御曹司 松六家/六本木

六本木のランチでは最も行列するお店、御曹司 松六家。「家」とつきますが決して家系ラーメンのお店ではありません。
食べログの口コミで行列情報を整理すると、「30食限定、11:30オープンだが10:30頃から並び始める。11:00頃までに並んでおかないと、1回転目に入ることができず、2回転目の12:30頃の入店となる」とのこと。
10:55頃に到着すると、おお、並んでる並んでる。人数を数えると10人だったので、私と連れのふたりで充分に1回転目に並ぶことができるでしょう。

なのですが、5番目ぐらいに並んでいた老人が「今、あと4人が合流するから」などと店員にゴネだし、結局開店直前に4人が追加割り込み。ちょうど我々までが1回転目となり、我々より後の方々は2回転目に、最後尾あたりの客は押し出される形で売り切れ帰ってくれ状態となりました。
 酷いシステムですね。割り込みをする老人も老人ですが、それを許容する店も店です。「お揃いになってから列に並んでください」のヒトコトで済む話なのに。この時点でこのお店には二度と来ることはないと決意。

 11:30に入店後も調理に40分待つ。事前に知っていたことなので、じっくりと読書で空腹が現れるのを待つことができました。
国産A5黒毛和牛のひつまぶし御膳。税込1,500円。驚異的な安さです。
 サラダは塩昆布がアクセントとなり良かったです。
 湯葉は普通。印象なし。
 ひじきも大戸屋と大差なし。
 おひたしもファミレスと変わらない。
 さて、メインの「国産A5黒毛和牛のひつまぶし」。最初はこのままで食べ進み、次に薬味を加えて楽しみ、最後に出汁でお茶漬けという、名古屋のひつまぶしスタイルです。
見た目は良いですが、大したお肉じゃありません。スジがいっぱいあって噛み切れない。肉の旨味に乏しく、脂ばかりが前面に押し出されます。
 薬味は三つ葉とゴマ。薬味を加えても味わいの印象は変わらない。右のあられはお茶漬け用です。ちなみにゴハンはおかわり無料であり、おひつごとテーブルにデーンと置いてくれます。
 出汁を注ぎ、だし茶漬けの完成。
 このお茶漬けは完全に企画倒れですね。わずかながらの肉の旨味が出汁によって掻き消され、他方、出汁は出汁で肉の脂を受け止めきることができず、全体として混乱をきたした料理となっています。
デザートにココアのようかん。こちらは程よい甘さと適度なカカオ香で悪くなかったです。

当店の価値は1,500円という低価格にありますね。味わいについては大騒ぎするほどのものではありません。また前述のとおり、謎の割り込みを許容する時点でフェアじゃない。結論として、1時間、場合に拠っては2時間待つほどの魅力は見当たりませんでした。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。