高級レストラン"また行きたい"偏差値【2026年最新版】

  • フレンチ イタリアン 中韓焼肉 和食 その他 
  • 私の主観的な"また行きたい"偏差値です。味や店の優劣ではありません。


高級レストランでナメられないためのマナー集

高級レストランには一種独特の雰囲気があります。「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じる方が多いかもしれませんが、その通り、店は客のことを値踏みしています。

「お客様は平等に扱う」なんてのは大ウソです。レストラン業界には『ソワニエ(大切におもてなしするべき客)』という言葉があるくらいであり、一流の客や金払いの良い常連・重い客に対しては恭しく接し、どう見ても場慣れしていない一見客に対しては、人間だもの、おざなりな対応になるものです。

そこで、「高級レストランにあまり行ったことは無いが、ナメられたくはない」と考えるワガママな貴方のために、高級レストランにおけるマナーを整理しました。結構な長文となってしまったので是非ブックマークして頂き、必要に応じて読み返して頂けると幸いです。

Tango Pub Bar Restaurant(タンゴ パブ バー レストラン)/ヴィエンチャン(ラオス)

ヴィエンチャンの食文化を語る上で、フランスによる保護国時代のあゆみは無視できない要素ですが、「Tango Pub Bar Restaurant(タンゴ パブ バー レストラン)」ようなビストロ形式のレストランも、その文化的遺産の正当な継承者として機能しています。オーナーはフランス人で、ヴィエンチャンの中心地・ナイトマーケットすぐ近くに位置します。
「Pub Bar Restaurant」とありますが、実態はブラッセリーのような雰囲気。木材を多用した内装と暖色系の照明によって構成されたダイニングに加え、欧米のカフェ文化を踏襲したテラス席の用意もあります。欧米人の殆どはテラス席に座っていましたが、私は蚊に刺されるのを避けて店内奥に引きこもりました。
アルコールにつき、ビールなどは周辺相場よりもやや高めであるものの、それでも1杯400-500円程度なので大勢に影響はありません。他方、ワインなどは地代と人件費が影響してか、ド輸入品であるにも関わらずパリや東京よりも控えめな価格設定です。
シャルキュトリー盛り合わせ。山ほど盛り込まれて3千円を切るのだから恐れ入る。塩気が効いた生ハム、スパイスの香るサラミ、肉の旨味が詰まったパテなど、ひと口ごとに異なる食感と味わいを楽しめます。4人ぐらいで食べてちょうどよいボリューム感です。
なお、シャルキュトリの塩気はかなり強めであり、ワインやデフォで用意されるパンと合わせて楽しむと良いでしょう。とは言えパンのレベルはパっとせず、ルアンパバーンの「THE APSARA RIVE DROITE(ジ アプサラ リヴ ドロワト)」で食べたものは本当にレベルが高かった。
3種のヤギチーズのサラダ。ヤギの乳から作られるシェーブルチーズを主役に、と思いきやベーコンの量がとんでもない。この料理はもちろん後続の料理もボリューム満点なので、ちょっと注文し過ぎたかもしれません。なお、シェーブルは酸味のある爽やかなコクと独特の香りを保持しており、フランスから輸入した上できちんと管理していることが伺えます。
鴨の胸肉はマンゴー蜂蜜ソースで楽しみます。鴨は程よく脂が乗り、濃厚なコクがあるのが特長的。そのしっかりとした脂の旨味を、マンゴーのトロピカルな酸味と蜂蜜のまろやかな甘みが包み込む甘じょっぱいハーモニーで楽しみます。

添えられたラタトゥイユも山盛り。水をほとんど使わず、野菜自身が持つ水分と旨味だけで煮詰められているため、トマトの凝縮された酸味と野菜の自然な甘みが濃厚に絡み合います。ラタトゥイユとパンだけで立派なランチになりそうだ。
こちらはバヴェットステーキ。牛のハラミやカイノミに近い、横隔膜周辺のお肉です。日本の霜降り肉のような脂の甘さではなく、赤身特有の力強い肉の味をダイレクトに楽しむスタイルであり、噛めば噛むほどに繊維の間から濃厚な旨味と肉汁が溢れ出します。適度な弾力があり、「肉を喰っている」という野性的な満足感が格別。

