高級レストラン"また行きたい"偏差値【2025年最新版】

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  • 私の主観的な"また行きたい"偏差値です。味や店の優劣ではありません。


【保存版】高級レストランでナメられないためのマナー集

高級レストランには一種独特の雰囲気があります。「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じる方が多いかもしれませんが、その通り、店は客のことを値踏みしています。

「お客様は平等に扱う」なんてのは大ウソです。レストラン業界には『ソワニエ(大切におもてなしするべき客)』という言葉があるくらいであり、一流の客や金払いの良い常連・重い客に対しては恭しく接し、どう見ても場慣れしていない一見客に対しては、人間だもの、おざなりな対応になるものです。

そこで、「高級レストランにあまり行ったことは無いが、ナメられたくはない」と考えるワガママな貴方のために、高級レストランにおけるマナーを整理しました。結構な長文となってしまったので是非ブックマークして頂き、必要に応じて読み返して頂けると幸いです。

辻屋(つじや)/関(岐阜)

岐阜は関にある創業160年以上の老舗うなぎ専門店「辻屋(つじや)」。江戸時代から続く名店であり、ミシュランではビブグルマンとして選出されています。平日であっても連日の満員御礼ですが、2023年に店舗を拡張し、行列の長さはマシになったようです。
店内は旧エリアと新エリアに分かれており、前者はお座敷、後者はイスとテーブル席。後者のほうが明るい雰囲気でキレイなお庭も楽しめるため、どちらかを選ぶことができるのであれば、私は後者をお勧めします。
私は「上蒲焼ご飯定食」を注文。五切れ入り蒲焼と鯉の刺身、鰻巻、肝吸、奈良漬けにメロンが付いて 5,650円です。
まずは鯉の刺身。コリコリとした独特の食感が楽しく、淡白でクセのない味わい。鯉って普段はオマケの惰性で注文することが多い料理ですが、当店のそれは存在感を主張する味わいであり、この日もっとも記憶に残ったひと品です。
肝吸。鰻の肝を香ばしく焼き、澄んだスープに三つ葉と共に楽しみます。あっさりながら肝のコクとほのかな苦みが深みを生みます。量もたっぷりだ。
鰻は関西風で、高温の炭火焼きにより、皮はカリッと身はふわっとした食感。タレは強い醤油味とザラっとした甘味にパンチを感じます。
白ごはんは粒立ちの良い仕上がりで、程よく硬くべたつかず、蒲焼と合わせて食べるにピッタリです。量もデフォでお茶碗2杯分近くはあり食べ応え充分。厚めに切られた琥珀色の奈良漬けと共に、純ジャパな美味しさです。
ちなみに丼スタイルで注文すると、ゴハンにたっぷりのタレを放出してくれます。蒲焼ご飯は魚料理を食べている印象が強いですが、丼だと途端に鰻らしさが際立ってきました。
デザートにメロン。このメロンが中々、いやかなり旨くって、鰻丼のオマケとしては最上位のクオリティでしょう。ジューシーで甘み豊かな果肉が心地よく、その瑞々しさが鰻の濃厚な味わいをさっぱりと締めくくります。
美味しかった。もちろん「う嵐」のように唯一無二の最上級品というわけではありませんが、この価格でこのクオリティであれば大したものです。観光地にありながらそれほど行列しなくて済むのも良い(我々は土曜日で5-10分ほどの待ち)。関へ訪れた際には是非どうぞ。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

蕎麦割烹 倉田(くらた)/武蔵小山

武蔵小山駅から徒歩3分、日本料理と手打ち蕎麦を提供する「蕎麦割烹 倉田(くらた)」。ミシュランではビブグルマンに選出されています。黒塗りの外観が超クールです。
店内はカウンター7-8席に加え、テーブル席がいくつか(写真は一休公式ページより)。地元の常連客が殆どで、今夜はちょっと旨いもんでも食べに行くか!的に朗らかな雰囲気に満ちています。

