大きな盛り上がりをみせたナリサワ・ダイエット・チャレンジ。週に1度ぐらいお会いして進捗状況を確認していたのですが、日が経つにつれ表情が明るくなっていき、「計測日、前倒しにしてもいいかな?いきなり食べると身体がびっくりしちゃうから」との余裕発言。終わってみれば、10%以上の減量成功でした。そう、やっぱダイエットなんて本人の気の持ちようですね。改めてデブに同情する余地は無いと思いました。
シャンパーニュで乾杯。美味しい。好みです。ナリサワ特注のブレンドでございます。私は朝からマドレーヌ2個しか食べておらず、身体をガラ空きにして臨んでいたため、アルコールにキュンときちゃう。という話をしたら、他の参加者もこの食事のために身体をつくってきていたのが可笑しかったです。そうだよな。やっぱそういう格のお店だよな。
森のパン醗酵中!
里山をイメージした皿。おからに豆乳にチーズ??あとゴボウですね。木の水は毎度のことながらよくわからんのです。
タマネギのフリット。生地にネギを炭化させたパウダーを練りこみ黒く仕上げています。いつぞやの牡蠣と同じ仕組みかな。
久々甲州飲んだけど、美味しいですね。円安なので今年は国産ワインをたくさん飲もう。
醗酵を終え、焼きに入る。
「沖縄」がコンセプト。ウミヘビのスープに冬瓜・おいも・豚。旨味が詰まって良い。
こちらがエキスをすっかり抜かれたウミヘビちゃん。食用とは無縁の人生を送ってきたはずなのに、こんなに美味しく調理してもらえて幸せでしょう。
これ、日本酒なんですよ。ワインの酵母を使ったもの。
日本酒なのに、すごい色。甘くアルコールも高め。紹興酒みたい。
森のパンが焼きあがる。今回は黒糖ときんかんを練りこんであるとのこと。うおーやっぱこのパン世界一美味しいですわ。ダイエット女子は「あたしパン食べるの2ヶ月ぶりだ」なのに、こんなにべらぼうに旨いの食べることができるだなんて!
透明感。これこそ甲州なんじゃないかと思ってしまうほどでした。
赤座海老。大ぶりなエビに旨味が凝縮。いったいどんな人生を送ったらこんなに美味しいエビに育つんだ。周りの葉っぱのアクセントがきいていて、エビをもっともっと美味しく感じさせてくれます。
普通のパンは割と普通です。
コケに見たてたバター。美味しい。ものすごたっぷり塗りたくってしまいました。
長崎の牡蠣。意外にもトマトソース。間違いなく美味しいですが、あまりトマトを感じられず印象は薄いかも。私は牡蠣を一口でヅュルリと食べちゃう派のですが、今回は超絶ビッグサイズであったため、生まれて初めてナイフとフォークでカットしました。なんだやっぱ印象深いじゃん。
酔いが回り始めたので、このあたりからワインをちゃんと覚えてません。
サワラの西京焼きにおなじみの炭のパウダー。俗に言うエレン・イェーガーですね。イカに比べて煙のモクモク感が小さく見栄えは劣るかもしれませんが、味は鳥肌が立ちました。美味しい。こんなに美味しいサワラってある?敷かれた十八穀米もやんわりとフレンチのエスプリをきかせており非常にコクがある。
本日はクリアなワインが多く、いずれもスイスイと飲んでしまい、結構な酒量になっていたような気がします。
スッポン。旨味が強く身もたっぷり詰まっています。そう、昔よりも旨味が強いお皿が増えたような気がする。和のテイストの場合、外人にわかりやすくする必要があるからでしょうか。それにしてもスッポンまで自在に操れるだなんてすごいなあ。昔、料理の鉄人でフォアグラがテーマの回に、道場六三郎がフレンチシェフをぶっ倒していてすげえなあと思いましたが、トップシェフたちは素材の美味しさをシンプルに引き出すことができるので、和も洋も関係ないのかもしれません。
寺田本家の五人娘 純米吟醸酒。きっちり日本酒を合わせてきます。ここのソムリエは大変だ。シェフの味の幅が広すぎるので、いきおい勉強量も増加する。
ちゅどーーん、アワビちゃん!
