引き続き過酷なダイエットに励む連れ。「低糖質・低脂質で美味しい店を」と矛盾したリクエストながら何とか応じてみせましょう。
元麻布の丘の上。広尾・十番・六本木のいずれもから徒歩で10分以上を要する陸の孤島。『食を純粋に楽しみたいグルメのみなさまや、個食制限、個食理念をお持ちのみなさまが、一堂に一つのテーブルで食事を楽しむために、苦手な食材を省きながら、身体にいい食材を選び個々に調理をする、本当のホスピタリティを追求した日本初のケアリングフードレストランです』と高い理念を掲げます。
オレンジを基調としたポップな内装。藤春幸治シェフは日本における『ケアリングフード』の創案者であり、アスリートや病人への食事サポートなども行っているそうな。
私はブルームーンで高みの見物。米国ミラークアーズ社産の白ビールでベルギースタイル。クリーミーな口当たりに円やかな甘味。
彼女は当然にノンアルコール。マキベリーのカクテルを。抗酸化力の強いスーパーフルーツとクランベリー、レモンを合わせた女子力抜群のカクテルです。
アミューズはカリフラワーのムース&ジュレにメヒカリの揚げ物。前者に砂糖は用いておらず、素材そのものの甘味だけを活用しているとのこと。後者は「ドクターフライ」というハイテク機器を導入しているそうで、これを用いると食材が吸う油の吸収量を平均50%削減できるそうな。
前菜に秋茄子とサーモンのマリネ。厚みのある秋の味わいに、味の濃い魚肉がベストマッチ。手前の黒いソースは茄子の外皮を流用しており、今何を食べているかがはっきりとわかる料理です。それでいて糖質・脂質はほぼゼロときたもんだ。
パンも徹底しており、『ふすま』という、小麦粒の外皮や胚芽などの表皮の部分(英語で『ブラン』)を主軸に添えたものを供してくれます。もちろん小麦粉のように精製された旨味からは離れますが、コンセプトには100%合致。
パスタも『ふすま麺』。こちらはパンに比べると、ヘンな表現ですが普通に美味しいですね。ザクザクとした食感に深みのある味わい。並のパスタよりも数段上の美味しさかもしれません。具材にはエビやトマト、オクラがゴロゴロと加わっており、料理として完成された美味しさでした。
スペシャリテの『鶏むね肉の低温調理』。パサパサと水分が乏しくなりがちな料理ですが、流石はプロの仕事、もっちりしっとりとした瑞々しさを湛えた食感です。調味も程よく、肉の味そのものを楽しむことができるメインでした。
デザートもきっちり出ます。ココナッツのアイスクリームであり、(確か)乳製品や砂糖は不使用というヴィーガン対応。甘いものが大好きな彼女は「あと3皿はいける」と目じりを下げる。
折り目正しいコーヒーを楽しんでごちそうさまでした。
『ケアリングフード』と聞くとユーザーとしては構えてしまいますが、決して企画モノというわけではなく、料理としてきちんと美味しかった。サービスの方の雰囲気や料理の説明も的確で、このレストランに求められているものは何かを知悉しているという印象。記憶に残ったレストランでした。
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麻布十番にはフランス料理屋がたくさんあるのですが、残念ながら割高でハズレなお店も多い。外さない安定したお店は下記の通り。
- エクアトゥール ←天才によって創られる唯一無二の料理。
- ALLIE ←ワインという食事の知的部分を担うソムリエの重要性を再認識させてくれるお店。
- カラペティ・バトゥバ! ←十番っぽい、美味しくてオシャレなお店。
- ルエ ヴェル ロール ←注文の自由度が高くリーズナブル。
- ラリューン ←クラシックな調理で正統派。むちゃ穴場です。
- 麻布れとろ ←ここで合コンすれば幹事がモテる。
- RRR ←ワインが割安。飲みまくれ!
- ルバーラヴァン52 ←安い!2時間で追い出されるのが玉に瑕。
- ブラッセリートモ ←和魂仏才、リーズナブル!
- タストゥー ←トリュフを使ったデザートに身悶え。
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