レストラン ル・ミディ/高山

高山のレストランは観光客向けの飛騨牛ステーキ屋ばかり。うーん、もうひとひねり欲しいなあと調べに調べまくってようやくたどり着いた当店。シェフはフランスの有名店をいくつも経験されていたそうで、期待が膨らみます。

ホームページを熟読すると、良いワインであればあるほど値付けが安い。酒屋で買うのと変わらんかったりするので、よし、せっかくだから高いのを頼もうと心に決めて来店です。
 パリの街角のビストロそのもの。
グラスのスパークリング片手にメニューを熟読。ううむ、わかりづらい。同一の料理が名前を変えて色んな箇所に登場しており、MECEの真逆を行く。どフランスな料理は見当たらず、結局は飛騨牛ステーキを推していたのでがっかりです。
ステーキだけを注文するのは芸がないので、少しでもフレンチのエスプリをきかせようとタルタル。
薬味が届いて
ぐちゃぐちゃに混ぜる。うん、美味しい。ただ、量の割に高い。
 パンはごくごく普通です。
スープ。印象無し。まずくは無いが、うまくもない。

お目当てのワインなのですが、ホームページに載せてあったワインリストと全然内容が違う。全くもって貧弱。辛うじて残ってあった目ぼしいものは、ホームページの1.5倍の価格。お店の方に、話が全然違うじゃん、と説明を求めても的を射ず。これはジャロにチクっても良いレベルです。
もう選びようがなくなったので、お店の方に完全にお任せすると、存外に美味しかった。ただ、妥協に妥協を重ねた1本だったので、なんだかね。
 メインは飛騨牛の極上部位を200g。「せっかく高山まで来たんだから」と一番高いものを注文したのですが、脂が多すぎで3口ほどで気持ち悪くなりました。いや、お店は悪くないですよ。私のチョイスが良くなかったんだと思います。
デザートは追加料金を払ってスペシャリテのプリン。重みのある舌触りのカボチャがこってりと甘くとても美味しかったです。
 オマケで牛乳のアイスも頂きました。さっぱりとして良い。
コーヒーで〆てごちそうさまでした。

注文の仕方を間違えました。飛騨牛の主張がキツすぎて、シェフの実力を測りかねる。とにかく胸焼け。しかも私と連れふたりとも同じメニューにしてしまったので、「ねえキミ、半分食べてよ」とか厳しすぎる。「飛騨牛にこだわらなくていいから1万円でフルコース」とか、「飛騨牛でできるアラカルトを全部」とかが、正解の注文方法なのかもしれません。

あとやっぱ嘘は良くない。もちろんワインには在庫という概念があることを重々承知しておりますが、それにしても全滅は酷い。それなら最初からホームページとかに書かないで欲しいです。こちらはその情報源を信頼して予約したのにな。がっかりだ。


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日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

