五反田の鶏料理専門店「庭つ鶏 (にわつどり)」。串に刺さった焼鳥ではなくお皿に盛られた鶏料理であり、また、店主が食鳥処理免許を取得し丸鶏を一羽ずつ自家解体していることで話題となりました。食べログでは百名店に選出されています。
店内はカウンター席に加え、小さなテーブルとボックスシート(?)の用意があります(写真は食べログ公式ページより)。BGMは一切なく、また、店主がゲストに対して点検するような視線を向けるタイプなので、どことなく落ち着きません。なお、ゲストを20歳以上に限定しており、また、生食や半生での提供を主とするため、妊婦等に対しては厳格な注意喚起がなされています。
生ビールは700円と、この辺りの飲み屋の価格設定に準じています。日本酒は1合で千円強のものが多い。なお、お通しで丁寧に練り上げられた鶏団子が提供され、今夜の料理のラインナップにおける象徴的な存在と言えるでしょう。
看板メニューの刺身。むね、ささみ、ももなどの部位を用いており、モチモチとした艶やかな食感が口いっぱいに広がります。なお、新鮮さを保つためなのか、提供後は早く食べるよう何度かプッシュされるので、パっと食べ切れる量だけ注文しましょう。
茄子の揚げ浸し。とろけるようにジューシーで柔らかな食感に仕上げられており、濃厚なお出汁が芯までじっくりと染み込んでいます。程よく冷たくサッパリとした口当たりで、濃厚な鶏料理が続く中で後味を引き締めてくれます。
鶏とモツの山椒煮。鶏の様々な部位を深みのある味付けで煮込みました。甘辛く濃厚に仕上がった醤油ベースの煮汁にピリッと効かせた山椒の爽やかな辛みと華やかな香りが加わります。美味しいだけに、もうちょっと量が欲しいところです。
ホルモンのねぎポン酢和え。鶏のホルモンを湯引きし爽やかなポン酢で和えています。コリコリ・クニクニした多様な食感が楽しく、焼き物の合間のリフレッシュに最適。ただしこちらもポーションを大きくして欲しい。
ハツ焼き。パチンと弾けるような強い弾力があり、ひと口噛むごとに閉じ込められていたクリアな肉汁が溢れ出します。上品でありながらも深みのある鉄分の旨味が心地よい。
皮パリもも焼き。当店を代表する焼き物で、その名の通り炭火でじっくりと焼き上げられた皮目は余分な脂が落とされサクサク・パリパリとクリスピー。一方で内側の身はふっくらとしており、マストバイなひと品でしょう。
唐揚げ。ムネ肉とモモ肉の2つの部位が用意され、薄衣でカラッと揚がっています。醤油の風味が支配的で、肉そのものの肌理細やかな質感も上々。鶏肉自体のクリアな旨味が主役として活きており、本日一番の料理です。
〆に「特製 冷やし中華」。なのですが、これはちょっと拍子抜け。もちろん普通に美味しいのですが殆ど具は無く当店で食べる必然性は感じられません。どこが「特製」なんだろう。スーパーで3パック298円ぐらいで売ってそうな味わいであり、これで千円近くするのは何だかなあ。普通に「そぼろ玉子かけごはん」にすれば良かった。
〆に鶏スープとでデザートに見立てた甘めの玉子焼きが出て来るのですが、「特製 冷やし中華」のショックに未だ立ち直れない私は素直に楽しめませんでした。後のヒヤチューショックである。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり1万円。美味しいのですが、これはちょっと高いなあ。
「食鳥 伍ノ捌(しょくちょう ごのはち)」であれば、もっと色々と飲み食いして1.3万円程度に落ち着くことを考えると、頭の中でついつい比較してしまいました。お疲れさまでした。
関連記事焼鳥は鶏肉を串に刺して焼いただけなのに、これほどバリエーションが豊かなのが面白いですね。世界的に見ても珍しい料理らしく、外国人をお連れすると意外に喜ばれます。
素人にとっては単に串が刺さった鶏肉程度にしか思えない料理「焼鳥」につき、その専門的技術を体系的に記しています。各名店のノウハウについても記されており、なるほどお店側はこんなことを考えているのかという気づきにもなります。