「大阪焼肉・ホルモン ふたご」を運営する株式会社FTG Companyの新ブランドとして目黒に開業した「大阪餃子専門店よしこ」。看板に「昭和二十二年」と表記があり、大阪にそんな歴史のある餃子専門店なんてあったっけなあと不思議に思い調べてみると、店舗の創業年とは特に関係なく、また、大阪に実店舗も無いようです。何だよそれややこしいな。
店内は昭和レトロを意識した世界観であり、小上がりの畳席、ちゃぶ台、独特のポスターなどがその特徴として挙げられます。BGMも昭和の歌謡曲だ。
中瓶は748円であり、周辺相場ならびにお店の雰囲気からするとこんなものでしょう。その他、グラスのビールやハイボールなどは600円前後といったところです。
お通し代は220円で、「ごま塩キャベツ」が出てきます。塩というよりはタレっぽいビジュであり、実際タレっぽい味がしました。
ちなみに餃子は1人1人前が自動的に注文されるシステムであり、実質的にはお通しと同義。先のキャベツと合わせて638円であり、このクラスの居酒屋としては強気の姿勢と言えるかもしれません。
肝腎の味わいにつき、薄皮で小ぶりな一口サイズで餡は野菜が支配的。円盤焼きやモヤシの付け合わせはないものの、浜松餃子に近いテイストを感じました。お肉は少な目なのでややもするとパンチに乏しく感じられ、好みが分かれるところでしょう。
チャーシュー盛り。脂身と赤身のバランスが程よくしっかりと味が染み込んでおり美味。お酒の肴としてはもちろん、ご飯に乗せても良さそうです。
にんにくの芽炒め。シャキシャキとした食感が楽しいにんにくの芽に、さらにニンニクを加えた暴力的なひと品。意図してなのかどうかは不明ですが、火入れに思い切りが良すぎるきらいがあり、やや苦味が出てしまっているのが勿体ない。
「業務用じゃないよオーロラメンチカツ」というユーモラスなネーミングのひと品。肉汁ジュワジュワのメンチカツにオーロラソースがたっぷりとかかっており、やはり暴力的な味覚です。「業務用じゃないよ」と主張するだけあって、
「肉のウヱキ」のアレに比べると質が良く感じました。
数量限定の「名物!よしこの中華そば」。普通に美味しいのですが、この質と量で825円というのは高杉ですね。目黒には旨いラーメン屋が山ほどあるので、割高感がどうしても際立ってしまいます。「数量限定」と言いつつ閉店間際でも注文可能なあたり、やっちまったぜオブ・ザ・デイなひと品でした。
以上を食べ、ビールを1本だけ飲んでお会計は4千円弱。なんやかんやで高くついてしまい、これなら評判の良いラーメン屋でフルトッピングの上、丼モノとギョーザとビールを注文したほうが満足度は高いでしょう。
帰り際、レジで会計をしてもらっている時にお店の電話が鳴りました。店員さんは目の前にいる私よりも電話対応を優先され、私は暫く待たされました。あとで君の悪口考えておくからね。
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