ぬーじ/恩納村

オリエンタルヒルズ沖縄のメインダイニング、と言うのには少々語弊があるかもしれません。当ホテルは夕食朝食込み料金で、夕食は必ずこちらで摂るという仕組み。フレンチ、和食、鮨、鉄板焼きから選ぶことができるのですが、沖縄で本物の和食や鮨が食べることができるとは思えず、鉄板焼きもここまで来て食べる必要もないなということで消去法でフレンチを選びました。じゃあ、ここまで来て食べるべきものなのかフレンチは、と問われると言葉に詰まるのですが。
食前酒。シークワサー的な味がしましたが、よくわかりませんでした。
エスカルゴを薄いパイ生地で包んだもの。ニンニクの香りが強烈かつ油まみれで食えたもんじゃありません。
バターも見るからにイケてないので手をつけず。
パンもスーパーで売ってるのと変わらない。
ハモ。元々そんなに好きじゃない食材なのですが、想像以上に美味しくなかった。旨味やコクがどこにもない。いや、ハモはそーいうもんだから仕方ないのかもしれませんが、ソースをもうちょっと工夫するとか何かあるでしょう。
 トウモロコシのスープ。甘すぎる。コースを通して一番味が濃かったです。
 ミーバイ(ハタ)の炭火焼。魚自体は悪くないんですが、調理がダサい。
 パッションフルーツのグラニテ。本日一番のお皿です。
 メインは和牛ソテー。普通。ただしつけ合わせがダサい。
フロマージュブラン。悪くないけれど、これと全く同じものを昼に食べたここで。CRMが全くなっていません。
ミニャルディーズもカントリーマアム以下。しかもデザート食べてる時に「明日の朝食は和洋いずれにしますか?ジュースはマンゴーオレンジetcから選択できます」あのな、今バンメシ腹いっぱい食って最後にお茶してるとこなの。今このタイミングでなんで明日の朝食のこと考えないといけないわけ?ジュースもその時の気分で選ばせてくれよ。なんで今指定する必要があるの?このホテルは完全に自分たちの都合しか考えてない。今このゲストがどういう状況に置かれているのかを少しでいいから想像して欲しい。

料理も全然ダメですね。披露宴の一番ランクの下の料理と変わらない。宿泊代金は1泊ひとりあたり78,750円なので、夕食代金は30,000円ぐらいでしょう。30,000円ってあんた、ナリサワとかロブション級ですよ。そういう料金を取るからには、彼らと同じ土俵で比較されるという自覚がシェフや支配人に足りていないと思います。東京なら3,000円でもっと美味しくて尖ったビストロがいくらでもある。調理に携わってる方々は一度東京の最先端の先端レストランで、今現場で何が起こっているのかを感じてきて、運営会社の幹部と本気で議論すべきです。

サービスも一流レストランのそれには到底及ばない。何人もわらわらホール内にいて歩き回っていて、その全員がテーブルを監視している。不気味すぎ。やたらと水を注ぎに来たり皿を下げに来たりで毎度毎度会話を中断させられる。「失礼します」なんていちいち言う必要ないから黙って下げてくれ。たまに頑張って会話を試みてくるスタッフもいて「日が落ちてきましたね」とかそんなどーでもいい解説いらんつーの。話術が無いならムリせず放っておいてくれ。

ただ、こういうのはスタッフ個人個人が悪いのではなく、会社の責任だと思います。「失礼しますと言え」「できるだけ会話しろ」と厳しく教育していてそれをスタッフが忠実に守っているのがひしひしと伝わってくる。でも、それだと良くできたファミレスと大差無いんですよね。このクラスのホテル・レストランであれば、雰囲気を感じて、絵を描いて、空間を創造して、ストーリー性を持ってゲストに接しなければなりません。しかも自然体で。それこそがこのクラスに求められる本物のサービスです。

根本的にこのホテルは、箱ありきで物事を進めています。コンセプトや哲学・世界観から入っていけば、絶対にこんなことにはなりません。水上で景色がキレイとか、カトラリーは全てクリストフルで揃えるとか、グラスは全てバカラとか、やたら広いプライベートプールとか、高級車でお出迎えとか、全てはハード優先。ハードって、簡単でわかり易いんですよね。金をかけるだけでいい。一方で、ソフトは本当に難しいし効果もあるのか無いのか良くわからない。だからといって、ソフトに投資しないと、こういったちぐはぐなレストランになってしまう。

悲しくなりました。期待していただけに無念じゃ。

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この年は1年で10回沖縄を訪れました。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。

ぬーじ
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