付け合わせはドフィノワ 。フランス南東部ドフィネ地方の郷土料理で、平たく言えば「ジャガイモのクリームグラタン」でしょうか。表面の焦げたクリームの香ばしさと、中のホクホクとしたジャガイモの優しい甘み、そして食欲をそそるニンニクのアクセントは、シンプルながらも存在感抜群の旨さです。
これだけ満喫して、支払いは一人4〜5千円ほど。内陸国とは思えない食材の質と、フランス人オーナーによる本場の味付け、そしてラオス価格。これらが見事に融合した、非常に使い勝手の良いお店です。ヴィエンチャン滞在中、現地の味に少し疲れた時や、ガツンと肉とワインを欲した夜に、間違いのない選択肢となるでしょう。

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山為食堂(やまためしょくどう)/和歌山市駅

一般的に和歌山ラーメンは、醤油ベースの透き通ったスープを特徴とする「車庫前系」と、豚骨醤油の白濁したスープを特徴とする「井出系」に大別されますが、その二項対立の図式には収まりきらない独自の進化を遂げているのが「山為食堂(やまためしょくどう)」でしょう。

昭和28年(1953年)創業の歴史あるお店で、元々はうどん屋としてスタートしましたが、現在は中華そば(和歌山ラーメン)が看板メニューであり、食べログでは百名店に選出されています。
昭和の趣を残す店内。意図的に作られたテーマパーク的なレトロさではなく、50年以上の歳月が堆積した結果としての真正な歴史性を感じさせます。店の隅にカウンター席がいくつかと、テーブルが数卓あって、トータルでは30席ほどでしょうか。平日の開店と同時に地元民で席を埋める人気っぷりには舌を巻きます。
私は単品1,300円の「チャーシューメン」を注文しましたが、他のゲストは皆「ライス」と一緒に注文していました。分厚いチャーシューを白ゴハンにバウンドさせて食べるスタイルが王道のよう。和歌山ラーメンのシンボルであるカマボコは茶色いスープの中での視覚的なアクセントになります。
チャーシューは豚バラ肉をじっくり煮込んだトロトロの柔らかさが最大の特長であり、 醤油ベースのタレが中までしっかりと染み込んで濃厚な味わい。厚切りでボリュームがあり、甘味も強い。なるほどこれはライスと一緒に楽しみたい。
スープは骨粉を感じるほどの超濃厚豚骨醤油。レンゲが沈まないほどに粘度が高く、クリーミーでドロドロとした口当たりですが、後味は意外とあっさり。醤油ダレ(カエシ)もしっかりと効いており、豚骨の野性味あふれる旨味とぶつかりますが、骨髄から抽出されたゼラチン質と脂質が高度に乳化しており、全体は丸く収まっています。
一般的な和歌山ラーメンは細めのストレート麺が主流ですが、当店はスープに負けない極太ストレート麺。うどんに近いほどの太さとコシがあり、モチモチとした弾力が魅力的。スープのとろみがよく絡み、咀嚼する喜びを提供してくれます。
美味しかった。「井出商店(いでしょうてん)」「清乃(せいの)」も美味しですが、それらとはまた違った魅力があり、うどん等メニュー構成を含め独自路線を突き進む名店と言えるでしょう。次回はおなかを空かせてライスも一緒に注文するんだ。

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ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化し◎〇△×と記した

年間を通じて外泊が多いので、ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化しました。

◎〇△×と記していますが、これは私が滞在した時点における感想であり、価格や為替の変動、混雑度合い、当時のスタッフの対応など偶然に因る部分も多いので、話半分に捉えてください。また、ハイアットやヒルトンは最上級会員であり、ひらまつは株主なので、素で予約する場合とは対応が異なるかもしれません。

