ピエール/大阪

インターコンチネンタル大阪に宗教的に溺れてしまっている私。しかーしクラブラウンジで飲み食いばっかしてるだけでは敬虔な教徒とは言えません。ということでメインダイニングの当店へ。開業1年で1ツ星と期待大。
グ、グラスシャンパーニュがラウンジと全く同じ。。。いっぱいにせんにひゃくえん。。。上ならタダで飲み放題なのに。。。当然と言えば当然なのですが、私は器が小さいので暗い気分になりました。あと、テーブルにクロスかかってないんですね。想像していたよりカジュアルな雰囲気。値段はしっかりラグジュアリーなのですが。
アミューズはウニにオマールのジュレ。絶対的に美味しい取り合わせのはずなんですが、ピンと来ませんでした。可食部が少なすぎて味の判断がつかなかったのかもしれない。
手前のパンは普通のパン。奥のパンは栗のパンでクセになる味。
バターは有塩と無塩の両方。バターが暴騰しているのに贅沢使いムフフ。
ホタテとリンゴの泡。何かちょっと作り置き感満載。乾燥しているのですよ、ホタテの表面が。素材の質も良いとは言えず。この時点で少しづつ首を傾げ始める。
手長エビのリゾット。こちらは文句なしに美味しかった。エビの旨みがビンビンに引き出されている上、
卵黄のなんとも言えないトロトロ。完璧です。しかし、当店はフレンチだったはず。リゾットとかスカンピとか、ノリがイタリアンだよなあ。
アマダイを香ばしく焼いて、松茸のコンソメに浮かべる。美味しいのですが、どこかで食べたことあるぞこの皿。松笠焼的調理に和の風味。。。どこでしたっけ?

ところで、担当のソムリエに対して飲み物は伝えているのに話が通じてないねーちゃんが「お飲み物はいかがしましょうかー?」とか言ってメニュー渡してくる。ワンアウト。私のグラスが空いても注がないのはなんなわけ?パンが空でもシカトだし。生まれて初めて店員を呼びとめ「パンをもう少し頂いてもよろしいでしょうか?」と自分からお願いしたかもしれません。
問題のシーン。この皿と共に魚のカトラリーが置かれる。ツーアウト。

このスプーンで一体ぜんたいどうやって肉塊を食べれば良いのだと戸惑っていると、バイトみたいなねーちゃんが慌てるでも謝るでもなく悠然と数分かけて肉のカトラリーに交換。その間に肉の温度も私の気持ちもどんどんどんどん冷めていく。そのうえ料理の説明は全く無し。

さすがにこれは間違っていると思うので、スタッフを呼びとめ説明を求めるとああそうでしたかすんませんこれはオリーブ牛と芋とキノコですと事務的に伝えられるのみ。あらやだこの店詰んでる。スリーアウト。ゲームセット。連れは「あああチャンスを何度も与えていたのに。何度もチャンスを与えていたのに。根気強くおおらかに接していたのにダメだったかー」と腹を抱えて笑っていらっしゃいました。

そう、結果論ですが、なんか電話予約の時点で嫌な予感はしてたんですよ。この食事会の趣旨や連れとの関係など事細かに伝えているのに、「で、どのようなカンジにしましょうか?」と何とも的外れな返答。いやいやそうじゃなくてさ、オマエが提案しろよ提案。こっちは電話口だからお宅の雰囲気なんか知らねーんだよオマエがマックス演出できることを提案しろよバカたれが。ひいてはどのコースにするかまで予約の時点で聞かれたので「ミシュラン掲載記念特別メニュー」と指定していたのに、当日は堂々と「今日のお食事はいかがなさいなさいましょうか?」と食べ物メニュー渡されるし。むかつくわーすっげーむかつくわー。何のために電話したんだメーン?
デセール一発目はバラのジュレにオリーブのジェラート。おお!斬新!バラの香りとオリーブの塩気が絶妙!本日一番のお皿です。少し機嫌を取り戻しました。
モンブランを再構築、つまりクリーム状にしてチョコの筒に入れてメレンゲを上に載せるという、2年ぐらい前に流行った工夫でしたが、味は上々。カシスのシャーベットは抜群に美味しく、うーん、この店はパティシエが素晴らしいぞ。
ミニャルディーズはまあ普通。コーヒーと共に楽しんでいると、
スタッフがなぜかもう一度カトラリーを並べ始める。
ゲラウトヒア。どうやったらこんな間違いが起きるわけ?ファミレスでもこんなミスしません。最後の最後でなんともクールな。

というわけで笑っちゃうほど酷いオペレーションでした。何もかもが壊滅的。これじゃ料理人がかわいそう。いくら良い物を創ってもデリバリのラストワンヤードで全部台無しにされる。シェフが気の毒で仕方ない。

まあ、1ツ星を取ったのは多分に政治的な意味合いが強く、実際のところそんな実力はこのお店には無いのでしょう。開業したてのバ・タ・バ・タ☆レストランにどっかからそれなりのシェフを連れてきた、そんな感じのお店です。あと1年。あと1年差し上げます。1年後にもう一度来るのでそれまでになんとかして下さい。

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