ワインタクシーで勝沼のワイナリーを巡る vol.1

山梨は日本のワインのパイオニアである一方で、都心からも近く、日帰りでワイナリー巡りも充分楽しめる距離。しかしネックとなるのは飲酒運転という問題。ブドウ畑があるぐらいだから公共交通機関は発達していない。かといってタクシーで巡るにはお金がかかりすぎる。
それらの問題を一気に解決したのが「やまなしワインタクシー」という試み。石和温泉駅から勝沼の主要ワイナリーを定額の乗り合いタクシーで巡ってくれるサービスがあるのです。通常であれば5,000円なのですが、最近では助成金やら何やらで3,500円にまで値下げ中。
話は少し逸れますが、その石和温泉(いさわおんせん)の組合に加盟している旅館では、「山梨県産のワインであれば持ち込み料1本500円」という、懐の深い取り組みも実施しています。
 新宿より90分で石和温泉駅に到着。駅を出てすぐの観光案内所にて

コチラを受け取ります。
 乗り合いタクシーの台数は限られているため、事前に予約しておきましょう。

 最初に到着するワイナリーは白百合醸造。
収穫期はとうに過ぎているのですが、観光客向けにいくつかのブドウを摘まずに置いておいてくれています。
 ワインタクシー参加者向けのウェルカムドリンク。透明感がある一方で、甘かったかも。
 試飲室。ダ、ダサい。。。ボルドーやシャンパーニュのワイナリーに比べて哲学が無さ過ぎる。。。
 うーん、こんなカップで試飲させて、本気で自分ちのワインを好きになってもらおうと考えているのでしょうか。ウチの近所のスーパーの試飲ですら、グラスで出してくれるのに。。。
 「幻の」「貴重な」「女子会に」と、ぐるなびの広告のようなコメントが並ぶ。
 試飲室のほんのわずかな一画だけオシャンティー感を発揮。
 これはMBAっぽくない深みのある味わいで結構好き。
 ワインタクシー参加者はひとりあたり1,000円のクーポン券がもらえるので、さっそく1,000円分を使用して購入しました。支払額は僅か697円である。

と、いきなり店員のオバハンに「試飲は試飲カップを使ってください!グラスは使用しないで!」と罵声を浴びせられる。理由がサッパリわからず、無言でそのオバハンの目をじっと見つめ続けると、「そ、そういう決まりなんです!」と全く非論理的な言い分。

謎である。私は入店時に試飲グラスを受け取りスパークリングを飲みました。その後、当該グラスで試飲を続けているだけです。使い捨ての試飲カップじゃまともに味わえないから、試飲側としては当然の行為でしょう。ワイナリー側にとっても試飲カップが無駄に消費されることは無いから損はしないはず。全くもって意図がわからない。

最後まで理由がわかりませんでしたが、少なくともここで働いてるオバハンたちは自社のワインに何の思い入れもないバイトであるということだけはわかりました。こういう人たちを最前線に立たせるワイナリーってどうなんですかね。
気を取り直してメルシャンへ。先ほどとは打って変わってモダンでシャレオッティな印象。
左の建物がテイスティングルームで、右が資料館です。
ワインタクシー参加者は無料で試飲OK。白はおっ、っと思うほど高品質。一方で右はいかにもMBAで、深みに乏しく直線的でした。
芝生とテラスを広々と開放しており気持ちの良い空間。ちなみにテイスティングルームでは、1,000円程度のランチプレートや簡単なオツマミを用意してあるのでチャンスですよ(何が)。
資料館には日本のワイン造りの歴史や、メルシャンが発展してきた経緯などが上手にまとめられています。
明治期に使用していた設備などがわかり易く並べられています。
メルシャンのふるーいワインなども展示されているのですが、エチケットのセンスが何ともフランス的で魅力的。最近のものはいかにも工業製品っぽいデザインなので、うーん、復刻版から始めてみるのも良いかもしれません。