チャイニーズレストラン直城/高輪台

10年ほど昔の仕事仲間が集結した会。ちょくちょく会う方もいれば、ほんとに10年ぶりに会う方もいらっしゃり、懐かしさこの上ない。シャチョーだったりシッコーヤクインだったりホンブチョーだったりパートナーだったりとみんな偉くなったなあ。

①遅刻者がいてもOK ②ワイワイがやがやダラダラできる ③品川近辺 という条件につき、当店と牧野TYハーバーを案出し、当店に決定という運びとなりました。
 住宅街にひっそりと佇む中華料理屋。最近「隠れ家」推しのお店が多い割に全然隠れていない場合が散見されますが、当店こそ「隠れ家」。というか、ただの家です。

品があって清潔な店内を貸切。宴会は未だ始まっていないのに居心地の良さが心に響く。
 ビールで飲み会の火蓋が切って落とされました。
左からピータン、モヤシに鶏肉ソース(?)、タン。酒宴の導入部分として素晴らしい前菜でした。特にピータン。独特のクセはきれいさっぱり排除されており、ゼラチン質と卵の旨味に身をゆだねることができます。
 さっそくワインへ。赤のボトルは6種ほど。「下から順番に行くか」で合意。グラスが結構良いものなのが嬉しいですね。
 水餃子。山椒が少なく白ゴマ主体の担々麺のスープを濃縮したタレが全面を覆います。水餃子はもちろんこのタレがわかり易く美味であり、このタレだけジョッキで飲みたかった。
 人数が多いのでボトルなど一瞬で空く。5分に1本ペースでドンドコ注文。
 鶏肉を揚げた上で炒めたもの。そう、完全無欠の大宴会であったため、お店の方に料理の説明を受けることはなく、全て私の感性での説明となることをご容赦下さい。傑出した味わいではないものの確固たる立脚点は外しておらず、純粋に美味しかった。
 価格の昇順で注文しているので、このタイミングでシラー。
 あわせる食事は上品な上品な薄味の上海料理。まあそんなこともある。イカは包丁の入り方が見事。味付けがきちんとイカの身におさまり美味しかったです。ミル貝は食感は悪くないのですが、やや臭みが残る独特の。
 マルボロのピノ。綺麗な味わいで先ほどの海鮮も許容範囲。「すんませーん、これあと3本ね」とまるでビンビールのような注文が飛び交う。これ1本8,000円なんですけど。
 麻婆豆腐はやや失速。唐辛子と山椒はハッキリとしているのですが、どうも深みが感じられず。もっとコクのある肉を多用すれば私好みの味になるのになあ。まあ、それは好みの問題ですので、このスタイルの麻婆豆腐を好む方もいることでしょう。
「これも何本か持ってきて~」。社長、これは1本12,000円です。いかにHENRYs( High Earners, Not Rich Yet )に区分されたとしてもその壮大な注文スタイルはいかがなものかと。「こまけぇこたぁいいんだよ!!お前そういうトコあるよ!」と一喝されました。ごちそうさまです。
きちんとした杏仁豆腐。程よい甘さが満腹の胃袋にもスルスルと落ちていく。ここに来て本日一番のお皿です。

サービスは女性1人だったので見るからにてんてこ舞い。大人数かつワガママ爆発な客でご迷惑おかけしました。そういう意味で、万事整ったレストランというわけではありませんが、空間の居心地の良さや総体的な美味しさには価値があり、貸切宴会どんちゃん騒ぎには最適のお店です。また行こう。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。


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