喉の渇きをビールで潤し、本日のラインナップへの期待を膨らませる。
日本で五本の指に入る枝豆栽培者によって育てられたもの。色が濃く、味も濃い。滋味という単語がぴったり。
ゲソの粕漬け。まさに酒飲みのためにある料理。開始5分で日本酒へ突き進む誘惑。
当店の若旦那は唎酒師という資格を保有しており、日本酒については滅法明るい。日本酒とワインの類似点や相違点について意見交換を重ねるのもまた一興。
おなじみカツオのハラガワ。むっちりとした肉に旨味が凝縮。今夜も楽しくなりそうです。
茹でた落花生。なんですが、豆のサイズがビー玉ほどに及ぶ特殊な品種で、殊のほか甘かったのが印象的。
トウモロコシにウニを乗せる。発想が道楽息子である。「どんなものを食べているか言ってみたまえ、君がどんな人間であるかを言いあててみせよう」が当てはまる一皿。
雄町という品種で造った酒。「雄町を偏愛する人々をオマチストと呼ぶんだよ」と連れに説明すると、あまり信じてもらえませんでした。
ヒラメ、アカガイ、中トロ、カツオ。サーモンピンク色の魚はマカジキ。筋が少なくモチっとしていて面白い。
刺身と日本酒ってどうしてこんなに合うのでしょうか。和食に限っては断然日本酒派。
スジ抜きのマグロ。口に放り込むと舌の上で溶けて無くなり旨味だけが残ります。
お皿に隙間ができるとポンポン切って追加してくれる悦楽。
出ました而今。飲むたびにこの酒が好きになっていく。
アナゴの茶碗蒸し。上面だけでなく、中にもゴロゴロと身が詰まっています。
ゴボウのすり流し。独特の土臭さが特長に昇華されており、おかわりである。
サザエにウニ。 完全に放蕩者の料理。かねますの「ウニの和牛巻き」に通じるところがあります。
納豆じゃないですよ日本酒ですよ。納豆屋の田畑で米を栽培し、醸造家が日本酒にしたんですって。
何の前触れもなく連れのペースが上がりだしたので、あわてて追いつけ追い越せです。
サンマのさんが焼き&なめろう。サンマ大好き。サンマって1円あたりの旨味量が最も多い食材ではなかろうか。
小布施ワイナリーが趣味で造る日本酒。少量限定生産で採算など度外視、とりわけテロワールを意識した逸品です。良く手に入ったなあ。
鮎の煮浸し。連れが2014年7月に来た際に「あゆのSEASONS」と恐ろしいことを口走っていたことを、私はしかと記憶しており、昔こんなこと言ってたよヤバかったよとお伝えしたところ、「口にはしなかったけど、今、同じことを考えていた」。
福島の蔵元が被災し、それでもめげずに山形で酒造りを開始。好きだなあこういう努力体質。
にぎりへ移行。細やかな包丁がイカを柔らかく柔らかく仕立て上げる。
トリガイは歯ごたえを残しつつもきちんと噛み切ることができます。たまーにいつまでたっても噛み切れない貝類があるけど、あれ、どうにかならんか。
瑞々しくフルーティ、と言いたい所ですが正直肝臓が悲鳴を上げ始める。
ヒラメは強烈な昆布〆。昆布の旨味に首までどっぷりと浸かり、ヌルヌルとした食感のまま胃袋へ落ちていく。
これなーんだ?マグロにしか見えないでしょう?これ、トマトなんですよ。なんとも遊び心あふれる握り。
エビは類を見ない巨大建築であるため2つにカット。それでも口腔内全てが海老で満たされる。
シャケだっけマスだっけ?いずれにせよ絶妙な塩気とふくよかな脂身が調和して老若男女問わず皆が皆、愛することのできる握りです。
とろりとした舌触りでシャリの酸に良く合う。
ヅケは宝石のような艶やかさ。日本人に産まれて良かった。
トロはわかり易く脂がのっており、オラオラ系のキムタク的味わい。
イクラ。シーズンに入りましたねえ。一度でいいから25メートルプールをイクラで満たして飲みながら泳ぎたい。
前回連れに「新政酒造の佐藤祐輔さんは東大卒のジャーナリストから家業を継いだ異色の経歴でスターだよ」という入れ知恵をしたところ、すぐに酒屋に買いに行っただと。かわいいとこあるなあ。年上のオッサンだけど。
アナゴは裏切らない。クライマックスへの誘い。終わりの始まり。ああ、胃袋と財布が無限大であれば良いのに。
木樽で熟成させた日本酒。ハチミツというかヴァニラというか、でも喉越しは日本酒でなんだか笑ってしまう。それでもゲテモノではなくきちんと美味しいのです。
夜の終わりを告げる鉄火巻き。ああ、今夜も良く飲み良く食べた。
なんだかんだ言って鮨が一番好きな食べ物かもしれません。仲間とダラダラ昔話をしながら魚をつまみ酒で流し込む極上の暇つぶし。
「タケマシュランが来るときって、いっつも雨、降ってるよね」。暖簾を下げるために開かれた戸の外に、遣らずの雨が落ちていました。
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鮨は大好きなのですが、そんなに詳しくないです。居合い抜きのような真剣勝負のお店よりも、気楽でダラダラだべりながら酒を飲むようなお店を好みます。
- 鮨水谷/銀座 ←その先入観を完全に覆す、鳥肌が立ち涙が出るほどの美味。
- はし田/勝どき ←毎回「ああ、鮨食ったー!」と思わせてくれる私にとっては大切なお店。
- すし初/湯島 ←若旦那は唎酒師という資格を保有しており、日本酒については滅法明るい。
- 鮨西むら/六本木 ←六本木の格調高い鮨屋でこの値付け。
- 寿し処 寿々/溜池山王 ←結構な量が出てきてびっくりした。
- すし通/六本木 ←もうちょっと普通にすれば良いのにな。
- 入船寿司/奥沢 ←本物の赤身と超トロを食べるのに金に糸目はつけない場合に限って良いお店。
- 天寿司/小倉 ←何度でも行きたいし、誰にでもオススメできるお店。
- 鮨 安吉/博多 ←お会計は銀座の半額。ミシュラン2ツ星は荷が重いけれども、この費用対効果は魅力的。
- 西中洲 河童/天神南 ←鮨屋ではなく超高級海鮮居酒屋。
- ひでたか/すすきの ←鮨は好きだけどオタクではないライト層にとっては最高峰に位置づけられるお店。
- 鮨 田なべ/すすきの ←フォアボールで出塁した感じ。
- 鮨 志の助/新西金沢 ←とにもかくにも費用対効果が抜群すぎる。
この本は素晴らしいです。築地で働く方が著者であり、読んでるうちに寿司を食べたくなる魔力があります。鮮魚の旬や時々刻々と漁場が変わる産地についても地図入りでわかりやすい。Kindleとしてタブレットに忍ばせて鮨屋に行くのもいいですね。