小笠原諸島 vol.4~ハートロックトレッキング~

朝食の時間をズラす&ダイニングではなく離れたテラス席で食べるという合わせ技で、うるせーババアから難を逃れる。
 パパイヤのきんぴらがgood。
キハダマグロの味噌漬けもgood。今回の旅で一番美味しかったかもしれない。ごはんをおかわりして卵かけごはん。旅行中は白米が美味しい。

さて、本日はトレッキング。千尋岩、通称「ハートロック」目指して登ります。ところで、2日前の入港直後にウサギのぬいぐるみと共に自撮りしている一人旅のメンヘラ女を港で見かけ、これが若者の人間離れか、君子危うきに近寄らず、ああいうのとは絶対に関わらないでおこうと固く誓っていたのですが、なんと今回ツアーが同じ。やめロッテ千葉ロッテマリーンズ。
山にヘンな種を持ち込んだりしないよう、ゴシゴシ靴を清めます。酢をブシュブシュかけていざ出発。
ヤギの顎骨。駆除後、食べるのはダメなんですって。解体設備が整ってないから衛生上問題アリとのこと。土葬が基本で骨が残る。
日本軍が掘った壕。何かの貯蔵庫だったそうな。
コチラはレーダー設備の建物。鉄筋コンクリートづくりで頑丈です。
道中、私は牢固たるATフィールドを張りっぱなしだったので、メンヘラに話しかけられることは無かったのですが、連れは同性のよしみか一瞬話しかけられ、おい、触らぬ神に祟り無しという言葉を知らんのか、と焦りに焦ったのですが、連れはメンヘラを上回る重度のコミュ障であるため、なんとか会話が一往復でクローズし、九死に一生を得ました。
ハートロック到着。絶景である。メンヘラはこの絶景と共に、やはりウサギちゃんと自撮りしています。しまいには「すいませんウサギちゃんとツーショット撮りたいんで、シャッター押してもらっていいですか?」とか反社会的すぎ。誰か公安に通報しろ。
大体、ガイドも他のツアー参加者も卑怯である。「おひとりですか?」「お仕事何なさっているんですか?」「ゆうべは何たべました?」などの、完璧にどうでもいい会話は嬉々として取り組んでいるくせに、「そのウサギは何ですか?」「その写真、誰に見せるんですか?」「見せられた側の気持ちを考えたことはありますか?」のように、核心を突いた質問は誰ひとりとしてしない。彼女のツーショットタイムを待つ間の微妙な静寂。本音と建前。日本が世界一になれない遠因を垣間見ました。
お弁当は昨日のほうが豪華だったなあ、と塞ぎこんでいると「トレッキングなのでリュックの中でグチャグチャにならないような仕様としている」との解説。なるほど、きちんと考えられているのですね。ちなみにメンヘラは自前調達の平たい弁当で完全に横弁であり「ああ~ん、グチャグチャになっちゃったぁん。でも、食べれば一緒一緒!」とひとりでブツブツ言っていました。もとい、ウサギちゃんと会話していました。
赤土というかピンク色に近い土壌。個人的に本日のハイライト。
陸軍のレーダー施設。300kmも索敵していたとのこと。
薬莢。こんな具合に戦跡がゴロゴロある島なのです。
朽ちた自動車。エンジンに「ンサッニ」の文字。
ゴール間近に通りかかった生後20日前後のヤギ。近いうちに殺処分されると考えると切ない気持ちに。

というわけで、あまり楽しくありませんでした。正直メンヘラの動向が気になってしょうがなかった。完全無視を決め込もうと考えを固めたはずなのに、彼女の一挙手一投足についつい心を奪われてしまう。怖いもの見たさ。

そして私は山よりもダンゼン海派。ドルフィンスイムのテンションを100として、今日のテンションは7ぐらいですかね。70じゃありません、7です。ハートロックは悪くない。私の趣味嗜好の問題です。

また、スタートからゴールまでの7時間、トイレ無しはキツかった。ここを整備しない限り、当該トレッキングコースの人気が上がることはないでしょう。女子にとっては死活問題。
 宿に戻り、おやつに農協で買っておいた島トマトを食べる。店頭に並んだ瞬間に完売してしまう人気商品。ただ、確かに美味しいけれども大騒ぎするほどでは無い。
気を取り直してパッションフルーツ。こちらは間違いなく美味しい。おやつにパッションフルーツだなんて幸せだ。
夕食。例によってうるせーババアを回避するため、夕食の時間を小一時間ズラす。しかし今夜はババアたちも遅めの夕食で、我々と丸かぶり。こんなに暗い気持ちで食事を摂ったのは久しぶりです。いや、この際うるさいことぐらい目をつぶろう。何よりも許せなかったのが、ババアがツインテールだったこと。60歳前後の小太りのうるせーババアがツインテール。ツインテールですツインテール。…もう…やめちゃってもいい…かなァ…夕食、と本気で考えてしまいました。
 ズッキーニとシーチキンの和え物。おがさわら丸の入港、すなわち物資の補給日は明日。食糧事情の厳しさここにあり。
 島トマトのナムル。味付けは良いのですが、なんせ2時間ほど前に両手いっぱいのトマトを食べたばかり。つくづく間の悪い旅である。
 パパイヤキムチ。なんとか自給できるもので耐え忍ぶ。
 水餃子。自社農園のニラがたっぷりとのこと。
 タキベラという近海魚のフライ。食事時間を遅らせた結果、完全に冷えきっており油を吸ったパン粉だけが目立つ。
 島バナナを練り込んだハンバーグ。こちらも素材が苦しい料理。そして冷えきっている。ここの料理人が悪いわけではなく、食料事情とツインテールのせい。
ココナッツミルクプリンにパッションフルーツのソース。うーんグレイト。やはりこの島では果物が吉。

メンヘラとツインテールに苦しめられた1日でした。明日はいいことあるといいな。

「小笠原諸島」シリーズ目次



関連記事
国内旅行もすごく大事にしています。なんてったって安い。みんなハワイなんか行くだけでなく、日本の名所と美食を巡る人生の豊かさも知って欲しいな。