Restaurant LE MiDi
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すし初/湯島

前回より3ヶ月。年が明け季節の移ろいと共にウズウズしてきます。そろそろすし初仲間に連絡しようと考えていた折、「そろそろ行きますか?」との連絡が。なんとも気が合いますな。
本日のラインナップ。今日も良い1日になりそうです。
まずはビールで乾杯。
ホタルイカの苦味がビールの苦味と炭酸でジュバーってなって、快楽そのもの。
レンコンを果実酢で調理。むっちりとした歯ごたえと食べ応え。おいしゅうございました。
カツオのハラガワ?脂の多いハラスの部分です。カツオブシを作る際、脂肪分は不要なのですが、鹿児島地方では炙って食べたりするんですって。カツオの旨味と脂のコクが渾然一体となり、本日一番の皿でした。
旨味の強いこちらの酒を重ねて大満足。
アサリのダシで茶碗蒸し。タケノコたっぷりで春はもうすぐそこ。
ひやおろしをガブリ。今夜も酔いそうです。
お刺身第1弾はヒラメにスミイカ、ミル貝に赤貝。ヒラメは分厚めのカットで嬉しい。赤貝も旬の締めくくりとして相応しいお味でした。
ゴマ豆腐を焼いたもの。ゴマダレをつけて。甘みで変化があり乙な味。
さてどんどんいきまっせ。
お刺身第2弾!
今回のヒラメは肝和え。お前らもっと飲めというメッセージを汲み取りました。
中トロは爆弾サイズ。こんなカットの仕方、初めてです。
ブリと〆鯖。〆鯖の締まり具合が絶妙で、酸っぱくは無く一方で深みがあり良かったです。
ニンジンのすりながし。すりながしって無条件で美味しい。ニンジン嫌いのチビッコたちに食べさせたい。
おっ、佐藤祐輔!とつぶやくと、「お詳しいですねえ」と褒められました。新政酒造の佐藤祐輔さんは東大卒のジャーナリストから家業を継いだ異色の経歴。日本酒好きな方は是非知っておいておきましょう。
鼻血が出るほど巨大なホタテをシンプルにお酒で。貝柱はもちろんのこと、貝の旨味が溶け込んだツユ(?)が一番のごちそう。
お待ちかね、而今です。流通量は少ないはずなのに、当店にはいつも置いてある。
銀ダラの西京漬けと共に。銀ダラの独特の食感が活かされていて美味しかった。
ヴィンテージ違いもご用意くださいましたが、正直違いがわからんかった。親方と連れは区別できるとのことでしたが、私にはサッパリなのオホホ。
煮魚はきんき。ポーション大で贅沢ですな。こちらもホタテと同様、ツユが抜群に美味しい。
強烈なアタックの一杯。そろそろ酔ってきたでござる。
だがしかしもっと飲める前へ進めるということで、アンキモの炙り。アンキモって炙るの?ウマイじゃん!
度数が低く、爽やかな甘さ。かなり好き。
ボトルの形状がボルドーっぽかったので、「え?ボルドーw?」とたずねると、「(ボルドーの)ソーテルヌの貴腐ワインをイメージした甘口の日本酒」とのこと。なるほどね。茶目っ気あるなあ。アンキモとのマリアージュに唸ってしまいます。が、アンキモ以外にあわせることできるのか鮨屋でこの酒。
握りに移行。まずはイカ。さんざんっぱら魚を食べ尽くしてきて〆のごはんものが鮨だなんてもう最高。
酒の勢いもとどまることを知らない時間の中でいくつもの移りゆく街並みを眺めていた。
ヒラメの昆布〆。繊細な旨味が味蕾を優しく撫でてくれます。
エビに黄味酢。黄味酢って美味しいですよね。オランデージソースとか黄味を使ったソースって大好き。
エビおかわり。今度は黄味酢だけでなく、さらに味を重ねて下さいました。
コハダ。数ヶ月おきにお邪魔しているため、来るたびにネタの大きさが徐々に成長していくのがなんだか可笑しかったです。あとしばらくしたら1回転して4枚づけとかなんかな。
カンパチの炙り。脂が旨い。脂を楽しむネタですな。
ブリは脂よりも旨味。うーん、幸せ。
中トロ。あーん美味しい。やっぱ鮨のスターは中トロかもしれない。大トロほど下品ではなく、赤身ほど淡白でない絶妙さ。
ヅケ。そう、赤身はヅケにしちゃうほうがいいですよね。コクが産まれる。たぶんアミノ酸がどないかなってるはず。
イクラぷちぷちちゃん。クライマックスに近づいて参りました。
〆には肉厚のアナゴ。美味しい。前回はあなきゅうが印象的で、次回は是非にぎりでと決意していただけに嬉しかった。
オマケにギョク。ただし魚のすり身がかぶさっていて面白い逸品でした。
食後にもう一杯。べろべろやで。

毎度のことながら、開店から閉店まで良く飲み良く食べました。1時間程でパパっと飲み食いしていくお客さんが少しだけかっこよく見えました。少しだけね。

http://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13025204/