ランス駅からタクシーで10分ほど。街中の脇道に突如現るおとぎ話のような佇まい。
いいですなー、これぞヨーロッパのホテル。芝生が青々として気持ちよい。車で到着すると後は全てスタッフにお任せです。
すぐにお部屋へご案内。無駄に大きな鏡と読みもしないオシャレ雑誌。これがゆとりというものなのかもしれません。
窓際の明かりは紫だったり緑だったりと定期的に変遷します。これがゆとりというものなのかもしれません。
リビング。ひ、広い。外観とは裏腹にコンテンポラリーな内装。使いこなす自信が正直ありませんが、これがゆとりというものなのかもしれません。
ベッドルーム。こちらも寝返り三回転半は余裕で、枕も10個近くありました。壁一面の絵画はぎょっとするような迫力で、意図は見事にわからない。サンセバスチャンのアストリアシエテでもそうでしたけど、このようなあつらえが最近の流行なのでしょうか。
カーテンや調光は全てベッド脇のパネルで制御できます。
広大無辺なバスルーム。10畳ぐらいある。
いくらなんでも広すぎです。スーパーホテルの共同浴場よりも広い。
アメニティーはAnne Semonin。初耳です。
慌ててぐぐってみると、日本ではパレスホテルでのみ取り扱いとのこと。
ヨーロッパのホテルでスリッパがあるのは珍しく嬉しいですね。
これまでフランスで見たトイレでの中で一番キレイ。なんだやればできるじゃんフランス人。
クローゼットは6畳ほどの広さ。
ここでらくらくとスーツケースを全開にできるのは作業効率が良くご機嫌。
そうこうしているうちに、ウェルカムシャンパーニュが届きました。ギンギンに冷えていて世の憂いが吹き飛ぶ爽快感。
続けてシュークリーム(正確には『ルリジューズ』だというご指摘を頂きました)も届く。そう、このホテルの従業員はノックひとつでガンガン部屋に入ってくる。まるでうちのおかんである。
ノックとは入ってよいか尋ねる行為であり、許可が無ければ入ってはならないはず。それなのにうちのおかんはノックをすれば入っても良いと何か勘違いしているフシがあり、思春期の私は自室に手製の鍵を取り付けたところ「こっちはノックしてるのに鍵を取り付けるとは何事!?」と、ああ、親子にしてここまで会話が噛み合わないなら戦争はなくなるはずがないなと、15歳にして悟ったことを思い出しました。
話を戻しましょう。シュークリームである。ご丁寧に手書きのメッセージカードも添えられているがさっぱりわからん。単語の雰囲気からおそらく「ようこそいらっしゃい、まあゆっくりくつろいで旨いシャンパーニュでも楽しんでってや」程度の意味でしょう。
電話の形がおもしろい。メゾン・フレドンのとは異なり、きちんと疎通しておりました。
人心地ついたので敷地内を散策。2ヘクタールの敷地に16室のみというのは贅沢の極み。
素敵なお庭。ここでガーデンパーティ形式の結婚式を誰か頼む。
プールも適温に整えられていて快適そのもの。そういえば、海外のプールってライフガードいない場合がほとんどですよね。日本はやたらとうじゃうじゃいて、大した仕事もしていない(ように見える)のに何か偉そうに感じます。別に人命を助けろとまでは言わないけれど、それらしい仕事をしていることすら見たことがないので、存在価値がよくわからない。
ところで、意外にも当ホテルのスタッフたちは無愛想です。すれ違う際は基本的にシカトです。いやべつに声がけせよとは言わないけれど、ニッコリ笑ったり微笑みをたたえるぐらいは自然体でできないと一流とは言えません。
無駄な共有スペースに余裕を感じます。
ただし若干イケアのショールームっぽくもある。
テラスで飲むためにバーで注文。
グラスをいくつか勧められたがピンと来ず、リストをお願いすると「私がリストだ何でも聞いてくれ」とのことだったので、ハーフボトル(「ドゥミ・ブティーユ」と言えた!)が良いとだけ伝えると慌ててiPadで在庫を調べるあたり、口先男である。
普通サイズの品揃えはうなるほどあるのですが、ハーフは数本しかなかったので、結局グラスでお願いしてテラスへ。
当ホテルのオーナーはオリヴィエ・クリュッグと10年来の友人だそうで、グラスでのサービスを許可したのはこのホテルだけとのこと。でもなあ、ゆうべのガブリエルでもクリュグのグラスあったし、日本でも何軒か見かけたことがある気がするんだけど。
連れはテタンジェのロゼ。
シャンパーニュには魔力がありますね。テーブルに置くだけで場が華やぎ上手くまとまる。おしゃれ感を演出できる。
そのまま本を読んだり昼寝したりしてるとあっという間に19時近くに。都合3時間ダラダラしていました。贅沢の極みである。
お待ちかね、夕食はホテルのメインダイニングへ。ミシュラン三ツ星です!