倉田政起シェフはミシュラン1ツ星「日本料理 神谷」で腕を磨いたのち、当店を開業。料理人のコンペティション「RED U-35」でGOLD EGGを受賞するなど、日本料理界隈では高い評価を受けています。
土地柄を反映してか酒は高くなく、瓶ビールは千円を切り、日本酒も1合千円強といった程度です。しかもこれは本当に1合なのかと不安になるほど気前よく注いでくれ、四捨五入するとユートピアです。
我々は13,500円のコース「白蓮」を注文。まずは白海老とヤングコーンの天ぷら。富山湾産の白海老は甘みと旨みが強く、プリッとした食感が心地よい。ヤングコーンは若々しい甘さとシャキッとした歯応えが魅力的。薄衣でカラリと揚げられ、白海老の繊細な風味とコーンの瑞々しさが引き立ちます。
トウモロコシに葛粉を混ぜて固めたものでしょうか。モチモチとした口当たりにトウモロコシの甘味が際立つ。添えられたゴボウの風味も力強い。小鉢には茄子とジュンサイが用意され、独特なヌメリとプルンとした弾力が、爽やかなアクセントを加えます。
お鮨も出ます。左から本マグロのトロ、メジマグロ、ヒラメの昆布締め。いずれも丁寧な仕上がりで、反社が金に飽かせて行く鮨屋の存在意義に一石を投じるクオリティです。
ハモは蕎麦のお出汁で楽しみます。骨切り済みのハモは湯引きでふわっとした食感に仕上り、繊細な昆布と鰹の出汁がハモの繊細な旨みを引き立てます。十割蕎麦がチョロっと敷かれ程よいアクセントに。
カツオのたたきは玉ねぎポン酢で頂きます。カツオの表面を香ばしく炙り、しっとりした赤身と脂の旨みが堪らない美味しさ。玉ねぎのほのかな辛みとポン酢の酸味がカツオのコクを底上げします。
お造りはアオリイカ、ホタテ、ムラサキウニ、本マグロ。素材の良さはもちろんのこと、添えられた海苔のソースが素晴らしいですね。香ばしい海苔の風味を愉しみつつ、ほどよく酸味も感じられ、夏の清涼感を演出する上品な仕上がりです。
揚げ物は江戸前の穴子。薄衣でサクッと揚げ、香ばしさと柔らかな食感を引き出します。ソースはニラ味噌で、ニラの鮮烈な香りと味噌のコク、ほのかな甘みが調和します。正直なところ、専門店の「てんぷら近藤」の穴子よりも全くレベルが高いです。
トウモロコシのかき揚げ。トウモロコシの濃厚な甘みと粒の弾ける食感が魅力的。小粒ながらも夏の旬をシンプルに楽しむ存在感のあるひと品です。
仙台牛のサーロインはすき焼き仕立てで楽しみます。霜降りのきめ細かな脂が口でとろけ、卵黄で一層まろやかに。スモーキーな薫香風味で牛肉のコクを際立たせる仕掛けも見事です。
〆のお食事は自慢の十割蕎麦。北海道と長野の蕎麦を食べ比べで楽しむことができ、十割の力強い香りが食欲をそそります。蕎麦を日本料理の広範な文脈の中で捉え、その可能性を最大限に引き出しているのが素晴らしい。
デザートは黒蜜のかき氷。濃厚な黒蜜の甘味に加え赤紫蘇のシャーベットはの爽やかな香りと酸味が清涼感を添え、かき氷の甘さを引き締めます。
以上を食べ、気前よく飲んでお会計はひとりあたり1.7万円。六本木や銀座であれば2-3倍は請求されるクオリティであり、大大大大大満足。店主はもちろんスタッフのみんなたちの感じも良く、なるほど地元民に強く支持される理由がよくわかりました。今度はランチに蕎麦をたっぷり食べに来ようかな、いや、ディナーのアラカルト注文も捨てがたい。選択肢の広さも含め、実に魅力的な日本料理店でした。

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日本料理は支払金額が高くなりがち。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの日本料理ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い日本料理なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

くろぎのおかず [ 黒木 純 ]
価格:1,650円(税込、送料無料) (2024/1/20時点)

黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。

アピアチェーレ(apiacere)/牧志(那覇)

