ちなみにキュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロのシェフと、タテルヨシノの支配人兼ソムリエ、NYおよび台北のロブションのパティシエがチームを組んで臨む、現在の東京では最も華やかなスーパースター軍団のお店です。
シャンパーニュで開始。冬だから重いシャンパーニュ。こってりして美味しかった。しかしこの店、立地がイケてませんな。銀座の雑然とした風景が大きな窓から見えてイマイチ。あと内装もイマイチ。支払額ではロブションやレセゾン級なのに、ハコがとてもチープ。
なんだっけ?なんか色々細かい説明があったけど、特に印象に残らない。
ウニフラン。フランの甘みが強すぎてイマイチ。
パン用のバターはチーズを混ぜたふんわり系。良かったです。
一方、パン自体は普通。数種類頂きましたがどれも普通でした。
牡蠣にオレンジ風味を効かせたもの。牡蠣自体は旨みが凝縮されていてとても良いのですが、オレンジ味がキツすぎ。上品でない。
フォアグラには青リンゴや赤ダイコンのすりおろしが添えられていましたが、全く調和せず。シェフは反省するように。
お魚はアンコウ。こちらは身がしまっていてとても美味しかった。ただ、素材は良いのですが、どうもソースとあっている気がいつまでたってもしない。
手長エビ。こちらも同様に、素材は良いが、調和はない。悲しくなってきた。
カトラリーの色が黒っぽくて少しカッコ良かった。少しだけね。
メインはエゾジカ。ここまで均一な断面を見たのは初めてかも。味も良し。ただ、どうもソースがバラバラなんですよね。肉うまい、ソースうまい、という具合。つけ麺で太麺かつスープがサラサラ系で全然絡んでこねーよ、みたいな感覚に似ている。
〆ということでシイタケに白トリュフ、鰹節ならぬ鴨節スープ。うーん、美味しいんだけどなぜここでこれを出す必要があるのかさっぱりわからん。白トリュフも香りが薄く、そこらのトリュフオイルのほうが食欲をそそる。鴨節も美味しいんだけど、「で?」って感じ。
チーズは素晴らしい。連れも「ストーリーが良くわからない。チーズだけまとも」とのこと。
「ここからの作り手はパティシエなので、これまでの料理とアプローチが変わります」と告げられました。このようなことをお店から言われるの初めてです。てゆーかアプローチ変えて良いの?ひとりのシェフがピラミッドの頂点に立って、彼の世界観を基に全てを組み立てるべきだと思うのですがコース料理って。ちなみに皮肉なことに、アプローチが変わったコチラの皿は非常にタイプでした。
お誕生日ということで、プレートにお絵描きして頂けましたワーイワーイ。美味しかったのですが、主題が不明確。ちょこちょこと細かな食材をつまむ感じで何がどうだったかは覚えていない。
プチフールは正統派。ピンク色のマカロンが美味しそうだったので早速食べようとすると、「それはあたしが食べる」と妨げられ、「今日は僕のお誕生日祝いだから、僕が最初に選ぶべきだと思う。一般論として」と抵抗してみたのですが、「あたしがお金を払うんだから、あたしが選ぶの」と一蹴されました。ごちそうさまでした。
お店からお土産もらえて、ピンク色が入っていて助かった。
むちゃくちゃ高い割に雰囲気はカジュアル。マクロで見るとストーリー性がなく、ミクロで見ると食材がバラバラ。なんでこんなに評価されているのかさっぱりわからん。あと、サービスもイマイチな気がする。話しかけてくるときに、やたらと距離が近いんですよね。テーブルウォッチングもわざとらしくて、近くをチョロチョロ動き回っていて落ち着かない。オリエンタルヒルズの監視を思い出してしまいました。
というわけで、ガッカリでした。もう行かないし、誰にも勧めない。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。