費用対効果も重要視しています。お金に糸目をつけないお金持ちの方々とは観点が異なることをご承知おきください。

ところで、私は子連れ客とそれをコントロールできない宿泊施設を憎んでおり、そういった客層が支配的なホテルは自然と△や×が多くなります。しかしながら、これは見方を変えれば家族旅行に向いたホテルを選ぶ指標となり得るかもしれません。


【ハイアット】
<北海道>

<関東>
△:ハイアットリージェンシー東京ベイ

レンゲ エキュリオシティ(Renge equriosity)/銀座

2009年に新宿で旗揚げし、2015年に銀座に移転し10年の歴史を育んだ「レンゲ エキュリオシティ(Renge equriosity)」。「ヌーベルシノワ(新しい中華)」あるいは「イノベーティブ・チャイニーズ」の旗手として評判を集め、食べログではシルバーメダルならびに百名店に選出されています。
店内はバーやサロンを彷彿とさせるモダンな内装。赤や金、龍のモチーフといった、いわゆる中華料理店らしさは排除されています(写真は公式ウェブサイトより)。最大の特徴は客席と一体化したフルオープンキッチン。ステンレスの厨房と木のカウンターの対比が美しく、調理の熱気や香りをダイレクトに感じるライブ感が魅力です。

西岡英俊シェフは新宿御苑「シェフス(CHEF'S)」で日本の上海料理界の重鎮であるムッシュ王恵仁に師事したのち2009年に独立したそうです。
アルコールにつき、ビールは千円を超え、グラスワインは2千円からと、この手のレストランらしい値付けです。あまりガバガバ飲む気が起きないようなガバナンスがきいている。まあ、銀座ですし、こんなものと言えばこんなものでしょう。
飲み物と共にスっと先付が出てきました。左奥は毛蟹、右手前は冬牛蒡のひと口春巻きでで、揚げたてでパリッとはじける極薄の皮を噛み締めます。熱々の毛蟹の甘みと土の香りを纏った力強い牛蒡の風味の対比が心地よく、シャンパーニュが進む逸品です。
前菜盛り合わせ。冷菜と温菜が織りなす味覚のパレットのようなひと皿で、とりわけクワイが美味。独特の苦味と食感を持つクワイに、中華スパイスの代表格である五香粉をまぶして揚げることで、スナック感覚の中にエキゾチックな風味を閉じ込めています。これまでクワイと言えばオカンのおせち料理ぐらいでしか食べた経験がなく、オカンには申し訳ないがその3倍は旨かった。
薬膳スープ。烏骨鶏やスッポンといった滋養強壮に良い食材と、金華ハムや干し貝柱の乾物から抽出された旨味が何層にも重なり合っており、身体に染み渡るような透明感があります。薬膳といっても漢方特有の癖はなく、飲むほどに身体が芯から温まり、胃腸が整うような、優しくも力強い味わいです。丼いっぱいで飲みたいくらいだ。
伊勢海老と雲丹の麻婆豆腐。通常の挽肉の代わりに、伊勢海老の弾力ある身と濃厚な味噌、そして雲丹のクリーミーな甘みを用いており、これは果たして麻婆豆腐と呼んでよいものかと疑うほどチートな旨さです。辛味は控えめで、辛いものを食べるための料理ではなく、スパイスを通じて素材の良さを引き立てる料理とも言えます。
ハタの香り蒸し。広東料理の真髄である「清蒸(チンジョン)」で、魚が持つゼラチン質と白身の弾力を上手く引き出しています。上からかけられた醤油ベースのタレが実に香ばしく、白髪ネギや生姜のかおりと共に食欲を刺激します。ある意味では日本料理に近い風味があり、日本人の琴線に触れる味わいです。
メインの肉料理は黒毛和牛。しっかりと脂がのっているのですが、山椒のフレッシュな痺れと柑橘系の爽やかな香りが効いているため、和牛の脂を決して重く感じさせません。肉の濃厚な旨味を山椒がキリッと引き締め、余韻には爽快感が残る、コースの終盤でもペロリと食べられてしまう洗練された肉料理です。この軽やかさの実現はフランス料理界隈も見習うべき調理でしょう。
コースの締めくくりに大山地鶏そば。 具材を削ぎ落とし麺とスープだけで勝負するスタイルです。スープは雑味のないクリアな味わいで、鶏のピュアな旨味と甘みが凝縮されており、塩味は角がなくまろやか。 細めのストレート麺がその繊細なスープをたっぷりと持ち上げ、するたびに鶏の香りが広がります。やはり日本料理のような引き算の美学を感じる一杯です。
デザートは洋菓子のような外観。泡(エスプーマ?)は和三盆を用いており、口に入れた瞬間にシュワっと消え、上品で優しい砂糖の甘みだけを残します。底には「紅まどんな」とそのゼリーが敷かれており、柑橘の爽やかな酸味と和三盆の繊細な甘さが旨く溶け合います。
ライチの風味をきかせたお茶でフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上のランチコースが1.5万円で、酒やらお茶やらサービス料を含めてお会計はひとりあたり2万円といったところ。銀座という立地と料理の質を考えればリーズナブルな価格設定であり、次回はディナーを試してみたいなという期待を抱かせてくれました。雰囲気もサービスもバッチリで、接待に使うのも良さそう。次回はおぢを連れてお邪魔したいと思います。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。

