表参道のMUJI脇の路地を入ったところにあります。絵に描いたようなオシャレなお店。
内装も完全にハイセンス。オッサンひとりで入って良いものかと逡巡しましたが、大人であること、それは独りであることです。
3列横隊で客を待つ愛しきセイボリータルトたち。
素敵なプレゼンテーションです。サンセバスティアンの旧市街を彷彿とさせます。
ちなみに当店のタルトの素材は欧米一本槍ではなく、日本の素材をうまく取り入れています。「ゴマ油風味」とか、「蕎麦屋のカレー味」とか、意欲的。
また、生地には一切バターを使用せず、グレープシードオイル、エキストラバージンオリーブオイルなど、いわゆるカラダに良いとされている油を使用。これでアガらない女子は死刑。
店員さんと相談しながら美味しいところを見繕う。「男性の方なら、もうひとつぐらい余裕ですよぉ」と、気立ての良い提案をして頂き、ふたりで星を見たくなりました。まずはクラブケーキから。
じぇじぇじぇ!すげーうまい!想像していたよりも全然美味しかったです。高級レストランのアミューズ・ブーシュのレベルは簡単に超えてきます。いや、レストランの最初の一口に比べると生地の割合が相対的に小さく身がギッチギチに詰まっているので、ワオ!美味しい!
続いては炒めたまねぎのタルト。
これはガクーンと期待ハズレ。見た目では頭の先から足の先までたっぷりと糖度の高いタマネギが詰まっており、おはようからおやすみまで暮らしをみつめてくれると信じていたのですが、ほとんどマッシュポテトやん。ポテトの量が多すぎてタマネギの味あんませえへんし。ここまで手の込んだ手抜きは珍しい。
大団円には豚バラのコンフィ。じぇじぇじぇ!V字回復!素晴らしい味わいです。オジサンタルトの極地。丁寧に調理されたコンフィがたっぷりと敷き詰められ、ローズマリーの香りをきかせたローストポテトをキレイに並べ、仕上げにこってりとした脂がつまった豚バラ肉を鎮座させる。これをマズイという男子は死刑。
旨味の強さ絶妙な塩気に誘われグラスワインを頂きます。酒飲みに罪があっても、ワインに罪はありません。
大満足です。どーせオシャレが無いと死んじゃうようなキラキラ系OLを釣ろうとしているだけのすぐに潰れるお店だろうと穿った見方をしていたのに、非常に完成度の高いタルトたちでした。夜はタルト片手にのんびり飲むのも大いにアリですな。
課題は価格。550円は一見高い。ただ、3つも食べれば普通の胃袋の人間であれば満腹になるので、変なパスタランチを食べるよりも断然オススメです。確実に550円の価値はあるのですが、写真や文章からはその価値が伝わりづらいのが残念です。
6個入りのテイクアウトセットが2,700円というのは魅力的。ホームパーティの手土産にするとヒーローになれそう。使い勝手は無限大。オススメです。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。