3:30起床。30分で仕度し、ガイドさんの運転で向かう。
自家用車がいっぱい来ると色々不都合なので、ふもとのデカい駐車場に車を止め、そこからバスでしか行けないのです。
5時の始発で出発。ここから小1時間は爆睡。
登山口に着いたらホテルに用意してもらった朝食弁当を食べ、ストレッチをして出発です。6時出発でありまだ暗いためヘッドランプ必須。富士山の際に使用したものを捨ててなくてよかった。
このようなトロッコ道を8kmほど、3時間近く歩き続けます。枕木と歩幅が合わずストレスが溜まる。
屋久島は花崗岩の島であり、土はありません。岩に直接苔が生え、そこにいきなり木が生えてくる。
柵の無い橋をいくつか渡るのは少しだけ肝が冷えます。
片道5時間のうち、トイレ行くチャンスは2回のみ。最長4時間近くトイレに行けないのは辛い。エネルギーと水分を補給せよと口うるさく言われる割に、トイレが限られているのは生理的に無茶な要求である。
8kmのトロッコ道を終えると、残り3kmは山道。2時間かけて登っていく。
でっかい切り株内部に入ると、ちょうどハート型に見える。伝統的なハートではなく、最近のチャラ目なハートな点がオシャレですな。
確かにデカい木。なんですけど、ヨセミテ国立公園でもっとすごい大自然を経験しているので、特別な感情を抱くことは無い。
基本的に苔が大きな顔をしている島なのですが、
たまにツルツルの木があって超目立つ。
そう、淡々と書いていますが、基本的に10時間の行程、常時土砂降りでした。あと一歩で警報レベルだったとのこと。
お昼のお弁当も、雨が鬱陶しいので全然味わうことができない。
スギはスギ同士、合体する能力があるらしいです。確かに2本の木がつながっている。
というわけで、縄文杉に到着。ガイドさんに「まだ見上げないでくださいねー、正面来たら教えますからねー、下見ててくださいねー、今だ!ハイ!どうぞ!」と思いっきり煽られた割には別に普通でした。どれぐらいリアクションすべきかめちゃくちゃ気を使ったことははっきり覚えています。
ちなみに縄文杉の周りはこんな感じにごった返してます。当日の登山者数は約200名。GWは1,300名にも達するとのこと。トイレは1時間待ち。おそろしや。
完全に豪雨となり、水量が増す。このような沢みたいなところを突き進んでいかなければならないのです。
雨に苦労する我々を横目に、カエルさんは大喜び。
川の水量も増してきました。
トロッコ道の枕木まで浸水してしまい。ジャブジャブ歩くしかありません。
ここまで説得力の無い警告は珍しい。
宿に戻って温泉入ってビール。これはさすがに気持ちよかったです。
ということで「まあこんなもんか」が正直な感想です。色んな本で読んだ「人生観が変わる!」「全ての生きとし生けるものに感謝したくなる!」「如何に人間とはちっぽけな存在か!」のような謎の感動は一切味わうことができませんでした。
うーん、どうなんでしょうかね。屋久島というアクセスの悪さに加え、10時間近く歩き続けないといけない過酷さが、訪れる人を「感動しなければならない」という気にさせるのかもしれません。予約困難な超高級レストランの口コミが大絶賛で埋め尽くされる現象に似ている気がする。「こんなに苦労して予約とって、こんなに高いお金を払ったんだから、美味しいはずだ!」的な。
屋久島、特に縄文杉については手放しで褒める記事ばかりですが、実は私のように冷めた感想しか持っていない人も結構いると信じたい。でも素直に「しんどいだけで、別に大したことなかったよ」と言ってしまうと、なんだかすごく性格の悪い人みたいだから口をつぐんでしまう。浅田真央を賞賛しなければならない風潮、に似たような空気を感じた1日でした。
「屋久島」シリーズ目次
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