本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたい方へ捧ぐ書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。ある意味では中国旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。

PVO Vietnamese Food(ピーヴィーオー ベトナミーズ フード)/ヴィエンチャン(ラオス)

ラオスの首都ヴィエンチャンはフランス植民地時代の名残と隣国ベトナムからの影響が強く、食文化を語る上でベトナム料理の存在を無視することはできません。市内には無数のベトナム料理店が存在しますが、「PVO Vietnamese Food(ピーヴィーオー ベトナミーズ フード)」はその中でも「バインミー(ベトナム風サンドイッチ)」の代名詞として君臨しています。
営業時間はアバウト。基本的に朝から昼過ぎまでの営業で売り切れ仕舞いと理解しましょう。最も混雑するのは正午前後であり、地元の人々がランチに押し寄せるため相席は避けられません。我々は10時頃にお邪魔したため朝のラッシュは終わっており席に余裕がありました。店は観光客慣れしており基本的な英語での注文は問題なく、お手洗いを含めてとても清潔です。「LOCA Pay」などのQRコード決済に対応しているのも嬉しい。
ラオスはフルーツ天国なので、フレッシュジュースやシェイク(スムージー?)がとても安価。パッションフルーツの生の果肉を贅沢に用いており、強い香りと鮮烈な酸味を楽しみます。
定番のゴイクン。ベトナム風の生春巻きであり、ライスペーパーは程よく湿り気があり、特有のもちもちとした食感が楽しめます。中にはたっぷりの生野菜と海老が組み込まれており、サラダ感覚で楽しめるのが嬉しい。添えられたピーナッツソースの味噌のような甘じょっぱいコクがフレッシュな野菜や海老の甘みを引き立てます。
看板メニューのバインミー。フランス植民地時代の影響を色濃く残すバゲットがバリ旨い。、外側はサクサクで香ばしく、中はふんわりと軽い食感。具材の主役は濃厚な旨味が凝縮されたレバーパテ。そこにハムや豚肉の塩気、そして甘酸っぱい「なます(大根と人参の酢漬け)」、キュウリ、フレッシュなパクチーがたっぷりと挟まれています。 パテの濃厚なコクと野菜のシャキシャキ感が堪りません。
バインセオ。いわゆるベトナム風お好み焼きであり「ジュージューと焼ける音」を意味します。生地は米粉にココナッツミルクとターメリックを混ぜて作られており、油で揚げ焼きにすることで縁はパリパリ、中心部分はもっちりとしたコントラストのある食感に仕上がっています。生地の中には、豚肉、海老、もやしがたっぷりと含まれており、添えられた大量のレタスや香草と共に頬張ります。油のコクを大量の野菜がさっぱりと中和し、いくらでも食べられる味わいです。
「Fish Noodle Soup」とあったので、恐らく「カオ・ピヤック・パー」というラオスの伝統的な麺料理でしょう。スープには魚介の出汁がきいており、 生臭さはないもののコッテリとした旨味が身体に染み渡ります。麺は米粉とタピオカ粉を用いており、モチモチとした弾力とつるりとした喉越しが印象的。白身魚の切り身もたっぷりと入っており、ライムを絞って食欲をそそる味わいです。味が濃厚な分、昨日食べた「Khao Piak Sep(カオピアック セープ)」よりもこっちのほうが私はすち。
以上の総額が2,700円と信じがたい費用対効果です。ボリュームも大きく、とりわけバインミーはスモールとラージの2択ですが、ラージだと普通に倍量(バゲット1本分)で提供されるので、無事満腹で動けなくなります。

