サンス・エ・サヴール/東京

南仏モンペリエにある3ツ星店「ル・ジャルダン・デ・サンス」をひらまつが引っ張ってきた店。
丸ビル35階の窓際族。荒天ではあるものの絶景である。「夜景の綺麗なレストランに旨いものナシ」「再開発ビルのテナントに旨いものナシ」などの都市伝説が脳裏を掠める。ドキドキ。
むーんあんまし印象に残らない。ただし泡を片手に大パノラマを楽しむのは良いものですな。
ホウレンソウのチュロス、豚足コロッケ、ケッパーの塩ケーキ。コロッケはアツアツのウマウマで存在感あり。チュロスとケーキはわりとどうでもいい味でした。
ホタテにトリュフの風味と根セロリのクリーム。ホタテは旨味起因の粘度が口全体を幸福で満たしてくれます。トリュフの風味はもうちょい強くてもいいかなあ。他方、根セロリは食べれないことは無いけど好きじゃない食材。「それでもひらまつなら・・・ひらまつならきっと何とかしてくれる・・・!!」と期待したのですが、何ともなりませんでした。
パンはシンプルですがレベル高かった。もう一種類あったのですが、両方とも好きです。
「樹齢100年を超える古木が紡ぎだすミネラル!大好評!超おすすめ!」とのことでしたが、私の口には合いませんでした。食事とあわせれば変わるかなと待っていたのですが動じることはなく。こういうことがあると自分のセンスに対して美人投票的価値は無いのかと急速に自信を無くしてしまう。
トウモロコシとキノコとフォワグラのムース?スープ?茶碗蒸し?いずれにせよ、コクが豊かで美味しすぎ。余韻の豊かさに拍手喝采。本日一番のお皿です。お隣の生ハムをカリっとさせたやつは味わいがスカスカでガッカリ。でも茶碗蒸しが良かったので気にしない。
ソイ、ならびに野菜たち。食材自体には魅力を感じなかったのですが、特筆すべきはソース。酸味と甘味がうまく噛み合いこれぞ外食の醍醐味。
夜の帳が下りる。闇に包まれた皇居と新宿の摩天楼。佳子さまかわいいよなあ。合コンしたいなあ。
最近、カベルネソーヴィニョンとメルロの違いですらわからなくなってきた。考え込みすぎなのかなあ。これはメルロだ、これはメルロだと自分に言い聞かせるように飲んでしまいました。
最後はお肉。直球勝負で誰もが好きな味でしょう。ハっとする鋭さは無いものの、素直に美味しかった。
デザートワインは上品な甘さで健やかな味わい。
マンゴー尽くし。アイスとプリンは良くある味。
春巻きは面白い試みではあるものの、甘味が凝縮されすぎて田舎臭いお菓子みたいでイマイチでした。
ミニャルディーズはカヌレが秀逸。最後まで美味しくて嬉しいですな。

というわけで、とても安定感のあるレストランでした。結構好き。ただ、「ル・ジャルダン・デ・サンス」のエスプリは感じられない。これは南仏の有名レストランとのコラボなお店なんですよ、と解説が無いとその価値が伝わらない。景観を含め、ラフェットひらまつと違いを見出しづらいかもしれません。
その後は六本木のマックスボルドーでスペイン特集。丸の内を出た時点で既に酔っ払っていたので、つまりは泥酔ナイト。
どうしてこうなったのかはわかりませんが、初対面の方々とディケムじゃんけん。チョキチョキチョキパーで美しく敗北しました。あれ?目から汗が止まらないよ。
お味は素晴らしいの一言。さっき飲んだサン・クロワ・デュモンのやつとは格が違う!気がします。さすが貴腐ワインの頂点!と自分に強く言い聞かせる。世界最高峰だから。世界最高峰だから。おれやればできるから。


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ひらまつ関連のお店にはかなり行きました。全般的に「外さないレストラン」で安心できるのですが、たまにハズレもあります。

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。




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