なので、それなりの支払いを覚悟しなければまともな皿には出会えない。カネがモノを言う料理だと思うんですね。したがって、レストラン探訪しててもあまりウキウキしないんですよね。
青山えさき。四年連続ミシュラン三ツ星。伝統的な和食でなく、創作和食気味。ミシュランが好きそうなお店です。20年近く前、誰も「有機野菜」なんて言ってなかった頃からそれのみを使い続けてきた哲学のあるお店です。
伊勢海老と野菜たち。いきなりめちゃくちゃうまかった。伊勢海老とそのソースが美味しいのは当たり前として、野菜がとんでもなくうまい。ブロッコリーがめちゃくちゃうまいとかわけわからん。ニンジンとかまじやヴぁい。馬に食わせたら完全にヒヒーンです。カブも地味にすごく美味しい。これだけでレフェルヴェソンスのスペシャリテを超えているのである。
ヒラメの刺身。ヒラメって別に好きな食材じゃないのですが、これまたうまかった。プルンプルンしてる。すごい弾力。そして魚の味がしっかりと感じられる。
ブリ焼いたやつにニンジン(さっきのヒヒーンのな)スープ。もはや和食じゃありませんが、んなこたぁどうでもいい。うまいんだ。角切りのリンゴを入れるとか結構な冒険してくれるけど、きちんと調和していて参りました。
百合根まんじゅうをセンベイ包んで餡をかけて。付け合せのホウレンソウも味が濃い!うまい!
きんきをお願いしたのですが、時化でとれなかったらしく、代打金目鯛。魚自体はまあ別に普通かな。ゴボウがうまかった。
ダイコンの炊き込みご飯と香箱ガニ(松葉ガニのメス)のみそ汁。ダイコンなんて炊き込みご飯できちんと主張できるの?と懐疑的でしたが、しっかりとダイコンしてました。しつこいですが、野菜の味が濃い!カニは別に普通。
野草のハーブティに
十六穀入りの牛乳カンに黒蜜。和食のデザートって全然美味しくないところが多いですが、ここは例外でした。最後の最後まで美味しかった。
満足でした。和食で満足したの、生まれて初めてかもしれません。ミシュランは賛否両論多いけど、三ツ星までとっちゃう店だと外れたことが無い。ミシュランを参考にする場合は三ツ星だけを見たほうが良いのかもしれません。
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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
- くろぎ/湯島 ←吉野川の天然鰻に悶絶。ただちょっと割高かも。
- 温味/すすきの ←旨い!多い!安い!完全無欠の三ツ星和食店。
- 龍吟/六本木 ←モダンスパニッシュとさえ感じる前衛的な和食。外人にオススメ。
- えさき/青山 ←こちらも創作気味。ミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 季節料理なかしま/白島(広島) ←同じくミシュラン三ツ星和食にしては圧倒的な安さ。
- 歓盃 人形町田酔はなれ/人形町 ←飲んで食べて1.5万円。このあたりが分水嶺。
- 日本料理TAKEMOTO/代官山 ←2万円を切ってくる。私にはこれぐらいがちょうど良いです。
えさき