高級レストラン"また行きたい"偏差値【2025年最新版】

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  • 私の主観的な"また行きたい"偏差値です。味や店の優劣ではありません。


【保存版】高級レストランでナメられないためのマナー集

高級レストランには一種独特の雰囲気があります。「なんだか店に値踏みされているようで居心地が悪い」と感じる方が多いかもしれませんが、その通り、店は客のことを値踏みしています。

「お客様は平等に扱う」なんてのは大ウソです。レストラン業界には『ソワニエ(大切におもてなしするべき客)』という言葉があるくらいであり、一流の客や金払いの良い常連・重い客に対しては恭しく接し、どう見ても場慣れしていない一見客に対しては、人間だもの、おざなりな対応になるものです。

そこで、「高級レストランにあまり行ったことは無いが、ナメられたくはない」と考えるワガママな貴方のために、高級レストランにおけるマナーを整理しました。結構な長文となってしまったので是非ブックマークして頂き、必要に応じて読み返して頂けると幸いです。

てんぷら近藤(こんどう)/銀座

「東京で天ぷらと言えば?」という質問で、かなりの序盤で名前が挙がる「てんぷら近藤(こんどう)」。ミシュランでは2008年より2ツ星を維持し、食べログではブロンズメダルおよび百名店に選出されています。
なのですが、当店はもう、完全に常連向けのお店ですね(写真は公式ウェブサイトより)。流石はオバマ元大統領と安倍元総理の来店を断り既存の予約客を優先したことで話題になったくらいです。もちろん一見客やインバウンド客からの予約も受けてはいますが明らかに養分であり、シェフが付いてくれるかどうかで印象は大いに変わるお店でしょう。

近藤文夫シェフは名門「てんぷらと和食 山の上」で23歳の若さで料理長を務め、1991年に独立。2019年に天ぷら料理人として初の「現代の名工」、2023年に「メンターシェフアワード」を受賞しています。
酒の種類は少なく、ワインなどは一切置かれていません。隣の外国人ゲストに向けてはお冷だけでもOKなスタイルであり、あまりお酒で儲けるつもりは無さそうです。

サービスには難あり。給仕のオバチャンが常に背後を取っており、落ち着かないったらありゃしない。加えて何も言わずにいきなりニュっと背後から手を伸ばして皿や紙を下げてくるので、都合5-6回はぶつかりました。この価格帯の飲食店としては極めてサービスレベルが低いと言わざるを得ません。
お通しのゼンマイに続きお豆腐。ねっとりとした口当たりで仄かに甘い餡が伸びていきます。
前菜の盛り合わせ。バイ貝を煮たものが酒のツマミ度爆発なのですが、日本酒のラインナップが4種のみと寂しい。
さっそく天ぷらに入ります。まずは海老の脚を揚げたもの。カリカリとした軽快な食感が心地よく、薄い衣が海老の香ばしさと甘みを引き立てます。
海老は2本。シェフは天ぷらを「蒸し料理」と捉え、薄い衣で素材の風味を引き出すことをモットーとしているようです。身はレアに近い火入れでしっとりとしています。
ホワイトアスパラガス。当店は魚介中心で厚い衣が主流だった天ぷら業界に一石を投じ、特に野菜の天ぷらが充実しているのが特長です。やはり薄い衣でサクッと揚げており、中はジューシーで甘みが強い。
レンコン。その独特のシャキシャキとした食感が最大の魅力であり、揚げることでレンコンのデンプン質が甘みに変わり、ほのかな甘みと、独特の土っぽい香りが凝縮されます。
江戸前のキス。表面はカリッと軽やかで、中はふわっと。淡泊ながら甘みのある身は、噛むほどに繊細な旨味が広がります。
ヤングコーンは驚くほど甘い。揚げることでヤングコーンが持つ独特の青々しい香りはまろやかになり、本来の甘みがぐっと引き立ちます。瑞々しいプチプチとした食感も楽しい。
オクラ。新鮮なオクラを薄い衣でサクッと揚げ、表面はカリッと軽快、中はねっとりとした独特の食感が際立ちます。
アオリイカ。こちらはバリ旨い。繊細なタッチ、かつ、甘味も豊かであり、淡い薄衣で揚げるに最適な素材です。
ミョウガは全然美味しくありません。油を吸ってベタベタとしつこく、せっかくの風味が熱で吹き飛んでいます。やはりミョウガは生でシャキっと食べるのが一番なのかもしれません。
玉ねぎ。とろけるような甘みと、じゅわっと広がる旨みが印象的。ただ、確かに美味しいのですが、隣の外国人の「さっきから何故ベジタブルのフリットばっかり出て来るんだホワイ?」という怪訝そうな表情が忘れられません。
アナゴはヒョロリと細くヘナヘナ丸でパっとしません。対馬の定食屋で食べた1,500円のアナゴ定食のほうがレベルが高い。
スペシャリテのサツマイモ。直径10cmほどの円柱状に切り、30分以上じっくり揚げて甘みとホクホク感を引き出します。薄い衣はカリッと軽やかで、中はネットリと滑らか。これは旨い。唯一無二の味覚です。
ただ、これだけコースに含まれておらず追加料金という仕組みは感心しません。結局ゲストの全員が注文することは自明であり、まるで秋のトリュフハラスメントのようです。
お食事は天丼でお願いしました。この日のかき揚げは小柱で、かき揚げというスタイルからか衣は厚く、それでも結構旨いじゃんというお気持ちです。つまり私は衣が適度に厚い天ぷらを好むようです。
水菓子でフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は2.3万円。うーん、普通に美味しい天ぷらですが、野菜ばっかりで高杉晋作。スタッフの数も妙に多く、銀座の家賃と人件費が支配的です。

