昔は小さなワインバーだったらしいのですが、2015年8月のリニューアルを機に、どフレンチに業態転向。ネット上に全く情報が無い中での突入です。
紛うことなきグランメゾンでちょっと怯んでしまう。あぶねーあぶねーきちんとした服装で来て良かった。ワインバーだったら、店によっては半ズボンもアリだから、一歩間違えたら半ズボン。ホテルを除いてきちんとしたレストランが沖縄には少ないので、このようなチャレンジは心から歓迎します。
古木主体のビオディナミという興味深い造り。そんなRMがグラス1,400円税込なのは店の気合と心意気を感じます。
アミューズはアサリ。しぐれ煮のようなニュアンスがあり、地味に一番好きな皿かもしれません。
オマール海老にバジルソース。確かな味と見目麗しい盛り付け。星付きレストランと言われても何ら疑いはしません。この時点で私の愛すべきレストランのひとつとなりました。
パンは普通。よくあるバケットです。
ホタテとヤリイカのポワレに北海道産ピュアホワイト(トウモロコシ)のソース。ホタテとイカのベクトルが同じなのでやや単調に感じました。片方を生にするとか、ホタテの肝ソースにするとか、イカスミソースにするとか、どちらかを際立たせたほうがより印象的な皿となるはず。
次のフォアグラに備えて甘めのもの。このような発想を持ちながらワイン選びをできるようになり、きちんとワインの勉強をしてきて本当に良かったです。
鴨のフォアグラにキャラメリゼした柿。上質な脂がポーションの大きいフォアに包含され快楽そのもの。季節の果物が鮮やかなアクセントとなっています。
魚介に備えてコチラ。結構白を飲む夜ですな。
マクブのポワレにアサリのソースと海老のソース。マクブとは沖縄の高級魚で、中々手に入らないらしいです。歩留まりが悪い上に高価という、なんとも困った魚。そして残念ながら大して美味しくない。。。ソースの旨味が強いおかげでやっとこさ評価の土俵にのるという感じ。まあ、土地のモノを食べることができたということで、何事も経験経験。
メインは県産和牛にトリュフソース。サシがバリバリの肉と思いきや、品の良い赤身肉でした。肉自体の味が濃く大満足。トリュフは見た目ほどの香りはなく、ビジュアル先行型。いずれにせよ、肉の味が際立つ一皿なので申し分ありません。
合わせるワインはコチラ。ジスクールのセカンド。メルロの比率が高いのか、いわゆるボルドーワインよりも優しく感じました。今日のメインにピッタリである。
デセールはプラリネのアイスにチョコスフレ等々。プラリネは申し分なし。スフレはやや乾燥気味であり、もっとコッテリねっとりしてくれると嬉しいのになあ。
ミニャルディーズまで手抜きなし。
エスプレッソは濃縮感に乏しくドリップコーヒーに近い。なのですが、快くおかわりをお持ちしてくれるので特に不都合はありません。
堂々たるフレンチレストラン。沖縄でここまでレベルの高い食事を摂ることができて感激。料理・ワインリスト・サービスの全てにおいて申し分なし。ミシュランガイド沖縄があるとすれば、星獲得間違いなし。おまけにびっくりするほどお値打ちで、東京の3割引きといったところでしょう。
私は30回以上沖縄を訪れており、これまで最も印象的だったのは百名伽藍での食事でしたが、その思い出が色褪せる程の出会いです当店は。沖縄フランス料理界の寵児となるやもしれません。予約するなら今がチャンス!
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン
- ナリサワ ← 何度訪れても完璧
- フロリレージュ ← 間違いなく世界を狙える
- カンテサンス ←この人にはかなわない
- キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレ ←世界を狙える日仏料理
- 北島亭 ←私は大食いでわかりやすい味を好むため当店は黄金センター
- デビッドセニア ←大阪帰る度に絶対行くぞー
- オカモト ←QSCAがしっかりしているのは当然のこと、そんなに高くないのが感動的
- アルシミスト ←こんなに魅力的なプレゼンテーションのブーダンノワールを食べたことがない
- メイ ←ブロートウェアが何ひとつ無い
- Parc ←当店ほどまでに重みのある二ツ星は東京ではなかなか見当たらない
- ラ・ファソン古賀 ← 強烈な個性をテーマに据えるドクトリン