ところで、十番のピーコックは21時にお惣菜が半額となることが公知の事実だったのですが、改装して陳列ルールが変わり半額になる時間帯が読めなくなった。21時に行ったら惣菜全然残ってねーの。空振りで肩を落としながらピーコックを出ると、向かいのビルに何やら見覚えのある看板が。そう、インティライミでした。どうやら川崎の店を閉め、十番に移転してきたらしいです。
中南米に食探求の旅に出る連れと食事する予定があったので、これは天啓だと即座に予約。
連れはクラシックなピスコサワー。白ブドウの蒸留酒「ピスコ」とレモンジュースと卵白をシェイクして、 シナモンを上に軽く振って作ります。
夜風が気持ちよかったので、私は生ビール。川崎時代は1リットルぐらいの大ジョッキが800円ぐらいだったのに、十番ではお上品なグラスが650円もする。
お通しは餃子のお化け。タレが独特にスパイシーで尾を引く味。連れが「あー、あたし昔コレ、1日で○○個作ったことある」。○○個が1,000個か10,000個か100,000個か失念してしまいましたが、いずれにせよ非常識でした。プロと食事すると話の単位がキロとかリットルで面白い。
キヌア、白トウモロコシ、空豆、トマト、チーズ、ライムなどのサラダ。メリハリのある酸味と辛味。ちょっと素人じゃ真似できない味付け。キヌアはずいぶん流行ってきましたねえ。NASAが「1つの食材が人間にとって必要な全ての栄養素を提供することは不可能だが、キヌアは植物界動物界において何よりもそれに近いものである」と述べたりしているスーパーフード。
おなじみセビーチェ。タコやタイ?スズキ?に野菜を加え、柑橘とスパイスで豪快に味付けたマリネ。爽やかで初夏にうってつけ。川崎時代に比べて食器がシャレオッティになっているのも微笑ましい。
ジャガイモとハチノスの煮込み。こちらは辛くなく一休み。素朴で印象は薄いものの、味付けが通り一遍でなく懐が深いのは加点。
プーリニィーサンピエールのような姿形のゴハンがかわいらしいです。ジャガイモの煮付けとゴハンで炭水化物王子なのはご愛嬌。
キヌアのリゾット。エビを中心とした魚介エキスが溶け込んで美味。このままで充分なのに辛味を放り込んで異国情緒を弾けさせるあたり、ペルー人は冒険心に溢れた民族である。
連れはマカの果実酒「マカチ」。
私は〆にピスコサワー。蒸留酒はあまり得意では無いのですが、ペルー料理屋の儀式として飲みました。
総括。川崎時代のインティライミとは全く異なるお店と考えたほうが良さそうです。味はベポカと同等で、都内のペルー料理ではトップクラス(そもそもペルー料理屋は数件しかないけれど)。ベポカほど高くはないが、ベポカほどスタイリッシュでもない。有体に言えば中途半端。
店内はガラガラで家賃が払えるのか心配になってしまう。もうちょっとどっちかに振り切ったほうが良いと思うんだけどなあ。その「どっち」がどこにあるのかはうまく説明できないのだけれども。
連れは自身の会社の業態を大きく転換し、勝負に出る模様。眼が輝いていて美しい。私の身の周りは最近こんな人ばっかだ。魅力的。
私はクリエイティブな要素を何一つ持ち合わせてはいないけれど、物事を前に進める厚顔無恥さと、非効率を糾弾する粘着性については他の追随を許さないので、裏方としてみんなの力になれるといいな。
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