ランチは11:30オープン。開店とほぼ同時に訪れたのでスムーズに着席しましたが、あっという間に全席が埋まり、次第に行列が延びていきます。この場所でこの集客は実力が充分にある証明に他ならない。
きちんとした中国茶が供されます。これが、旨い。お金取って良いレベル。
私は「今週のランチ」を注文。自動的に前菜が付与され、これは豆腐に刻んだザーサイ(?)をトッピングし、中華系のタレで味付けます。爽やかながら奥行きのある味わいで美味しい。こんなに小さな皿で心がグっと捕まれます。
ザーサイ。街場の中華料理屋にありがちな、出しゃいいんでしょ出しゃ的な投げやり感は皆無であり、これ単体で料理として成立する美味しさです。
酸味とトロみがついたスープ。相当に具沢山でありオマケのスープとは考えられないほどのレベルの高さです。メインにはまだ辿り付いていませんが、このお店は本物だと確信。しかもこのスープと後述のライスはおかわり自由という気前の良さ。
メインには水煮牛肉。「水煮」とありますが、水で煮るあっさりとした料理では決してなく、唐辛子や花椒を使った辛い味付けの典型的な四川料理です。
スープが格別。出汁をベースに唐辛子や花椒、豆板醤など多種多様なスパイスが立ち、様々な味覚が百花繚乱。辛さと痺れのバランスが図に当たり、記憶に残る味わいです。
牛肉は火を通すと硬くなるものですが、この料理のそれは胎児のように柔らかい。肉そのものの質も良く、先のスープの複雑性と相俟って、死ぬほど美味しい一皿でした。
ライスはスープや水煮牛肉のクオリティに比べると普通です。
300円を追加して点心も頂きました。左はエビシュウマイで、右は何だろ、しっとりとした生地を楽しむような一口。美味しいのですが、先の水煮牛肉ひ比較すると見劣りし、追加する必要は無かったかもしれません。
杏仁豆腐も付帯します。こちらも滅法美味しくて、街場の寒天主体の味の無いゼリーのようなものに比べると天地の差。これだけでデパチカで売り出せる旨さでした。
お支払いは1,550円。点心を追加しなければ1,250円で済む計算です。これは素晴らしい費用対効果ですね、行列の長さにも得心がいきました。私はそれほど中華料理について詳しいわけではなくあまり多くは語れないのですが、あの水煮牛肉の美味しさは確かです。メニューの数も豊富なので、何度でも通いたい。オススメです。
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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。
- ナポレオンフィッシュ/麻布十番 ←東京の10,000円以下の中華だとダントツ好き
- 倶楽湾(クラワン)/田町 ←あの水煮牛肉の美味しさは確か
- 味覚/虎ノ門 ←世界一辛い麻婆豆腐
- 飄香/麻布十番 ←十番のランチではトップクラス
- チャイニーズレストラン直城/高輪台 ←空間の居心地の良さや総体的な美味しさには価値がある
- 紫玉蘭/麻布十番 ←税込800円は神のなせる業
- 蓮香居(Lin Heung Kui)/上環 ←好きなものを好きなだけ食べているのにも関わらず、ひとりあたり1,000円と少しという驚異の費用対効果
- 杭州酒家(Hong Zhou Restaurant)/湾仔 ←1杯3,000円の蟹味噌あんかけ麺
- 中国家庭料理大連/三田 ←16種164個の餃子を30分で平らげる挑戦