「ラオスに来てまでベトナム料理?」と敬遠される方もいるかもしれませんが、PVOはもはやこの街の食文化の一部です。本場ベトナムにも引けを取らない、いや、もしかするとそれ以上に親しみやすく洗練された味わいがここにはあります。ヴィエンチャン滞在の必修科目として、ぜひ旅程に組み込むことを強くおすすめします。

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潤旬庵(うりずんあん)/栄町(那覇市)

栄町エリアにある「潤旬庵(うりずあん)」。ゆいレール安里駅から歩いて3分ほどの場所にあり、いわゆるセンベロの聖地ではありますが、市場の喧騒からわずかに距離を置いた場外に位置しているため独自のポジションを確保しています。
店内はカウンターに5-6席にテーブルが2卓のみ。地元のゲストが多く、騒がしいグループを物理的に排除し、店主の管理可能な範囲で質の高いコミュニティを維持している印象を受けました。また、鮨も提供しているためカウンターにあるネタケースが組み込まれているのが印象的です。
アルコールは安く、ひとくち生ビールは150円に瓶ビールは600円。その他のお酒も500円かそこらであり、気持ち良く飲み進めることができます。
立派なお通しが出てきます。黄金色に輝くスープが素晴らしく、魚のアラや骨からじっくりと時間をかけて美味しいところ抽出しているのか、素材本来の甘みとコクが際立っており、空っぽの胃袋に優しく染み渡ります。酒を飲む前に胃を温め、整えてくれる、まさに「飲む胃薬」とも呼べる極上のスターターです。
海鮮サラダ。新鮮な葉物野菜を山のように盛り付け、旬の地魚をたっぷりと組み込みます。それぞれの食感の違いがひと口ごとにリズムを生み出し、たっぷりのドレッシングは野菜のみずみずしさと刺身の脂の甘みを巧みに繋ぎ合わせています。
アンキモ。舌の上に乗せると体温でゆっくりと脂が溶け出し、まったりとしたコクが口内全体を支配します。その濃厚さを引き締めるのがポン酢の酸味と紅葉おろしのピリッとした刺激。酒のペースがついつい早まってしまう危険なひと品です。
てびち。沖縄料理の定番でありながら、当店のそれは実に洗練されています。豚足特有の獣臭さは微塵も感じられず、プルプルとした皮とゼラチン質のコラーゲンがとろりと溶け、唇が張り付くような濃厚な食感を楽しめます。スープからもトロリとした口当たりを楽しむことができ、食べたそばから肌が潤うような感覚に陥ります。
魚のアラ煮。魚の最も脂が乗って美味しい部位を用い、骨の髄から出る旨味を煮汁に閉じ込めています。甘辛い煮汁はこっくりと濃厚でありながら後味のキレが良く、魚の身をふっくらと引き立てています。特筆すべきはその旨味をたっぷりと吸い込んだ豆腐であり、魚以上に主役級の働きを務めています。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は5千円ほど。形式上は居酒屋でありながら提供される料理の質や技術においては割烹レベルであり、信じがたい費用対効果と言えるでしょう。また、このあたりはセンベロ文化の聖地であるものの、当店は食事を楽しむ場としてのアイデンティティを保持しており、静かに飲めるとても良い雰囲気を醸し出しています。次回は鮨も食べてみたい。いや、「〆の沖縄そば」も捨てがたい。

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