オーナーシェフはニース生まれのデビッドセニアさんで、この前までザリッツカールトン大阪のメインダイニング"ラベ"の一番偉い人。奥様は日本人で、リッツ主催の料理教室で知り合ったそうな。
私は平日昼間にスーツ着てひとりでカウンター席だったので 「あなた、料理人でしょ?ちがう?でも同業でしょ?」やっぱひとり客は怪しいのか。
「名前は?○○(私のファーストネーム)ね!今日はキミがVIPだ!おう、みんな、いいか?○○さんだ。うまいもんつくるぞ!」 みたいな感じでのっけから超盛り上げてくれます。スタッフの皆さんが入れ替わり立ち代り「ヨロシク!」と握手しに来てくれたり。このカウンター席、最高だったなぁ。オープンキッチンに面してるから、フレンチのフルコースが作られていく過程が全部見えるのが新鮮。
ほぉ、と思ったことは
- 下ごしらえ命。開店前にほとんど料理ができている。
- シェフが盛り付けの見本を作って、その通りに弟子たちがピンセットで盛り付けていく。
- シェフはあまり調理をしない。総指揮という感じ。指示をすごく出している。(もちろん下ごしらえで一杯作っているのかもしれませんが)
- パティシエは完全分業/永世中立。シェフもあんまり口出ししない。
- 超体育会系。「さっさとしやがれ!ドゴッ!(蹴った音)」とか普通。
食べるタイミングが難しい。他のテーブルの皆さんは盛られた皿をスタッフが運んできていただきます。しかしカウンター席の私はデカいお皿をゴトっと置かれて、シェフであるデビッド本人がソースでお絵かきしながら盛り付けを進めて行きます。「これなー割とウマい魚なんだぜ。ホレ。あーいいよそのまま食べて」みたいな感じで調理途中のボールの中からスプーンで味見させてくれたりします。
「おい、いいか。この席はあっちのテーブルから見えないから特別にキャビアを大盛りにしといてやる。バレないように食べるんだぞ。」ってなことでこんなに山盛りしてくれて、大満足で食べていたんですが、「え、マジ?もう食べた?あーもうまだソースかけてなかったのに!あー、もう!しゃーねーなーもう一個作ってやるよ~」 ってな感じで2つ食いしてしまいました。
ちなみにソースかかってるほうが3倍ぐらいうまかったです。料理って不思議。
しかし彼の色彩感覚や創造性にはほんと脱帽。
最初冗談でグルグルお絵かきしているのかと思いきや、、、
完成形はこんなに素敵なお皿に仕上げてきます。美味しい料理は時間とお金をかければ誰でも作れるけど、こういうアートなお皿は私が100回生まれ変わっても創れないですね。
ちなみにこのキャビアは「ちょっと余ったからあげる」とのこと。
「○○は結婚してないの?来年!?どこで挙げるの?」という話の流れで大阪のリッツだよと答えたのですが、「おー、オレの前の職場じゃん!いいねいいね。あそこは良いホテルだよ。働いてて気持ちよかった!みんなによろしく言っといてなー!」とのこと。従業員が誇りを持てるってのは良いことだ。
「フランス来たことある?パリだけ!?全然ダメ。パリなんて良いとこないよ。南仏が超おすすめ」と、パリをボロクソに言ってました。来年モナコに行く予定なので、ついでに足を伸ばしてニースまで行ってみようかしらん。
次々と供される料理たち。おいしい!と伝えると、「Yeah!! Give me five!!」とハイタッチ。ノリノリです。作り手からしても、客の反応を直に感じられるので、カウンター席ってのは良いかもしれませんね。コーヒーにアイス入れてくれたり、メロンをメガ盛してくれたりと、何かとオマケが多い席で相当満腹になりました。
「○○今日はホントにありがとう!これ、お土産のパンね。あと名刺。ケータイ書いてるから何かあったら電話して!」好かれたみたいで私もとても嬉しい。地階にあるのにわざわざ外まで見送りに出てくれて、何度も何度も握手して下さいました。うーん、いい思い出!
日英仏のちゃんぽんでの会話でしたが、言語なんて関係ありませんね。いただきます。おいしい。ごちそうさま。これだけ伝われば充分。
とにかく楽しく、美味しいお店。超オススメ。特にカウンター席。大阪帰る度に絶対行くぞー!
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従業員の面接を、宿泊客と同様にもてなすリッツ・カールトン。ドアマンとピアノの生演奏が志願者を迎えるとか冗談みたい。そりゃあ凄いサービス集団が生まれるわけです。
レストラン デビッド・セニア