入ると窃盗事件でした。女弁護人が「彼は根はまじめで建設会社でずっとやってきたのに、倒産して生活に困ってやった。景気が悪い。社会が悪い」みたいなストーリーにしてて、えーちょっと無理あるだろーと思うと、検察からのツッコミが。
「でもあなた窃盗で手に入れたお金で最初に行ったのってパチスロですよね」で、ずっこけそうになりました。「まあ、彼は若いですしギャンブルもやめるって言ってるし、更生できますよ」などなど、実りの無いやり取りが続いた後、「次回につづく」で終了。さっきのリーマンは興味なさそうに終始手帳ばっか見てました。
次、同じ部屋で覚せい剤の事件。女弁護人は帰り支度をしてるのですが、弁護人以外は全員その場に座ったまま、え? 同じ人たちが別の事件を受け持つの?ってかあんたたち、今日一日ずっとここで事務処理的に消化していくわけ?とびっくりしてると、さっきのリーマンが突然立ち上がり、弁護人席へ。うはー、あんた弁護士だったのか!そして窃盗犯と入れ替わりに覚せい剤犯が入場。ほんとバトンタッチという雰囲気。
50代無職。高卒。元建設会社勤務。また建設業か!千葉の柏でシャブをひっそりと楽しむ毎日だけど、突然神奈川県警が家宅捜索に来て御用。どうやら売人が横浜で捕まって、携帯履歴から割り出したんだって。へー、わざわざ横浜の警察が行くんだ。出張費出るのかな、と、どうでもよいことばかりをつい考えてしまいます。
被告はツイてない。捕まった売人からは5年前に買っただけで、今回使ってたブツは上野の外人から買ったのに、たまたまタイミング悪く家宅捜索に入られたんだと。
ここで検察の口から驚愕の事実。「被告は18歳から断続的に常用してて、しかも今回は生活保護86,000円を受給したその足で上野の外国人に手当たり次第に声をかけ、購入しました」なにー18歳だと?酒すらダメだっつの。しかも生活保護の金で?なんてやつだ!
で、裁判官から「認めますか?」の質問に対し「認めます」で一件落着。この一言でほんとに空気ダラけます。検察は一仕事終えたぞってカンジだし、傍聴人もなーんだ消化試合ジャン、みたいなカンジ。ここで完全否認でもしてくれれば全面戦争で超盛り上がるんだろうけど、そういうのはあんまりない。ドラマでみた「異議あり!」ってのも珍しいし、まして逆転裁判みたいな状況は激レアらしいです。
「裁判傍聴」シリーズ目次
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。