地下の粋/築地

フランスでは生で魚介類を食べる機会が少ないのですが、牡蠣だけは別格。寒くなってくると、町中のレストランの軒先に牡蠣の露店が設けられ、エカイエという牡蠣の殻剥き職人が黙々とムキムキ。

日本にはミレニアムぐらいからオイスターバーができ始めたものの、露店てヅュルリ!みたいなお店は、観光地以外には見当たりません。

そこで当店。ビルの中にあるものの、タイル張りの店内に乱雑にテーブルが置かれ、かなり露店に近い雰囲気。「築地三代」という築地の卸売業者が経営している牡蠣専門店です。
値付けはこんなカンジ。調理場の中で固くて小さいスツールに座る、もしくは立つ、なので、長居はできませんが、とにかく牡蠣を食べまくるという意味においては都内最強なのです。
だいたい1個300円ぐらい。
厚岸
小長井
門司
相生。

門司のやつが一番美味しかったっす。昔、北海道で厚岸の牡蠣を食べたときは、うっとりするほど美味しかったと記憶しているのですが、今日はそんなでもなかった。というか、全般的にあまり牡蠣の豊かさを感じなかった。
利尻昆布にズワイガニのほぐし身、塩いくら。いくらはやっぱ醤油漬けがいいなあ。ズワイガニも旨味が薄い。利尻昆布は食べ応えがあって良かったけど、変換で「利子離婚部」ってどういうこと?
室津のものを白ワイン蒸しで。こちらも、悪くないんですが、なんだか薄く感じる。
〆にスープカレー。と言ってもなんでもないカレー粉を魚介ダシで溶いただけ。ゴハンはグズグズで全然美味しくないし、これで1,000円近くは許しがたい。

どうしても生牡蠣しか考えられないシチュエーションであれば、そんな高くないし、悪くない店だと思います。ただ、突き抜ける美味しさも無いんですよね。でも、つい調子に乗ってあれこれ飲み食いしているとすぐにひとり5,000円を突破してくるので、それなら気の利いたビストロでのんびりやったほうがいいかなあとも思っちゃう。小食の方向きなのかもしれません。