が窓ガラスで非常に開放的。クルーズ旅行を想起させる程の解き放たれた感じです。バンクーバーの中心部のちょうどイイトコに立地しているので、バンクーバーの全容や土地感覚を一気に理解することができる。
パンは価格帯の割には中々に美味しい。当店に限らず、バンクーバーはパンのレベルが全般的に高いような気がします。
マンハッタンスタイルのクラムチャウダー。これは失敗。二枚貝がたっぷりと入っているものの、コンソメが薄いというかなんというか、ミネストローネの出来損ないにしか思えません。やはりクラムチャウダーはニューイングランド風(牛乳や生クリームで伸ばすタイプ)が好きだなあ。
地元ブリティッシュ・コロンビア州のスモークサーモンが乗った前菜。レモンとディルの風味のきいたクリームチーズにケッパーがアクセントとなっていいですね。ルッコラもたっぷり。パンとサーモンの塩気のバランスが絶妙で、結構な量だけどパクパクと一気に食べきってしまいました。
同様にブリティッシュ・コロンビア州産の鶏肉。おろしニンニクの使い方が暴力的でクセになる味わい。付け合せにワイルドライスのピラフを指定したのですが、ワイルドライスは殆ど入っておらず下手な洋食屋の出来損ないピラフのようでガッカリ。

ただ、「料理は大したことない」と繰り返し説明されていた割には、なかなかどうして美味しいじゃないですか。値段もそんなに高くなく、ホテルのメインダイニングにしては客層やサービスもカジュアル。Tシャツも子連れもOK。観光客が景色を片手に楽しくやるには最高のお店だと思います。
路上のパーキングメーターに駐車していたのですが、ワイパーに謎の紙が挟まっていて背筋が凍る。なのですが、よくよく見ると単なる宗教勧誘のチラシでした。びっくりさせるなよー。



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Chambar/Downtown(Vancouver)

バンクーバーのチャイナタウン・スタジアム駅すぐのベルギー料理屋。友人に予約を入れてもらっていたのですが、フリーの客は40分待ちと言われており、人気のほどが伺えます。ところで、こっちのレストランの予約名って、ファーストネームなんですね。仮に私の名前がタロウだったとして、いきなり店員に「ハーイ、タロウ!」って言われるのはヘンな感じ。
木目主体の雰囲気のよいお店。テラス席もあり、イケてる男女がベルギービールで乾杯しています。街歩きをしていて感じたのですが、当店のようにセンスのよいお店が存在する率が東京よりも高く感じましたバンクーバーは。
ベルギー料理≒フランス料理と捉えていたのですが、見慣れない料理も多々ありました。過ちを犯すことを恐れた私は保守的にハンバーガーを注文。
肉は密度が高くギュウギュウ。200グラム近くあるかも。そしてこの肉は牛肉ではなく鹿肉。スパイスやハーブがたくさん練りこまれており面白い味わいです。マッシュルームのラグーや赤ワインのジャム、グリュイエールチーズが溶かれているなど、まあ、普通じゃないハンバーガーです。
バンズにはビーツの薄切りとハーブが散りばめられ、ちょっとオシャレやろドヤ!なプレゼンテーション。
付け合せのサラダに乗せられたヤムイモが面白い。サツマイモのように甘く繊維質が豊富。食べたことの無い食材がまだまだ沢山あるなあ。
重ねるとかなりの高さになります。丁寧に押しつぶし大口でかぶりつく。ハンバーガーを異常に上手に食す私にとっては朝駆の駄賃です。例えばクアアイナで肉をダブルにしたアボカドバーガーはかなり難易度が高いのですが、私の手にかかれば一滴も垂らすことなく完璧に平らげることができるのです。何自慢だか。
妻はフリカッセ(肉の煮込み)。バルサミコで味付けされたタマネギやオニオン、クレソンにチェダーチーズです。目玉焼きがふたつも並べられるのはさすが北米。
ベルギーと言えばベルギーワッフルという短絡的な発想から、ワッフルも注文。小ぶりながらも口当たりが柔らかく美味しいです。日本人がイメージするベルギーらしさを唯一見出すことができました。それでもソースには特徴的なハーブなどをきかせてあり、一筋縄ではいかない味わいです。

