昨年と同様、三田の山田屋さんにて。学生時代は毎日前を通りがかり、高そうな店だなあ、どんな人が行くのかなあと憧れていたものですが、私も大人になりました。
軒先にある圧巻のヒレ軍団。後からたっぷり可愛がってやるからなデュフフ。
サトイモでスタート。程よい蒸し加減に基づきねっとりとした舌触りが吉。
湯引きしたフグに酢味噌。肉厚でムッチムチな舌触り。気品溢れる白身の旨味。ビールおかわりだ!
出ました煮こごり。東京風の強い出汁に大量のフグたちが揺らめく。魚の旨味の凝縮感。
ビールで喉を潤した後は当然にヒレ酒。火をつけアルコールを飛ばしつつ
じっくりとヒレのコクを酒へ移転する。乙な味とはこのこと。普通、焼き魚を食べて日本酒をクイっと口に含んで味をブレンドするじゃないですか?ヒレ酒は最初から旨味と旨味が一致団結しているお酒なのです。
一糸乱れぬふぐ刺しの整列は日体大の集団行動のよう。これで2人前ですよ。バックバクに食べても食べてもたっぷりぷりの幸福感。
ふぐ皮もゼラチンに溢れ、上唇と下唇を接合する。味覚とは味だけでなく食感も含まれるのだなあと再確認。
「飲もう」って言えば「飲もう」って言う。こだまでしょうか?…いいえ誰でも。久保田萬寿、入ります。
ふぐの唐揚げ。私は基本的に味覚が子供っぽいので、実はこういう調理が一番わかり易くって好きなのかもしれません。カラリと揚がった衣を突き破ると滲み出る肉汁。日本酒をガブり。脂がテロり。素晴らしい。
お鍋の具材としてフグがドンと置かれる。後の「フグドン」である。
お店の方が全て調理をし、取り分けて下さるので会話に集中できて良いですね。骨付きの迫力のあるブツ切りが大量に摂取。格調高いフグの醍醐味が心に響く。今年も良い一年でした。
浜崎あゆみがシングルをリリースする際に結婚発表するのと同様に、フグの〆は雑炊と100年前から決まってます。これまでの食材の味わいの総決算を白米が全て受け止め、卵が優しく包みこむ。
大ぶりな水菓子で口の中を整えつつ、フグの余韻に浸ります。
いやあ、美味しかった。素材コンシャスでとにかくフグの素晴らしさを引き出してくれるお店。ひとつの食材に特化し、それでいて多様な料理に模様替えできるのは素材の仕組みを熟知しているからに他なりません。ごちそうさまでした!
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。
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