冒頭記した通り常連贔屓が露骨でもあるし、Z世代が頑張って予約する必要性は感じられませんでした。シェフが引退した後の世界が見えない。それでも行きたいという奇特な方は、必ず常連に連れて行ってもらいましょう。おつかれさまでした。

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天ぷらって本当に難しい調理ですよね。液体に具材を放り込んで水分を抜いていくという矛盾。料理の中で、最も技量が要求される料理だと思います。

てんぷら近藤の主人の技術を惜しみなく大公開。天ぷらは職人芸ではなくサイエンスだと唸ってしまうほど、理論的に記述された名著です。スペシャリテのさつまいもの天ぷらの揚げ方までしっかりと記述されています。季節ごとのタネも整理されており、家庭でも役立つでしょう。

大道CurryChan(だいどう カリーチャン)/大道(那覇)

那覇市大道(だいどう)にあるスパイスカレー専門店「大道CurryChan(だいどう カリーチャン)」。2024年の「沖縄カレーグランプリ」で特別賞を受賞した人気店であり、おもろまち駅から歩いて7-8分の住宅街にあります。
小さなラーメン屋のような店内で、カウンター席が中心とテーブル。カウンターには一蘭みたいな仕切りがあり、ゲストはおひとりさまが殆どです。店のおばちゃんの愛想が良く、満席で忙しいにも関わらず、ニコニコと気さくに話しかけてくれます。
メニュー構成は潔く、定番の「チキントマトカレー」と、その時のタイミングで提供される「その時カレー」のみ。ゲストの殆どは2種類を組み合わせた「あいもりカレー」を注文していました。あと何故かテイクアウト用に「おはぎ」も用意されています。
定番の「チキントマトカレー」。沖縄のカレーらしくスパイスを山ほど用いており複雑な味わい。それでいて辛味が尖っているわけではなく油も控えめで爽やかな味わい。鶏肉もゴロゴロと含まれており、肉そのものに深い調味がなされているのが良いですね。
ターメリックライスにはアメリカのお米を用いているそうで、適度にパラパラとした口当たりでカレーとのバランス感覚が程よい。副菜もたっぷりと盛り込まれており、そのいずれもからスパイスの風味がビンビンに感じられ、食べ進めるたびに食欲が増していきます。
あいもりの「その時カレー」は「アサリのクリーミースープカレー」でした。アサリをブレンダーにかけてクリーミーなスープにしているそうで、全体からアサリの風味が豊かに感じられます。葉野菜もたっぷりと含まれているのが良いですね。副菜のミルキーなマッシュポテトと合わせて食べるとこれまた絶品。
美味しかった。沖縄らしくスパイスを多用したカレーでありつつ、創作的な要素もあり、何度でも通いつめたくなる魔力のあるお店です。「ゴカルナ(Gokarna)」と並んで沖縄ではトップクラスに好きなお店。次回は「おはぎ」もテイクアウトしてみよう。味覚のセンスが抜群に良いので、甘味についても間違いは無いはずです。

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カレーにまつわる単語が辞典形式にまとめられ、知っていそうで全く知らないカレーエピソードがたくさん詰まっています。気合を入れてカレーを食べに行く前に目を通してから臨むと楽しさ倍増!

