ワイン会~クリスマス~

ワインスクールの皆さんでワイン会。テーマはクリスマス。

会場は私の家でありおもてなしをするのも当然に私。飲食関係者が多いので気が引き締まる。「だれかを食事に招くということは、その人が自分の家にいる間じゅうその幸福を引き受けるということである」の言葉を胸に準備は入念に。
 イギリス南部の泡で乾杯。土壌はシャンパーニュと同じなのですが、温暖化の影響で彼の地でもシャンパーニュ的な泡を造ることができるようになったのです。
私のスペシャリテの牡蠣のオイル漬け。これを美味しくないと言えるのは海原雄山ぐらいです。凝縮に凝縮を重ねた牡蠣の味。一気に酒量が伸びて行く。
サイン品を提供して下さるだなんて幸甚です。ちなみに未だ4人しか集まってないのですが、「来ない客を長いこと待つのは、すでにそろっているお客様がたに対し非礼である」という格言に従い、ポンポコ瓶を空けましょう。
 コリアンダーのサラダ。コリアンダーって便利ですよね。入れるだけで印象深いサラダになる。あ、せっかくワイルドライス茹でてたのに入れるの忘れちゃった。
 七面鳥のスモーク。さすがにコチラは成城石井から調達です。750gもあり迫力満点。
 「傷んでるかもしれないけど、傷んでなければすごくいい」とのことですが、状態完璧じゃないですか。品が良く積み重ねた歳月を感じる味わい。
 トルティーヤ。スペイン風のオムレツです。何気に一番手間がかかりました。卵10個使ってるんだぜ。なのですが、「味付けが薄い。何かソースを添えるべき」と指摘がズバリ。精進します。
 「娘の生まれ年のワインです!」。いいのか娘と何ら関係の無い宴会で空けてしまって。コクが濃くものすご旨い。
 牡蠣とホウレンソウのグラタン。自宅だとチーズを荒っぽく好きなだけのせることができて楽しいですね。バリっと焦げ目をつけて至福の時。
複雑な味わいに熱狂。いやあ、やっぱワイン会っていいですな。普段飲まない酒に巡りあうことができる。
 「ベランダでスモークして来ました!」と、シャルキュトリ番長。素材ごとにスモークするチップを変えるだなんて家庭料理の域を完全に逸脱。味が濃くそのままで美味しいので、スライスするだけに留めます。
わ、美味しい。結構な黒系果実を感じるのにタンニンは繊細。酔いも手伝いあげぽよです。
 「スモークしたサーモンも持って行きますね」と事前に伺っていたので、スーパーでディルとケッパーを買っておき、贅沢に厚切りして整列。思いのほかセンスの良い盛り付けができて満足。
「ジャケ買いしちゃった☆」と、可愛らしいエチケット。冒頭に「テーマはクリスマス」と書きましたが、これは個人的なテーマでありゲストには特にお伝えしてなかったのに、きちんとクリスマスしてくれて嬉しいです。
 ローストチキンは東麻布の「ハドルカレーダイニング」というカレー屋に外注。こればっかりは一般家庭のオーブンじゃあ上手に焼けないもんね。ジャガイモだけは家で揚げて皿に敷き詰めたのですが、これが脂と肉汁をしっかりと受け止め、ローズマリーの気品溢れる香りも手伝い名脇役でした。
ユーラシア大陸を離れ、アメリカへ。メルロらしい細やかなテクスチャー。チキンのマリネ液の味わいにぴったり。
 鶏肉は体の構造を知悉している先生に解体して頂く。一般的なナイフ一本でスイスイとバラされて行く様は痛快。
ナパからハンドキャリーでやってきたワインは┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨、ブショネ~。恥ずかしながら初めてブショネを経験しました。私は基本的にお店で飲むため、ソムリエのチェックで全部はじかれるんですよね。なんかダンボールみたいな香りだなあ。味は酸というかなんというかヘンに酸っぱかった。なるほど、これがブショネか。
気を取り直して同じ生産者のものを。コチラはカリフォルニアらしいパンチのある甘さ。こういうコッテリ系、大好き。
「パンチェッタも持ってきました!コチラには火を通して下さいね」。なんとも艶っぽい断面にウットリ。
元々は冒頭の牡蠣でオイル系のパスタを作ろうと考えていたのですが、方針転換。パンチェッタと言えば、カルボナーラ一択。塩分が読めないので、何度も何度も執念深く味見。我ながら完璧な出来栄えでした。
ラグランジュのセカンド。私はボルドータイプを好むのですが、こちらは現地で見学までしているので思い入れがあるのです。しかも皆さん飲みきることなく7割方残ったので、明日も飲めるぜデュフデュフフ。
お待ちかね、スイーツタイムです。新鮮な山盛りのフルーツとしっかりとした生地。品の良い甘さ。
「家で焼いてきました☆」おおー女子力高いぜー、と飛び掛ろうとすると「お前に食べる資格は無い」と殴られる。なんでも「バレンタインに手作りチョコだけは勘弁して欲しい」という記事に遺恨があるらしい。いやー、あの記事は評判が悪かったなあ。大勢の女性からクレームのお便りを頂いており、ちょっとしたボヤ騒ぎとなったのです。

弁明すると、あれは「素人がプロに勝てると思うな」と述べているだけであり、今回のようにきちんとした料理人の作品は全然ウェルカム。その証拠に、ホラ、美味しい。隙をうかがいながら内緒で3つも食べたもんね。

今年のバレンタインはどうなることやら。カッターナイフの刃とか送られてきたらどうしよう。
〆は恵比寿の行列店、櫻花のアイスクリーム。かりんとう・きなこ黒蜜・小豆・黒ゴマ・かぼちゃ・牛乳・抹茶。和の風味をたたえる品良い逸品。かりんとうが特に面白かったです。

楽しかった。酒と料理という快楽に特化した会はいつだって心地よい。あまつさえその全てが美味しいだなんて幸せの極み。1月にはゲストの新店がオープンするので、新年会。皆さん良いお年をお迎え下さい~。

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私の参加するワイン会は、ヲタクが集まるというよりは、ワイワイふざけながら飲む形式です。全くの素人もウェルカム。ワインはみんなで飲むものだ。下記にテーマ別にまとめておきました。
ワイン会で料理を提供する際に参考としています。ワイン会の主役はワインであり料理は場が華やぐ程度の彩りさえ確保できればOKと割り切る。あえるだけ、焼くだけ、のせるだけ、ちぎるだけ、混ぜるだけなど、とにかく簡単に作れるレシピがたくさん載っています。