「ワインをめぐる冒険」シリーズ目次
- ワインをめぐる冒険 vol.11~スタッガード配列~
- ワインをめぐる冒険 vol.10~20歳の春に一目惚れした貴方は何処へ~
- Pascade/オペラ
- Le Bocal/ランス
- Le Parc/ランス
- ワインをめぐる冒険 vol.9~シャンパーニュメゾン巡り~
- L'Assiette Champenoise(レストラン)/ランス
- L'Assiette Champenoise(ホテル)/ランス
- ワインをめぐる冒険 vol.8~~ランス~
- Le Gabriel/ボルドー
- ワインをめぐる冒険 vol.7~ボルドー市街地観光~
- ワインをめぐる冒険 vol.6~メドック格付けシャトー巡り②~
- Cafe Lavinal/ポイヤック
- ワインをめぐる冒険 vol.5~メドック格付けシャトー巡り①~
- La Tupina/ボルドー
- L'Envers du Decor/サンテミリオン
- ワインをめぐる冒険 vol.4~サンテミリオン、ポムロール~
- Le Bistrot du Sommelier/ボルドー
- L'ecluse/オペラ
- Angelina/ルーブル
- ワインをめぐる冒険 vol.3~そしてボルドーへ~
- La Rotisserie/モンサンミッシェル
- ワインをめぐる冒険 vol.2~モンサンミッシェル~
- Les Clos Bourguignon/オペラ
- ワインをめぐる冒険 vol.1~ギャラリーラファイエット~
このシリーズは間違いなく名著。一般的なガイドブックと全く観点が異なり、完璧にワインラヴァーを向いています。ワインがテーマのフランス旅行においては必携!
関連記事
旅行が好きです。油断するとすぐに旅に出ます。楽しかった大型旅行の先頭記事をまとめました。リンクに飛んでから、順々に次のページをめくって頂ければ幸いです。
- 香港vol.1~成田第3ターミナルという秘境~ ←美人ソムリエールふたりとの珍道中
- 北米西海岸 vol.1~ホンクーバー~ ←ナパの葡萄畑で眠るワイン旅行
- スイス vol.1~氷点下キャンプファイヤー~ ←スイス航空様ご招待のタダ旅行
- パラオ ダイビング クルーズ vol.1~デルタのビジネスクラスwww~ ←ヒルズ族がクルーザーをM&Aした話
- ワインをめぐる冒険 vol.1~ギャラリーラファイエット~ ←ボルドー・シャンパーニュでワインに溺れる旅
- 小笠原諸島 vol.1~おがさわら丸~ ←船でしか行けない東京都でイルカと暮らす
- 屋久島 vol.1 ←縄文杉?ハァ?
- 飛騨高山・白川郷そしてSKE48 vol.1 ←白川郷は中国人だらけな旅
- イビサとバスク/vol.1 ←パーリーピーポーと美食家の共存
- カリブ海クルーズ vol.1~プレミアムエコノミー~ ←カリブ海の島々を船で巡る
- アマンジオ/ジョグジャカルタ vol.1 ←「アマンジャンキー」発生!
- ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ/洞爺湖 vol.1 ←日本でも本気の美食旅。
- 最も効率よくダイブマスターになる vol.01 ←年間10回は沖縄へ行きます。
- 北欧クルーズvol.01~ロンドン~ ←北欧を船で巡り最先端の美食に舌鼓。
- 地中海・エーゲ海クルーズvol.01 ←2週間かけて地中海のイケてる都市を巡る。
- BIER REISE'09 vol.01 ←ドイツ中欧ビール紀行。
- カリフォルニア vol.01 ←西海岸と思いきやメキシコまで足を伸ばしちゃうもんね。
- ハワイ vol.1 ←ハワイで生まれ育った人とハワイを旅する記憶。