パラダイス通りに位置するイタリアン「アピアチェーレ(apiacere)」。国際通りはホテルJALシティ那覇の裏手に位置します。ちなみに「パラダイス通り」は正式には「ニューパラダイス通り」と呼ぶそうで、戦後「ニューパラダイス」という名前のダンスホールがあったことに由来します。これ豆な。
店内はカウンターに3-4席とテーブルがいくつか。シェフのワンオペであり、店名の「apiacere(気まぐれ)」の通り、食材の好みやお腹の減り具合などを相談しながら、その日の料理を決めていきます。
グラスワインは700円~と親しみやすいラインナップ。ワインについても好みを伝えればグラスワインとしてボトルを開けてくれます。酒飲みに優しい店です。
前菜の盛り合わせ。その日の美味しいところを色々と盛り込んでくれて嬉しい。軽めの白ワインが捗ります。
フリットも食材は固定化されておらず、この時はキスにズッキーニにインゲンに空豆。サクッとした衣で素材の風味が引き立ち、調味なシンプルな塩味ながらワインとの相性が見事です。
この日の手打ちパスタはカバティエッリ。もちっとした食感と素朴な小麦の風味が特長的で、たっぷりの魚介と共に楽しみます。貝類の旨味と良く合い、シンプルながら奥深い味わいです。
シマダコの煮込み。柔らかく煮込まれたタコは噛むほどに旨味が溢れ、トマトの甘酸っぱさが絡みます。これはワインの最高のお供だなあ。こういうツマミを自宅の冷蔵庫に常備したい。
お腹の膨れ度合いを伝えると、お肉は少量でご用意頂けました。エゾジカの赤身の鉄っぽいニュアンスと赤ワインとの調和が堪らない。深い旨味とほのかな野性味も心地よく、お腹ぽんぽんでフィニッシュです。
以上を食べ、けっこう飲んでお会計はひとりあたり1万円ほどとリーズナブル。何よりゲストの要望を聞きながら自由自在に対応してくれるのが素晴らしいですね。近くのゲストの注文状況に「あ、それ私も食べたい」と乗っかることも可能であり、セレンディピティに満ちたレストランでした。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。

Nancy-南希-(ナンシー)/目黒

目黒駅前の魔窟「サンフェリスタ目黒」の地下1階に入居する「Nancy-南希-(ナンシー)」。目黒界隈で勢いを増す株式会社ジリオンの経営であり、同じフロアには「酒場シナトラ」も入居します(写真は食べログ公式ページより)。
当店はカウンター席の立ち飲み中華というコンセプト。「サンフェリスタ目黒」におけるハシゴ酒の文化に最適化されたビジネスモデルかもしれません。ネットから予約も可能ですが、皆、フラリと立ち寄って来るゲストが殆どで、詰めれば何とか入れるでしょうという使い勝手の良さがあります。
生ビールは600円と、このあたりの飲み屋としては悪くない価格設定です。個人的にはコエドが800円で提供されているのが嬉しい。その他、サワーやハイボール、日本酒やワインも1杯600-1,000円のレンジに落ち着いていました。
まずは「酔っ払い海老タルタル」。恐らく甘海老を紹興酒に漬け込んだものであり、ネットリと官能的な舌触り。酒に漬け込みつつ酒が進むという悪魔的なひと品です。
和牛モモ肉とハツのユッケ。和牛のモモ肉とコリッとした食感のハツが織りなす肉の旨みに、青唐辛子のピリッとした爽やかな辛さと、豆鼓の深いコクと香ばしさが溶け合います。卵黄も配され滑らかな口当たり。単なる辛さだけでなく、複雑で奥行きのある味わいです。
ロメインレタスの塩旨煮。熱を入れつつもシャキシャキとした食感が残っており、塩味ベースにした優しい旨味が溶け込んだ味わい。ロメインレタスはシーザーサラダで食べることが殆どなので、新大陸を発見した気分です。
帆立と白菜の揚げ春巻き。その名の通りの春巻きで普通に美味しいのですが、これだけで800円というのはちょっと高く感じました。もう少し課金すれば恵比寿「TiTi(ティティ)」の「ホタテ貝のゲキウマ春巻き」にありつけることを考えると、色々と思うところがあります。
鴨団子。鶏肉に比べて脂の旨味が強く、独特の風味が感じられます。そこに黒酢の独特な酸味と深みのある味わいが調和し、非常にバランスの取れた味わい。サイズも中々のものであり、これで900円というのは納得感があります。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は5千円と少し。ひとつひとつの料理は美味しいのですが、それぞれのポーションは小さく、本気で食べれば8千円近くを要する気配。これだと恵比寿「ルポン(le pont)」自由が丘「起率礼(きりつれい)」のほうに分があるように感じてしまいます。とは言え、立地を考えればこんなものかもしれません。0次会や2次会など、サクっと飲みたい場合にちょうど良い。週末は15時から26時まで開いており、使い勝手は二重丸。

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目黒は焼鳥やトンカツ、カレーにラーメンと生活に密着した飲食店が多く、そのいずれのレベルも高い。地味ですが豊かな食生活が約束されている街です。
市や区など狭い範囲で深い情報を紹介する街ラブ本シリーズ。2015年の『目黒本』発売から約4年の年月を経て、最新版が登場!本誌は目黒に住んでいる人や働いている人に向けて、DEEPな目線で街を紹介するガイドブックです。