ポアジェ/鎌倉

鎌倉はフレンチレストランが多い。どのお店もランチは予約の取り合いですが、ディナーは簡単に入ったりします。
乾杯はロワールのクレマン。イマイチ。数時間前にマムを楽しんだため、どうしても比較してしまう。
サヨリの炙りにピクルスたち。酸味が強く、前菜らしさという意味で合格。
テリーヌ。デパ地下レベル。もうちょっと量で攻めるとか、工夫して欲しいですね。
バケットはシンプルではあるものの、結構美味しい。気づかないうちにスイスイ3つも食べてしまいました。
シーズンなので、追加料金でホワイトアスパラガス。
うーん、茹ですぎなのか何なのか、歯ごたえというものが一切無く、繊維質さえも感じることができませんでした。ここまで茹でるのであれば、いっそのこと裏ごししてスープにでもすればいいのに。味は悪くないものの、造り手の意図がわからない一皿でした。
連れが「ソーヴィニョンブランかゲヴュルツトラミネールがいい」。ゲヴュルツトラミネールという単語を市井の人が流暢に発するのを初めて聞き、感動しました。しかしリストにはシャルドネばかり。お店に相談すると、隠し玉を裏から持ってきて下さいました。やっぱ聞いてみるもんですな。柑橘系の刺々しさが爆発的、誰がどう飲んでもソーヴィニョンブラン。リクエストに正対してくれて嬉しいです。
スズキのポワレ。お肉ナシにした代わりに、お魚のポーションがしっかりあって嬉しかったです。スズキ自体は一般的な味でしたが、黒オリーブのソースが絶妙で、さらにはガロニ(付け合せ)が抜群の出来。ここのシェフ、価格設定を倍にしたらかなりの料理を作ることができるのではないか。
デセールにキャラメルのムース。正直、これが一番美味しかった。いや、褒めているのですよ。甘味は表現の幅が小さいので、美味しく作るのは難しいですから。
連れはイチゴのタルト。一口頂きましたが、タルト生地が餃子の皮のようで食感で遊ぶ感じ。うむ、ここのシェフ、スイーツ番長でもある。
エスプレッソで〆でごちそうさまでした。

良い店です。ただ、ご近所のレネと同様、才能の無駄遣いとも感じました。もったいない。2~3倍の料金をとって、もっと上質な食材を用いて東京で勝負して欲しい。最低でも1ツ星は取れると思うのだけれども。

何だか鎌倉には社会的損失な良店が多いなあ。みんな都心で勝負は疲れちゃうのかな。いずれにせよ、現状を維持するということは未来を放棄することに他ならない。鎌倉のアイアンシェフのみんなたち、『半島を出よ』。



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