なんですが、それはそれは酷いイベントでした。平たく言うとピーロートという輸入業者の展示即売会。大塚家具のように営業員がベタ貼りで不自由極まりなく、さらにはその営業員がド素人。「これは南アフリカのカベルネ・ソーヴィニョンです!」と自信を持って薦めてきたワインのエチケットの最も目立つ場所に燦然と輝く「Malbec」の文字。ああこの人はMalbecが品種だと認識していない。
「これはカンヌの超絶高級ホテルが特別に作らせている、一般人は絶対に買えないワインです!」「あ、この前そのホテル泊まりました」と返り討ちな受け答えしている連れにアイコンタクトで見るべきものは何も無いと伝え、10分程度で会場を後にする。
15時に集合し、イベントを通じて3時間のびのびとワインを楽しみ、その後食事に繰り出すという目論見が大きく外れたため、A971でビールを飲みながら日が傾くまで時間を潰します。やっぱ明るいうちはビールが似合う。
マックスボルドーへ。10月30日(金)に閉店なので20%OFFキャンペーン実施中です。
今回はお勉強。ブラインドで挑戦。ボルドーのカベルネ・ソーヴィニョン主体と明察。こ、こんな良いワインを教材にしてしまった事実に気後れしてしまいます。
こちらもメルロと正解。今日は調子いいぞ。
「経験のためにどうぞ。特徴づけるブドウが入っているから」ということでコチラ。新世界のカベルネ主体とまではOK。「特徴づけるブドウ」とは、カルメネールのことでした。おお、教科書で読んだことある。そしてこのワインはアルマヴィーヴァと言ってチリのオーパスワン的たいそう立派なワインだったのです。ストーリーを聞くと途端に美味しく感じてくる不思議。やはりワインは舌先だけで味わうのではなく、文化的背景も楽しむ飲料なのですね。
メルロと正解し、
〆のカベルネ・ソーヴィニョンも正解。本日は全問正解である。それにしても練習だというのにワインの上質さにただただ恐縮。
試験1ヶ月前にして、ようやくメルロとカベルネ・ソーヴィニョンの違いがハッキリとわかってきたような気がします。先日、当店で私は3杯全て外してしまう失態を演じる一方で、今秋シニアソムリエを受験する方がひょいと香りを嗅いだだけで全問正解という苦い経験があったのです。その際、「メルロはテクスチャーが細かくて、カベルネは乾いた感じですかね」という香りについての解説が個人的にはスっと心に沁み込み、その方式に従うとポコポコ当り始めたような気が。
自身の中に形而上的な軸を確立することが、テイスティングの勉強で重要なことなのかもしれません。勉強は続く。
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- キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレ ←世界を狙える日仏料理
- 北島亭 ←私は大食いでわかりやすい味を好むため当店は黄金センター
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