麻布 あみ城/麻布十番


網代公園すぐそばにある和食。すべり台やらジャングルジムやらがある児童公園のすぐ脇に凛とした割烹があるのが麻布十番という街の凄いところである。
オープンしてもうすぐ2年なのですが、掃除が行き届いており新装開店の手術室のようにピカピカ。テーブル席や個室もあり、様々な用途に耐えうる設計です。
プレミアムモルツで乾杯。4~5口で飲みきる200ml程度の量であり、これで800円は高いなあ。しかしながら日本酒はいずれも1合1,000円ポッキリだったので、一概にドリンクが高いとも言えなさそう。
7,800円の『十番コース』を注文。まずはナマコ酢。コリコリというよりはムッチリと弾力のある歯ごたえであり結構好き。
トラフグの煮こごりは出汁の旨味が強烈。解かり易く美味しいのですが、トラフグの風味は完全に失われているので、好みが分かれるところでしょう。
亀齢を1合。広島のものしか知らなかったのですが、長野にもあるのですね。キレイな味わいで(洒落ではない)旨味もある。好きなタイプです。
お造りは11時から右回りに金目鯛、中トロ、シメサバ、馬の赤身、ふたえご(バラ肉)、馬ひも肉のあぶり。脂ののった冬場の金目がいいですねえ。馬ひも肉のあぶりはあまり好きじゃない。脂が多くゴリゴリとした食感でBBQの残りのスジ肉を食べているような記憶です。
ブリの炙り。ムチムチと筋肉質な歯ざわりにジュワりと脂もしっかりある。タケノコが名脇役。それほど好きな食材ではないのですが、今夜に限っては塩などつけずとも素材そのものに存在感のある味覚です。
えびしんじょうの揚げ物。これはイマイチ。せっかくの海老ちゃんが凡庸なさつまあげへと成り下がっており、海老という響きにぬか喜びしてしまいました。同じ素材で、お椀で食べたかったな。
東京の酒蔵。フレッシュでフルーティ。食事と合わさずともこれ単体で飲んでも楽しめそうな味覚です。
煮物はタケノコ再登板。それにタコ、菜の花。やはりタケノコが旨いのですが、先ほどの焼きのほうが印象的でした。また、ご飯モノの前の最後の砦とするには力不足。もっと肉ですどや!みたいな料理で〆たかったです。
土鍋ごはんは金目鯛。大量の具材にチラリと覗く炊き立てピカピカのお米。この絶対領域には萌えました。
金目鯛は炙っているのかなあ、土鍋で蒸されてダレることなく、ビシりと角の立った旨味を湛えています。プカリと漂う焦げた香りもすごくいい。米の品質も炊き加減も文句なし。強いて言えば量が少なくこれ1杯のみで我慢しなければならないという点か。
お漬物は標準的。ごはんの旨味が強かったのでお漬物で塩分を補強する必要はなく、酒のツマミとして頂きました。
味噌汁は味噌の風味よりも出汁のパンチがあります。冒頭の煮こごりにせよ、旨味を際立たせる方向性が好きなお店なのかしら。
デザートは苺のアイス。きちんとしたアイスクリーム屋のそれと同等の味覚でありつつ、量がたっぷりあるのが嬉しい。

お会計はひとりあたり12,000円。ちょっと高いなあ。スペシャリテと呼べる迫力のある一品を欠いていただけに、8,000円代で収まって欲しかった。それでも料理ひとつひとつのレベルは中々高く、サービスの雰囲気も良い(店員同士の仲が良さそう)。ギャルがオジサンのオゴリで連れて来られるに丁度良いでしょう。


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