俺のイタリアン/新橋

俺のフレンチに引き続き、話題店は検証せねば気がすまない。「俺の~」シリーズで最初に出店されたお店。平日16時開店と同時に行けば余裕で入れます。17時を過ぎてもいくつか席が残っていた。
ブーブクリコのイエローラベルが600円。これは小売よりお買い得!しかしこの注ぎ方、日本酒のようである。
アミューズにチーズ。これがふたかけらで300円。なんかムカツクので、全体的に値上げしていいから、こういうのでお金を取るのは止めて欲しい。
フォアグラコロッケ。フォアグラの切れ端がジャガイモの中にちょこちょこと入っているだけ。特に美味しくはない。限定10食とされていたけれど、これ、限定にしなかったらあまり人気が出ないんじゃないでしょうか?すごく不満な一皿。
フォアグラのポワレ。フォアグラの質の悪さをベリーでごまかしてる。全然美味しくない。SNSで「フォアグラなう」ぐらいしか用途が無いんじゃないでしょうかこの皿は。
オマールとホタテのポワレ。うーん、イマイチ。。。食材の質が悪すぎる。トリュフとか終わってる。何も香りがしない。これならトリュフオイルぶっかけたほうがうまいぜよ。
クアトロフォルマッジ。これは想定外に美味しかった!ピッツェリアにあるようなちゃんとしたピザ釜じゃなく、電気式の釜↓だったのに。技術革新って素晴らしい。
生地もしっかり作ってあって、文句なしに美味しいピザでした。

しかし、やはりこの系列のお店はダメである。立ち食い。箸が置いてある。やたら豪勢なメニューが並ぶけれど、食材は最低。正直サイゼリアのほうが座ることができる分だけ居心地いい。

大げさかかもしれませんが、こういうお店がクローズアップされ続けると日本の食文化が崩壊すると思います。ネット上の記事で「高級店であれば1万円以上するオマールがここでは1,000円!」とか紹介していますが、あてにしちゃいけませんよ。銀座の高級鮨屋は数万円するけど回転寿司なら1,000円!って言ってるのと同じですからね。

1回だけ行くのならいい。でも、2回目以上行っちゃだめだ。人生がモノクロになる。

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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

俺のイタリアン 新橋本店
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サローネ2007/元町

横浜で最も人気のあるレストランのひとつ。元々銀座にあったお店を閉めて横浜に当店をオープン。大成功の後、現在西麻布と渋谷に姉妹店を開き快進撃が続く、という物語のあるお店です。「バンビーノ」という料理マンガのモチーフにもなっています。
まずは山形牛で白トリュフ風味のポテトを巻いたやつ。先頭打者ホームラン。鼻血が出るほどうまかった。白トリュフのセクシーな香り。
ジャガイモのスープ。これは一般的。最初の白トリュフジャガイモの印象が強すぎなのに食材かぶしちゃいかんでしょう。
パンも別に普通。
前菜はサーモン、カボチャ、トリッパのチコリ巻き、鶏肉。サワークリームにエスプレッソのパウダーをかけるのは面白い試み。しかし総じて平凡な皿である。
ダチョウのラグー(煮込み)パスタ。ダチョウはビジュアル的にものすごくクセが強そうですが、意外とあっさりしてます。パスタは二郎の極太麺のようで美味。
鹿のラグーのラビオリ。美味しいけれど、目をつぶって食べたら何の肉かわからない。
エビの塩漬け、ムール貝の出汁のゼリー、ピスタチオ、リコッタチーズ、あと何だっけ?色んな食材を一息に口の中に放り込んで咀嚼する料理。すごく美味しい。んーこのカタイのってなんだっけもぐもぐ、と、思わず考え込んでしまいます。面白い。
スズキのパイ(?)包み。説明された調理過程が複雑で覚え切れなかった。。。印象なし。
豚肉焼いたやつ。三元豚です。美味しいけれど、2口で終わっちゃう。もっとしっかり食べたい。
〆にスパゲッティ アル ポモドーロ。好きな量をグラム指定できます。一般的な人でどれぐらい食べるのかを聞くと、「むむー難しいですね。その日の食欲とか、それまでに召し上がったパンの量でだいぶ左右されるので。50から80グラムを召し上がる方が一番多いですかねー。ちなみに男性での記録は320グラム、女性は240グラム」ということだったので、おとなしく150グラムをお願いしたのですが、思ったより山盛りで軽くひいてしまった。

しかし、食べ始めるとこれが実に実に美味しい。とっても普通なんですけれど、感動的に美味しい。150グラムなんて余裕でスイスイ食べきってしまった。こういう普通のパスタがものすごく美味しいってすごいこと。とても印象的な一皿でした。
ドルチェは普通。右下のホワイトチョコがとても美味しかったです。
連れになあなああのトマトのスパゲティ死ぬほどうまかったよないや別にすげえ普通のスパゲティなんだけどすげえうまいよな超超超超うまかったよなと興奮していると、たまたま通りがかったホールの方に感想を求められ、いやほんとうまかった特に最後のトマトのスパゲティトマトのスパゲティ死ぬほどうまかったよいや別にすげえ普通のスパゲティなんだけどすげえうまい超超超超うまかったと答えると、「はいあれは本当に美味しいですね私には絶対作れません」と身内の方でさえ大絶賛で、しまいには当日の料理を担当した方まで厨房から引っ張り出してきて名刺までくれて、いやほんとうまかった特に最後のトマトのスパゲティトマトのスパゲティ死ぬほどうまかったよいや別にすげえ普通のスパゲティなんだけどすげえうまい超超超超うまかったと感想を述べると、「トマトタマネギセロリ各々500gを煮詰めてオイルやら何やら入れて最終的に500gにまで煮詰めて作るんですいやあれは自分で言うのもなんですけどほんと美味しいですよね自信作です」とレシピまで教えてくださっていやそれでも絶対マネできませんほんとおいしかったあのトマトはやヴぁいまた来たいあうあう。

