大相撲 一月場所/両国


「ポニーテールの太った男同士が裸で抱き合ってダンスすることが、 何故そんなに面白いのか」とはサルコジ仏大統領。皆さんがそうであるように、私も相撲については全く興味が無かったのですが、ひょんなツテから外国人観光客のツアーに加わり、一月場所を観てきました。

「こんにちは、ガイドのヤスシです。スシって呼んでくれて結構です」なんて観光ガイドとして抜群な名前なんだこの人は。

「今回のトーナメントでは、既にチャンピオンが決まっています。トップランカーのハクホーが優勝しました。でも、今日が消化試合というわけではありません。ジュニアレスラーはシニアレスラーにプロモートするために、最後の最後まで成績にこだわる必要があるのです。さあスタジアムへ行きましょう!」なんだかまるで遠い異国の伝統競技を観にいくような不思議な気分。しかし外国人と英語に囲まれて都内を移動すると、いつもと全く違った景色に見えますな。



ガラガラなのに満員御礼。ガリガリのデブみたいな。

印象。相撲は癒着と不正に満ちている。全般的にうさん臭い。チケットもぎりとか警備員とか清掃とか案内役とか、働いている人みんなが元力士。敷地内に健保とか総務部とか経理とかもあって、全てが完結しています。何かあったら何が何でも隠蔽し通す雰囲気がここにはありました。そもそも平日真昼間に開催で18時に終演など時代錯誤も甚だしい。

地下でちゃんこ鍋が1杯250円という、ナイスなサービスが。ちゃんこ鍋って、外で食べるとひとり10,000円を軽く超えてくるからなー。

お客さんは老人と外国人ばっかしです。一生懸命お箸で食べてました。心の中で応援。

肝心のお相撲ですが、今まで観たスポーツの中で、ダントツにつまらなかったです。マジでつまんなすぎて、寝てもうた。

あの、土俵に出たり入ったりするのが良く無いですね。朝からひたすらチンタラチンタラ、明確な試合開始時間が無いのも良くない。客が自由に席を立ったり移動したりと非常に落ち着かない。緊張感が無い。

「タカミザカリっていうレスラーは、弱っちいですが、動きがロボコップみたいでおもしろいですよ」と、ガイドの解説。なるほど、確かに弱くて面白い。人気が出るわけだ。

「さっきからずっとウエストサイドばっかり勝ってるけど、今日はウエストサイドの勝ちでキマリかね?」なるほど。たしかにピュアな気持ちで見ればそう感じるかもしれない。

「あれは青コーナー赤コーナーのように便宜的に分けてるだけで、紅白歌合戦みたいな勝ち負けじゃないのです」「紅白って何?」「美川憲一 VS 小林幸子 です」「美川憲一は赤組じゃないのか?」「今日は相撲の日なので相撲に集中してくだしあ」

最後の最後は白鵬 VS 魁皇。魁皇ってまだ現役なんだ。私が物心ついたころから土俵にいたような気がします。その魁皇、ものすごい人気。白鵬が勝ってしまい完全にヒール状態。千秋楽なので、優勝した白鵬の表彰式。ひとりだけ半裸で1時間近くも立たされっぱなしってのはちょっとかわいそう。

それにしても、連日の八百長叩きフィーバーですな。何を今さら。一度でも相撲観にいった人なら感じると思うけど、どー考えてもインチキ臭い。というか、そんなこと百も承知で観に行っているんじゃないの?本当にガチンコが良いなら相撲協会を一旦全部解体して、電通あたりに興行させる他ないと思います。

ちなみに、刑務所の中で唯一放映されるスポーツが相撲らしく、画面に一番良く映るリングサイド席には暴力団がたくさん座ってるらしいです。「アニキ、こっちはうまくやってますぜ、安心して下さい!」とか、「お前の家族はちゃんと面倒みてるからな」みたいに、お勤め中の構成員にエールを送ってるんですって。


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