その後は検察官から、被告がどんなことしたかの説明。青信号を10km/hで右折しようとした時、直進車とぶつかったとのこと。直進者は重傷。げげげー!これってよくある事故じゃん!これで手錠!?直進車もブレーキ踏んでやれよー!
と、最初は被告かわいそう路線で傍聴してたのですすが、検察の話をさらに聞くと、中卒。非行歴あり。建設業を転々とし、前科3犯。つい先日まで窃盗で1年間ムショ暮らし。今回の事故は、友人の車を無断で持ち出し、無保険、無車検、そしてひき逃げだと。ちなみに別件でも起訴されてて、並行して裁判やってます。
なんてやつだ!死刑じゃ!ぶっ殺しちまえ!
ものの5分で感情が入れ替わってしまい、こっちも忙しい。ちなみに私と被告人の距離はわずか3メートルぐらいで、ちょくちょく目が合って気まずい。顔覚えられたかな。手荷物検査は無かったので、被害者の親族がナイフで飛び掛って復讐するのも可能な距離。
裁判官が、「検察が言ったことを認めるか?」という質問に対し、即答で「認めます」。弁護人もやる気ゼロ。勝負あり。傍聴席は「なーんだつまんねーの」という空気で、何人かが席を立ちました。
その後は裁判官と検察官と弁護人で次回のスケジュール調整。「えっと、その別の裁判を待ってからにしましょう。来年25日はいかがです?」「かまいませんよー」「私もOKです」「何時にしましょうか」「いつでも」「午後が良いですね」「じゃ、13時から50分枠を抑えておきますねー」「あー、50分っすか、もうちょっと長くやりたいですねー」「私はどっちでもー」「じゃ、11時からやりましょう。長引いたらお昼も延長して」「いいですね、じゃ、それで」「被告人、今の会話の通り、来月25日11時からこの部屋ですからねー」
のような会話をが続く違和感。被告にとったら自分がムショかシャバか、ムショなら何年なのかと、人生がかかっているのに、なんとも緊張感の無い会話でした。
「裁判傍聴」シリーズ目次
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。