涙が出るほど美味しい。弾力。ポーションを大きくしないと実現できない歯ざわり。ナリサワスーパーサイエンス部に不可能の文字はないわ。シビれたなあ。本日一番のお皿でした。このお皿をもって、2015年も当店が絶対王者に君臨することが決まりました。
私の経験不足なのですが、ガメイ(ボージョレヌーボー作る葡萄)でこんなに凝縮感のあるワインは初めてです。
中々レアなものには
トラフグ。あーん美味しい。こっちは日本酒じゃなくてワインなんですね。いや、ほんと美味しい。特に左の白子白子白子!官能的な舌触り。うっとりしてしまう。好きなものを最後に食べるスタイルの連れが、みんなから「もし白子苦手だったら手伝うけど?」と言われ身の危険を感じていました。
もう覚えてまへん。デギュスタシオン(お皿ごとに少量づつワインを合わせる)にすると、理解が追いつかなくてアレですね。もっと勉強しないとなー。
タイにカブと春菊。皮目のパリパリサクサク感が何とも絶妙。白味噌のソースも秀逸。連れのうちのひとりの一番の皿はこちらとのこと。
メインは牛鴨鳩から選ぶことができたので。男性陣は鳩。〆はクラシック。オッカムの剃刀的どシンプルな調理。カットした際の色味、口に含むと広がるジューシイ。繊維のひとつひとつまで全て美味しい。参りました。
女性陣は鴨。こちらも伝統的な調理。真っ当なお皿を作れてこその前衛。
赤もぴったり。ごちそうさまでした。
ところで、今回のお食事会の参加者のうち、ふたりがご結婚されるので、お祝いのケーキ。
お花もプレゼント。ニコライバーグマンのお店に行ったら在庫が無くて、「今から作ります!」とのことで、30分ぐらいで作って下さいました。珍しい機会だったので工程を見学させて頂き、その間ずっと雑談に付き合ってもらえたのがなんだか楽しかったです。あと、この花使って欲しいとか、こういう色味にしてほしいとか、色々リクエストさせてもらえました。ビタミンカラーが好きそうな女子だったので、こんな感じに仕上げただよ。100本以上のお花を使うんですって。すごー。
純米大吟醸の活性にごり酒と合わせるのは
麹の、、、なんだっけな?あまり印象は無いのですが、お酒と調和してたのが印象的でした。なんだやっぱ印象的じゃん。
洋ナシと葛湯。温と冷の共存。温度がアービトラージする前に、急いで食べましょう。しかしこの記事長いな。そろそろ書くの疲れてきた。
こちらをお供に
恒例の「ミニャルディーズは全部くれ」。
今回は参加者全員が「全部くれ」でした。いやはや、よく飲みよく食べる集団です。
そしてお祝いのケーキもこちらで頂きました。そう、私はこのケーキが当店のデセールの中でも抜群に美味しいことを知っていたので、厚かましくも是非食べたいとお願いしたのです。
エスプレッソで〆。いやー、大満足。ブレない。何度来ても大絶賛してしまう。いや実は牡蠣ぐらいまでは「あれ?美味しいけどこんなもんだっけかな?」と不安がよぎっていたのですが、サワラ⇒アワビ⇒トラフグの3連コンボで完全に昇天してしまい、アヒャヒャうめー!ですね、ハイ。
ダイエット・チャレンジの勝者は当店が初めてだったのですが、「感動した!自腹でもまた来たい!」とのこと。やはり当店はホンモノなんだと思います。
あと、当店はお店の雰囲気も良いですね。どの客もうめえうめえと目の色変えてお皿に飛びついている。内装はとってもシンプルで華美とは対極にあるのですが、ゲストの楽しい空気が素晴らしいインテリアとなっています。楽しさ・幸せが毎日がエブリデイ滲み出ています。
18:30入店23:30退店17皿14杯。最高の一夜でした。ヘタな海外旅行なんかよりもよっぽど有意義なんだからね。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。