骨董通りの一本裏手。そこからさらなる私道を通り抜けると
どん詰まりにお店があります。都内でトップクラスにわかりづらい場所にあるお店。迷わず一発で来れる人は中々いないハズ。
フランスバスク-南西地方の雰囲気に溢れた内装。料理やワインのラインナップはボルドーのラ・トゥピナとモロかぶりしていて嬉しくなっちゃう。バスクの旗が掲げられているし、バスク生地のテーブルクロスやバスク語で書かれたポスターが貼られてあったりと、昨年のバスク旅行に思いを馳せる。
ハウスワインの白で乾杯。我々はカラフェでお願いしましたが、確かグラスだと700円とかだったはず。ミシュラン星付きフレンチで最も財布に優しいお店ではなかろうか。あ、神楽坂のルグドゥノム ブション リヨネも安いか。
アミューズはオリーブをクミンで和えたもの。世界的権威が認めた店なんだから、もう少し高慢な皿でも良いんじゃないかと思いましたが、まあ、お店の人からすれば他人が勝手に評価しているだけなので歯牙にもかけていないのかもしれません。
店員さんが「量が多いので、いくつか食べたいものにアタリをつけたら、相談して下さい。うまくポーションを調整できるようにします」と顧客本位のご提案。だがしかし我々は1人2皿すべてをフルサイズ注文というラクチンな客なのである。だってどうせならお腹いっぱい食べたいじゃん。
連れの前菜はモンサンミッシェル産のムール貝。てゆーかここ、豚肉料理屋だしモンサンミッシェル先月行ったばっかだしなぜこのタイミングでムール貝。ところで、「あ、ムール貝は殻をピンセットみたいに使って、身をつまんで食べてくださいね」と通りかかる店員、全員が全員注意してきたのですが、これってどうなんでしょう。いやもちろんそういう食べ方をするものだとは知識として存じ上げてはいますが、イギリスでもフランスでもベルギーでもスペインでもクロアチアでもノルウェーでもアメリカでもこのような食べ方をしている人をあまり見かけたことが無いのです。誰か本場の人、正解を教えて下さい。
パンはまあ普通。ソースに浸して食べるから本質を掴めなかったのかもしれません。
私の前菜はスープドポワソン。魚のスープです。ここまで規律正しいスープドポワソンを食べるのは久しぶりだなあ。魚介専門のヌキテパに勝るとも劣らず。豚肉料理屋がここまで精妙なスープを作ることに敬服。
硬くしたバケットやアイオリが並ぶあたり、マルセイユのブイヤベースそのもの。
なるほど当店は豚肉料理店との評価が高いですが、南仏~南西地方が守備範囲で、その中でバスクが際立っているということですね。
連れのメインはカスレ。取り皿を頂き数口つまみ食いしましたが、堂堂たる調理に唸り声。これは、旨いぞ。おかわりだ。鴨のカスレも好きですが、コクという意味では豚肉ソーセージのほうが説得力がある気がする。
味の濃さとポーションを加味して慌ててボトルを追加。黒ワインで舌が不気味な色になっちゃうの。
私のメインは豚スネ肉のコンフィ。当然にフルサイズ注文なのですが、うおーなんじゃこの量。800グラム。ボーリングのピンぐらいの迫力がある。付け合せのジャガイモがかわいく見えてしまう。
だがしかし私の胃袋にかかればこの通りである。「わ!完食ですね!」と店員さんに褒められました。
満腹ではあったものの、乗りかかった船でガトー・バスクを注文。ダークチェリーではなくカスタードクリームが入っているタイプです。燦然と輝くローブリュー・シンボル(バスク十字)が象徴的。
いやー食べた食べた、満足じゃ。店側がびっくりするぐらい量を食べたし、結構お酒を飲んだのでそれなりの金額がかかってしまいましたが、お酒は1~2杯に我慢して常識的なポーションに留めれば、極めてリーズナブルに着地するお店だと思います。
ただし、やはり当店の真骨頂はハチャメチャに注文してそれに正比例してワインをガブつくことだと思います。そういう意味で、食道楽のオッサン4人組でお邪魔して欲望のままに食べまくるのが吉。線の細い女の子はちょっと誘えないかもなあ。女子と行くなら同じバスク料理でもアバスクかも。
酔い覚ましと運動を兼ねて歩いて帰る。途中、西麻布の丸山珈琲で豆を買う。丸山珈琲は豆を買うとカプチーノまたはアイスコーヒーを人数分タダでくれるので、地味にお得です。お試しあれ。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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