だって、ちゃんこ鍋ってすんごい高いと思いません?コースでしっかり食べて飲んだらひとり10,000円近く請求される。大した材料と調理でもないのになんでー???なので、極力ちゃんこ鍋とは関わらないような人生を歩もうと決めていたのですが、「両国に相撲部屋を改装したちゃんこ屋があって、土俵もそのまま残ってある」という情報をキャッチして、これは楽しそう。ソッコーで予約です。
ただ、同日昼に寿司をガッツリ食べる予定もあったので、当店の前菜などいらん!鍋だけ食って帰ってやろう!と企てたのですが、「初場所開催中なので席だけの予約はダメ、コース頼め」と怒られました。やっぱオンシーズン。稼ぎ時なんでしょうねー。
両国駅から徒歩10分以上。18時頃に国技館の前を通ったらすごい人。そして毎日新聞より撒かれる号外。号外ってすごく苦手。何かあったのかとギョっとしてしまう。恐る恐る受け取ると、「大鵬死去」でした。おそらくこの号外は国技館前でしか配られなかったことでしょう。
完全に住宅街で周りにランドマークも無く、地図を見ながらでも少し迷ってしまった。入店するとマジで土俵がある。しかも土俵すぐそばの席で不思議な気分。コースターが洒落ている。
ちびちびやってると次々に出されるので落ち着かない。
もっとゆっくりさせてくれよ。とその時、何十人も次々にお客さんが入ってくるじゃありませんか。とにかくすごい人。みんな相撲見終わって一気に流れてくるんでしょう。それを捌くためには次々出さないとしゃあないか。
メインのちゃんこ。ナメていた。めちゃくちゃうまい。なんという上品なスープ。魚介や肉の旨味がじっくり溶け込んでいて、それでいてアクは完璧に取り除かれていて臭みなど一切なし。このスープ飲んだだけで、ああ、今日は来て良かった、と思えました。
食べ始めて1時間ほど過ぎたころ、土俵に噺家っぽい人が登場して小話をしつつ、元呼出(相撲で太鼓叩いたりする人)の超エラい名人みたいなのが出てきて目の前で太鼓を叩いてくれる。これがものすごい迫力。しかもNHKの相撲中継のイントロみたいな馴染みのあるやつですごく面白かった。
「今日、相撲観てきた人~?」「ハーイ!」って観てきてない客は我々だけでしたごめんなさい。みんなガチの相撲好きばっかりが集まってるから場の一体感がものすごい。1,000円単位のチップが飛び交っていて違う世界を垣間見ました。チップって税務署が捕捉できないから税金取られないんだよないいなあ。
お願いすればそのショータイム(?)に出ている人たちと写真も撮ることができるし、ちょっとしたお話もできる。なんともゆるーい、おっさん向けエンターテインメントです。
料理だけ見れば割高かもしれないけれど、マジで土俵がある点、その土俵にあがってポーズとったりしても周りの客は温かい目で見守ってくれる点、ショータイムがある点などなど、楽しめる要素が盛りだくさん。外人とか連れて行ったらめちゃくちゃ喜ぶだろうなー。ヘンなジャズバーみたいなのより全然楽しい!
以前は色々と文句ばっか言ってしまいましたが、もう少しだけ長い目で相撲業界を見守って、自分も色々と勉強してみようかなと考えた一夜でした。
ところで、女性がガンガン土俵に入って写真撮ってたりしたけどイイの?とすこし疑問に思ったのですが、特殊な土俵(国技館のとか特定の神社のとか)でなければ別に問題ないとのこと。女相撲と言ってキャットファイト的な見世物もあるみたいなので、女は土俵ダメってわけじゃないんですね。またひとつ教養を獲得しました。
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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
- くろぎ/湯島 ←吉野川の天然鰻に悶絶。ただちょっと割高かも。
- 温味/すすきの ←旨い!多い!安い!完全無欠の三ツ星和食店。
- 龍吟/六本木 ←モダンスパニッシュとさえ感じる前衛的な和食。外人にオススメ。
- えさき/青山 ←こちらも創作気味。ミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 季節料理なかしま/白島(広島) ←同じくミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 歓盃 人形町田酔はなれ/人形町 ←飲んで食べて1.5万円。このあたりが分水嶺。
- 日本料理TAKEMOTO/代官山 ←2万円を切ってくる。私にはこれぐらいがちょうど良いです。
吉葉