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SALONE 2007

エルルカン ビス/湯河原

ミシュランが湘南エリアに進出したのは嬉しいのですが、和食ばっかりなんですよね。フレンチでは以前紹介したプランデルブと当店のみ。しかし、当店は湘南エリアに含まれてはいるものの、住所は湯河原なのである。静岡はすぐそこ。

湯河原駅から車で15分くらいでしょうか。車一台通るのがやっとな山道をぐんぐん登る。
怪しい。果たして道はあってるのか。
看板発見。極めてわかり辛い。
フジヤマのような傾斜角度の坂道を下り、ようやく駐車場を発見。
 そこから100mほど歩き、ようやくお店に到着。
何この雰囲気のすごさ。うかい亭クラス。ミシュランよ、よく来たな。

とんでもない山奥なのに、50席近くある店内は満席。すごい人気。
 アミューズはチーズ味の揚げたやつと、豚のリエットが入ったシュークリームと、オリーブ。味付けがしっかりしていてワインを飲みたくなるけど、今日は車で来たから飲まれへんねん。
前菜はシメサバの燻製。美味しいけれど、スーパーのシメサバを炙ったらこうなると思います。抜群に美味しいシメサバを食べたことがありません。下に敷かれたナスはすごく美味しかった。
米沢牛のグリルサラダ。これは抜群に美味しかった。サラダ?だまらっしゃい、これは、生肉である。2012年上半期で最も美味しい皿だったかもしれません。
真鯛にカブ。これはとても普通。何も印象に残らない。
蝦夷鹿を焼いたやつ。これはとんでもなくうまかった!肉自体の味がどっしりしてて最高!

と、まあ、味と店の雰囲気だけで言えば完璧なのですが、そうは問屋が卸さない。皿出しがね、遅すぎるんですよ。1品出すのに40分近くかかる。のんびり食べても皿と皿のインターバルが20分。テンポ悪すぎ。我々だけのテーブルだけじゃなく、どのテーブルのお客さんもイライラしてました。
最後の焦らして焦らして出てきたゴハン(なぜゴハン?)がイカの足がちょろちょろ入ったもの。全然美味しくない。40分待ってこれですか?しかも、注文する時に「お苦手な食材ございますか?牡蠣、大丈夫ですか?」と聞かれていたので、これは牡蠣を土釜で炊いたやつとかが出る?とか期待していただけに怒っちゃうぞ。
さらに散々待って出てきたデザート。ピスタチオのアイスにチョコムース、栗のスープ。これも抜群に美味しいから怒りのやり場に困る。
プリンまで手抜き無しで美味。

久しぶりに評価に困ったお店です。まだかよまだかよイライライラ→うめえ!→まだかよまだかよイライライラ→うめえ!→∞です。どんだけツンデレやねん。

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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
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キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ/都庁前

現代のフランス料理を語る上でトロワグロは最も重要な一家です。音楽で言うビートルズ的な存在。フランスでも彼らは大変尊敬されていて、最初にお店を出した前の広場の名前が「トロワグロ広場」になったんですって。1968年から三代にわたってミシュラン三ツ星を維持し続けているネ申レストラン。現在は創始者の孫にあたるミッシェルくん(と言っても今ではオッサンですが)が頑張ってます。

日本にある当店は、ミシュラン二ツ星。極東まで出店してやりおる。
アミューズに左から豚の皮のナントカ、トウモロコシのナントカ、イカスミのナントカ。トウモロコシのやつだけ美味しかった。コロッケみたい。中はじゅわってあったかいの。
ガスパチョ。色々と説明してくれましたが、上の円盤は結局よくわかりませんでした。しかし、とても美味しい。今まで食べたどのガスパチョよりも美味しいのである。
最初のパンはブリオッシュ的にバターがたっぷり。

イワシのマリネ。ミッシェルは「世界中ほとんどどこでも、酸味が料理をまとめ、料理に輪郭や方向性を与えている」とし、料理において酸味をとても大切にしています。うまかった。
仔牛のロティ(ロースト、つまりオーブン焼き)。なんとまあ細かい作業だこと。シンプルなフォン(フランス料理で言うだし汁)だけのソースが絶品でした。
デセールにはパンナコッタ。ピンクグレープフルーツが爽やか。
これは非常に納得がいかない。最後にビーツとか食わされてもタクアンにしか感じない。反省せよミッシェル。なんでも酸っぱけりゃ良いというものではないぞ。
ミニャルディーズは平均的に美味しかった。

大満足です。すごくまともなフランス料理。最近ヘンに凝ったのばっか続いたからすごくほっとする。新宿西口高層ビル群にありながら、1Fってのも何か良い。緑とかもたっぷり見えて。内装もサービスもすごく良い。驚きは無いけれども、手堅く幸せになりたい場合におすすめのお店です。

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