というわけで、念願のカンテサンス!ミシュラン三年連続三ツ星の実力店。写真NGなので、今回は文章のみ。
サツマイモのスープとサツマイモのミルフィーユ。一旦焼いたのをバラして裏ごししてナントカカントカで、とにかく手の込んだ一品とのこと。新しい味。おもしろかったです。
ヤギのチーズのババロアにはオリーブオイルと塩。うーん、別に普通。ヨーグルト食べてるみたい。基本的に説明が長い店で、ものすごく期待させられる。
ネギをどないかしてウニやらディルやらパクチーやら。ぶっ倒れるほどうまかった。なんじゃこら。何かが突出してるわけじゃないんですが、全てが完全に調和しています。
スズキと鴨!ここのシェフは「フレンチ焼肉」とネットで揶揄されるほどローストが得意。スズキは絶妙の半生加減でさすがの一品。鴨はフランスの由緒正しい鴨を3時間も低温ローストしたもので、肉汁じゅわーの赤身に味がどっしりの、皮はパリっの、これは伝説。う、うまい。
デザートはココナッツの何かにピスタチオオイルとエスプレッソをかけたものと、メレンゲのアイスクリーム。このアイスクリームは感動的な美味しさ。
敢えて文句をつけるなら、ゴージャス感に欠ける店構えと内装、スタッフが事務的、オリーブオイルを多用しすぎ・素材を前面に出しすぎでイタリアンっぽい(私はバターと生クリームでソースが命なフレンチが好き)、デザートが貧弱でこれもイタリアンっぽい、でしょうか。
ただ、その点に関してシェフは次のように述べています。「私が試みるのは日本料理でもフランス料理でもありません。何にも似ていないけれど、自然が恵んでくれる美味なるものをそのまま映し出す料理です。日本には素晴らしい食材があります。フランスにもあります。世界中のどの国にも素晴らしいものがあるはずです。出来上がった料理が何料理かなどと気にすることなく、良い食材を使いたい。それが正しいし、理に適っていると思うのです。」見解の相違ですね。「雰囲気とか調理法とか関係ねぇ!ただただ超絶うまいもんが食べたいんだ!」ってときにはぴったりのお店かもしれません。
帰り際、シェフがわざわざ調理場から飛んできてのご挨拶。すんごい若いの、30代前半ではなかろうか。気取ってなくて実直な職業人って雰囲気。何だかよくわからないけど「この人にはかなわない」と直感的に感じ取りました。私たちが見えなくなるまで見送ってくれ心温まる。また来ます。
それにしても日本の高級フレンチは恐ろしくレベルが高い。地理も食文化も全く違う国なのに、日本人の器用さは異常です。フランスに修行しに行くなんて当たり前の業界だもんなあ。なんてフットワークが軽い人々なんでしょう。尊敬する。
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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
- アピシウス ←東京最高峰のレストラン
- ナリサワ ← 何度訪れても完璧
- フロリレージュ ← 間違いなく世界を狙える
- カンテサンス ←この人にはかなわない
- キャーヴ・ドゥ・ギャマン・エ・ハナレ ←世界を狙える日仏料理
- 北島亭 ←私は大食いでわかりやすい味を好むため当店は黄金センター
- デビッドセニア ←大阪帰る度に絶対行くぞー
- オカモト ←QSCAがしっかりしているのは当然のこと、そんなに高くないのが感動的
- アルシミスト ←こんなに魅力的なプレゼンテーションのブーダンノワールを食べたことがない
- メイ ←ブロートウェアが何ひとつ無い
- Parc ←当店ほどまでに重みのある二ツ星は東京ではなかなか見当たらない
- ラ・ファソン古賀 ← 強烈な個性をテーマに据えるドクトリン
昼総合点★★★★☆ 4.5