ベルギー料理とは何たるかを語れるほどの経験が私にはありませんが、所々、おっ、と感じさせる工夫が凝らされている料理店でした。



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北米西海岸 vol.2~橋橋橋~


目覚めると、奥様が朝食にスムージーを作って下さいました。ケールを中心に身体に良さそうな緑色の野菜を中心に、たっぷりのベリーで味を調える。マカやウコン、マキベリーなど最先端の健康食品もトッピングされ、東京なら1,000円を超える1杯。日々の上質な暮らしが伺えます。
ハフィントン・ポスト誌でカナダベスト4に選ばれたパン屋でクロワッサンを買ってきて下さいました。抹茶味がおもしろい。バンクーバーで抹茶って人気なんですって。普段朝食は食べない主義なのですが、この日ばかりはハイグレードなコーヒーと共にたっぷりと頂きます。
観光に出発。マクドナルドのロゴの中央にメープルリーフが埋め込まれています。
デニーズのアポストロフィにも楓の葉。「カナダって、何かとメープルリーフを埋め込んでくるよ」。国民全員が共通認識をとりやすいアイコンがあるって羨ましい。
Granville Islandへ。造船業で栄えた後、再開発で食事やショッピングを楽しめる赤レンガ的スポットへと発展を遂げた街。橋と高層ビルを望みながらテラス席でブランチする地元の人々。
観光スポット的な大きな市場では様々な食材が清潔に取引されています。フルーツや野菜、肉や魚介類などバラエティ豊か。
OCEANというコンクリート会社従業員家族向けのオープンハウスが開催されていました。タンクローリーに乗せてもらえたり、コンクリート会社が本気で作った砂山などで子どもたちが大はしゃぎ。設備に様々なアートが施されているのですが、どうも稲中に見えてしょうがない。
アクアバスという十数人乗りの小さな水上バスに乗る。操舵士がお会計や案内などを全てこなすワンオペです。
水上から迫り来る高層ビル。喫水線が低いため迫力満点。そこらじゅうにヨットハーバーがあり、カヤックやレガッタなどを楽しむ人々が大勢。水と上手に共存できている街です。
街一番の目抜き通り、Robson Streetを往復。ハイブランドから土産物屋など多種多様なお店がコンパクトに集約されています。その中でも美容院やネイルサロン、メイクなど、美容系のお店が非常に多く感じました。観光客が目立ち、昨日よりも中華系が少ない。
Chambarというベルギー料理屋でランチ。詳細は別記事にて。
食後はCapilano Suspension Bridgeへ向かうのですが、途中の橋で事故があったらしく、猛烈な渋滞に巻き込まれる。ここが止まれば全てが止まるという最悪の交通設計。「橋が通勤経路に入るような仕事は避けたい」と職探しにも影響を与えるほど、この橋の渋滞は悪名高いそうです。
通常であれば15分の道を1時間かけてようやく到着。長さ140メートル高さは70メートルの一大観光名所です。しかし竜神大吊橋から100メートルのバンジージャンプをこなした私にとっては朝飯前。
吊橋だけでなく、きちんと舗装されたピクニックスポットであるため、たっぷり2時間の森林浴を楽しむことができました。入場料は3,000円近くするのですが、その価値は充分にあります。
運悪く帰路でも追突事故があったようで凄惨な渋滞。眺めが良すぎるからわき見運転で事故が発生するのではあるまいか。事故処理車を優先させるため、一般車両は片側通行を交代交代で進みます。
ディナーはレストランが80分で1周するという展望レストランへ。詳細は別記事にて。
夕食後は33 Acres Brewing Companyという地元で人気のビアバーに立ち寄り、クラフトビールを仕入れる。最新のコーヒーショップのような雰囲気でスタイリッシュ。
いずれの味も大変美味しかったです。「ストロングビア」は驚きのアルコール度数9.2%。なのに爽やかな口あたりでスイスイと飲めてしまうという危険な逸品。また、これらがいずれも1本300円以下で買えてしまうのはお見事です。日本のクラフトビールもハイクオリティですが、どこも1本500円前後してしまうので、もうちょっとなんとかなったらなあ。
今夜もKUMON。内容がどうのこうのと言うよりも、勉強する習慣を身につけることが非常に重要です。私も昔から机に向かうことに特に苦痛を感じることはなく、今となっては学ぶことがもはや娯楽の一種となりつつあります。この子は私と同じく立派な人間になることであろう。
ポーランド産の高品質なシャルキュトリとビールがあれば夜は明けない。

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Dinesty Dumpling House/Burnaby Kingsway(Vancouver)


Metropolis at Metrotownすぐ近くにある中華料理屋。酒のメニューはあるけれども免許が降りておらず提供はできないという、日本人から見れば特異に映る店。しかし規制社会のカナダではよくある話。
客の95%は中華系であり、スタッフは全員が中国人でした。これは期待が持てるぞ。厨房がガラス張りで丸見えなのですが、料理人たちは仕事中に和気藹々とアイスを食べたりジュースを飲んだり談笑したりと、楽しそうに仕事をしています。
酸辣湯。酸味を期待していたのですが、胡椒味が支配的でした。唐辛子の辛さも結構強く、一般的に日本人に馴染み深い酸辣湯とはかなりかけ離れています。
牛肉の麺。麺が異常に長く取り分けづらいです。スープもコクが無く平板で、三田の中国家庭料理大連におけるスープ餃子のような味わい。他方、肉はホロホロと柔らかく、日本では中々味わうことのできない思い切った八角の使い方で良かったです。
海鮮おこげ。具材がゴロゴロと大きくシンプルに美味しかったです。おこげをもうちょっと焦がしたほうが香ばしくて食欲をそそるかもしれません。
「Dumpling House」の名の通り、スペシャリテはコレ系です。まずは豚肉の小籠包。普通に美味しいのですが、やはり南翔饅頭店のような本場の専門店には適わない。
鶏肉の小籠包。うっかりすると豚肉とも取り違えそうになるほど、味わいの方向性が酷似していました。同じく普通に美味しい。
野菜の小籠包。緑色っぽく透けて見える物体が謎。ので、解体してじっくり食べてみたのですが、ナスっぽい食感であることしかわからず、何の野菜かは結局不明です。
お嬢様用にあんまん。いわゆる小豆のあんだけでなく、チョコあんまんもあり美味しそう。
仕事が早く、注文したものが一気に届き、パーティ状態。テーブルが食べ物で埋め尽くされる幸せ。
鶏肉、ごぼう、ニンニクを炒めた料理。照り焼き的な味わいです。ビール飲みたい!
最後の最後に注文したことをすっかり忘れていた焼き餃子が届く。満腹ではち切れそうだっため、一口食べてギブアップ。公正な判断ができないため意見不表明。パッキングしてお持ち帰りです。

