Pascade/オペラ

夜には機上の人となるのであまりウロウロしたくない。そのため1区か2区あたりのビブグルマン(リーズナブルでそこそこ美味しい店)を、買ったばかりのミシュランガイドで探すと2軒が該当。ただし1軒は土日休日のため、消去法で当店を選択。
公式ウェブサイトを確認すると、ネットから予約できて大助かり。日本に比べて海外はネット予約が進んでいて大好き。東京のレストランも、もっとOpenTableに参加すればいいのに。気軽に予約されて気楽にドタキャンされるのが嫌なら、海外みたいにクレジットカードのデポジット方式を採用すればよろしい。
さぞや人気だろうと思いきや、意外と空席が目立つ。
アミューズのプチトマトが手抜きながらもきちんと美味しい。
フランス人を見習い本日もロゼを頂くことにしました。辛口で美味しゅうございます。日本で飲むロゼは甘く中途半端なものが多い気がする。もっと辛口が普及すればいいのにな。
パンはカンパーニュのみでしたが適度な酸味としっかりとした穀物の味が滲みていて、この価格帯のレストランとしては素晴らしい。
ガスパチョはトマトをクリームで溶いており、サラミの角切りでコクと食感を楽しめるように仕立てられていて格別でした。上品な器に盛れば星付きレストランの味と同等かそれ以上。
サラダはただのレタス盛りです。どシンプルではあるものの、品質は高く、生野菜が不足しがちな旅行にはうってつけの一品。
お待ちかね、スペシャリテのPascadeです。パイ生地とタルト生地の中間の食感。表面はハチミツを軽く塗ってあるのか甘みが感じられます。具はマッシュルームの味が溶け込んだクリームに、豚バラ薄切りと見紛うが臭みをまるで感じさせない牛肉。ん?牛肉?私はエビを注文したはず。店員に相談したところ、
じゃじゃーん、新品のエビでーす。意地汚いかもしれませんが、牛バージョンを3分の1ほど食べ進めていただけに、ずいぶんと得した気分である。

が、このエビバージョン、香辛料をきかせたオリエンタルで多彩な味わいではあるものの、ペンネがグズグズであり全体としてのまとまりがない。正直、牛のほうがうまかった。『店員の誤りを指摘し交換を求めると更にマズくなった』をタケマーフィーの法則に加えることとしましょう。
デザートのPetit-Pascade。Pascadeを直径5センチ程に縮めたミニチュアサイズ。味はチョコレート、チェリー、コーヒー、アプリコットの4種。チョコレートはとろっとろ状態。チョコレートフォンデュをひっくり返したような味わいで大満足。チェリー、コーヒー、アプリコットは常温であり手の込んだミニャルディーズといった様相。いずれにせよ、この価格帯でここまで手の混んだデセールを提供するのは賞賛に値します。

パリのど真ん中にしては頑張っているお店だと感じました。このあたりには玉石混淆のレストランがひしめき合っており、というか8割方は石なんですが、ここは玉。パリに旅行に来て、あまり都心から出歩きたくなくて、かといってそれほどお金も使いたくないというワガママボディには心からオススメできるお店です。東京に進出したら面白い展開になると思うのだけれど。



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