ステーキハウスデイズ (STEAK HOUSE Day's)/小禄(那覇)

旅行者の間ではあまり知られていませんが、地元民からの信頼の厚い古き良き「ステーキハウス スデイズ (STEAK HOUSE Day's)」。テレビでもたびたび取り上げられる人気店であり、小禄駅もしくは武山公園駅から歩いて5-6分ほどの場所に位置します。
店内は所謂カントリー調で、1階・メザニン・2階と3D感覚に溢れた設計です。とは言え席数は50程であり、ステーキハウスとしては小ぶりなほうかもしれません。
ステーキを注文すればプラス500円でサラダバーを付けることができます。キャベツやレタスだけでなく、パパイヤやセロリなど意思をもったラインナップ。サラダバーだけであれば900円で注文できるとのことで、野菜を食べにくるだけに訪れるのもアリかもしれません。ちなみにランチタイムのセットであれば、このサラダバーは自動的に付随するようです。
私は「牛タンステーキ」を注文。メキシコ産の牛肉だそうで、焼肉屋の牛タンとはダンチの厚切りでクソデカサイズ。しっかりした歯ごたえながら咀嚼を進めると柔らかくジューシーで、噛むたびに肉汁がジュワッと溢れます。
〆にサラダバーにある牛スジカレー。カレーそのものとしては中くらいの味わいで、牛スジの量もまあこんなもんかという感じですが、それでも必ず満腹になれるという意味で、納得感のある締めくくりです。
牛タンステーキが2千円強でサラダバーが500円。これだけの牛タンを焼肉屋で食べることを考えれば大変お値打ち。他の正肉も内地に比べると割安で、沖縄のステーキ文化を楽しむに最適なお店です。駐車場もあり空港からも近いので、レンタカーを返す前に訪れると良いでしょう。

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。

アルカション(ARCACHON)/目黒

目黒駅から歩いて5-6分、杉野服飾大学方面へ向かう静かな住宅街に位置する「アルカション(ARCACHON)」。漫画「美味しんぼ」90巻「感動の多い料理店」で紹介されたことで耳目を集めたフランス料理店です。
一軒家レストランのような佇まいであり、アットホームな雰囲気。感じの良いご夫婦がニコニコと出迎えてくれ、リラックスできる環境です。
酒は安く、グラスシャンパーニュが1,280円。グラスワインも千円前後のものが殆どで、ボトルのワインも1万円を切るものが主力です。もちろん何万円もする高級ワインの用意もあります。
アミューズはシラウオを揚げたもの。サッと揚げられ、淡い甘みとほのかな苦味が泡にピッタリ。アスパラソバージュは野生的な緑の香りが鮮烈です。
続いてウニのムースとオマール海老。これはめちゃんこ旨いですねえ。写真からは見え辛いですがオマールがゴロゴロと気前よく組み込まれており、ウニの濃厚な甘みとクリーミーなコクが甲殻類の力強い旨味と溶け合います。コンソメのジュレからは透明感のある塩気が感じられ、全体を爽やかに整えます。
自家製のスモークサーモン。サーモンからはスモーキーな香りが感じられ、しっとりとした口当たりを楽しみます。程よく旨味が凝縮されており、ホワイトアスパラガスの土っぽい味覚と良く合う。
パンたちは王道の味わいで、上質なバターもたっぷり用意してくれリッチな気分です。
お魚料理は甘鯛とホタテを組み合わせたひと品。甘鯛は鱗をパリッと焼き上げ、香ばしさとほのかな塩気が際立ちます。身はふっくらと甘く、鱗のクリスピーな歯ざわりがコントラストを生む。ホタテはサっと焼かれており、濃厚な甘みと弾力のある食感が堪りません。
メインはエゾジカ。お肉はモモを用いておりシットリとした口当たり。赤身の濃厚な旨味と繊細な甘みが際立ち、甘酸っぱい赤ワインソースに良く合う。仄かにミントの風味が感じられるのも面白い。野趣と洗練が融合した傑作です。
お口直しはヨーグルトのひんやりしたやつ。上質な酸味が味蕾を優しく撫でていきサッパリとリフレッシュ。薬草っぽい香りが取れるのもオシャレです。
デザートはフォンダンショコラを選択。表面はしっとり中はトロトロ。濃密なカカオの香りと甘みが口いっぱいに広がります。白コショウの風味も感じられ遊び心のある味覚。クラシックなフランス料理の締めにふさわしい濃厚なひと品です。
ハーブティーとお茶菓子でフィニッシュ。ごちそうさまでした。

以上のコース料理が1万円ほどで、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.5万円。芯のある上質なフランス料理を楽しんでこの支払金額は実にお値打ち。こういった哲学のある真っ当なフランス料理店は大好きだ。

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