大人が好きなものを好きなだけ食べて酒抜き2,500円。やはり中華は普段使いのごちそうとして、どの国においても偉大な料理として再認識しました。

退店時は結構なウェイティングが生じており、人気店であることが伺えます。が、酒は無いため客がダラダラ居座ることはなく回転は速い。お近くに来た際には是非どうぞ。


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北米西海岸 vol.1~ホンクーバー~

「不夜城」でスターダムにのし上がった馳星周。彼の代表作に「ダーク・ムーン」というものがあります。中国系マフィアの抗争劇で、読後感は最悪ながらも爽快という魅力的な本なのですが、その舞台が北米最大の中華街を抱えるバンクーバーなんですね。

この本を読んでから一度はバンクーバーを訪れてみたいと長い間想いを募らせてきたのですが、古くからの友人がバンクーバーに移住したのを大海の木片と捉え、すぐさま私も彼の地へ向かいます。
「空港まで迎えに行くよ」と連絡を受けており、税関を抜けてすぐに再開をハグで祝おうと準備運動していたのに、彼の姿はどこにも見当たりません。慌ててメッセージを送ると「むかっています!」と、安定のクオリティ。
夕食まで少し時間があったので、Metropolis at Metrotownという超巨大ショッピングモールへお連れ頂き、カナダ発ブランドのお店をいくつかご紹介頂きました。化粧品のMAC。あれ、カナダのものだったんですね。
それにしてもアジア人が多い。「ホンクーバーって揶揄されているからね」、と友人。ヘタすると香港よりもアジア人が多いかもしれません。右も左も中華系。飛び交う中国語。T&Tという中華系のスーパーに足を踏み入れると、自分がどこに何をしに来たのか不安になってしまいます。ちなみに写真は鶏の足。こちらの中華系の人々の好物らしく、永遠にムシャムシャ食べ続けておしゃべりするのが最高の娯楽とのこと。
魚を買うのに謎の大行列。言っておくがこれは平日昼間の出来事である。ただし、こちらの中華系の人々は銀座で幅を利かせている方々とは雰囲気が大きく異なり、話し方や物腰が極めて穏やかとのこと。「むしろこっち生まれの中華系は、本土の中国人を嫌ってたりするんだよね」。
「もっと中国な所がある」と連れられたのはお隣のThe Crystal Mall。こちらはもはや英語よりも中国語のほうが支配的です。独特の漢方の香りが漂い、北米にいることをうっかり忘れてしまう。
「カナダは規制社会。酒はスーパーとかコンビニで売ってなくて、官が運営する酒屋でしか買えないんだよ。だから酒屋の店員は公務員」。当然にuberは許されておらず、タクシーマフィアたちが業界を牛耳っているそうな。
奥様お嬢様と合流し、予約を入れておいてくれたDINESTYという中華料理屋へ。詳細は別記事に記しますが、「ここは酒を提供する免許がおりてなくて、アルコールは置いていない」と、規制の壁。街中の飲食店の看板にやたらと「Fully Licensed」と記載されているのですが、なるほど、酒の提供が許されているというだけで店としては立派な競争力なのですね。
宿泊代がわりに日本酒をお持ちしました。「カナダだと小瓶(300ml)で40ドルとかザラだから有り難い!」
夕食時に飲めなかったので、宅飲み開始。カナダはクラフトビールづくりが盛んで多様な麦酒が2ドルほどで買えるとのこと。
乳児の頃から知っているお嬢さんはすっかりバイリンガルに。友人がKUMONを元に勉強を教える姿が微笑ましい。「だから、ファーマーがレイジーだからダックがワークすることになったんでしょ?」ルー大柴かお前は。
奥様は「周りが中国人だらけだから、英語よりも中国語を勉強しないと」とWeChat(中国のLINEみたいなアプリ)を操作する。

中国語と英語が自然に飛び交う正真正銘の人種のるつぼ。これまで色々な国を訪れましたが、ここまで人種が雑多な空気は珍しい。興奮のあまり時差ボケなど意に介さず夜中まで話し込む。


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