予約の取れない超有名店、赤鬼で散々な目に遭い、早々に店を出た我々。時計に目を遣ると未だ19時台。三茶の飲み屋街「三角地帯」へと足を向け、下調べなしに良さそうなお店に飛び込みます。
2階建ての長屋が続く通りに燦然と輝く赤提灯。しかし記された文字は「ワイン」とそぐわない。気になったドアは開けてみる主義の私に「ええぇっ、ほんとに入るの!?」と怯えながら袖を引っ張る滝沢眞規子似の専業主婦。
不思議な空間です。オープンキッチンを取り囲むカウンター席に、テーブル席もいくつか。
なるほど赤提灯への記載に違わず洋モノの飲み物が多数。ボトルワインはどれでも2,500円と絶対額が安いです。
私は「ワインソーダ」、連れは「かちわりワイン」を注文。「ワインソーダ」はいわゆる「スプリッツァー」であり、スペインのバルで好まれそうな白ワインの炭酸水割でした。「かちわりワイン」はたっぷりの氷に白ワインを並々注ぐという爽やかな1杯。
お通しは枝豆と落花生。シンプルですが、ダラダラと楽しむことができていいですね。
注文率98%という豚バラなんこつと牛すじの塩煮込み。+50円で柚子こしょうトーストを追加することができます。
これは旨い。臭みなど一切ない透明感のある肉質に、塩味ながらも旨味と甘味を湛えたスープがクセになる。トーストの上に肉とネギを載せ、煮汁を吸わせて一口で頬張る。うどんやおじやとして食べても美味しいことでしょう。
鶏ハツの串揚げを注文するとガラリと入口の引き戸が開き、出前として到着しました。聞くと、すぐ近くに2号店があり、揚げ物はそちら主体で調理しているとのこと。
手前がソース味、奥が塩味。4本で680円とそれなりの素材であるためか、ソース味でデロンデロンにしたもののほうが美味しく感じました。
夏限定の「ドトール割」。酎ハイに濃縮して凍らせたコーヒーエキスを放り込み、徐々に溶かしながら変化を楽しむ1杯。なんだっけ、これ、ボルドーのお菓子に似てる感じ、と呻くと「カヌレでしょ?」と即答し教養の高さを滲ませる滝沢眞規子。
ドライトマトのパテと地鶏レバーパテの合い盛り。入店前は赤提灯と侮っていましたが、食べて驚き、そのへんのビストロより余程レベルが高いです。
隣の席では会社員風の男性が何故かペヤングを食べている。聞くと、「野菜たっぷりペヤング」というれっきとしたメニューであり、いわゆるプレーンなぺヤングにウインナー・モヤシ・人参・小松菜・紅生姜などが追加トッピングされているのです。次回は腹を空かせてチャレンジしてみようっと。
「ねえねえ、まだ21時だよ。もう1軒行けるよね?」と私の腕を取る滝沢眞規子似の専業主婦。「次、行く店は多数決で決めようよ。あたし200票ぐらい持ってるからさ」それを人は多数決と呼ばない。
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私はヒールからスニーカーまでイケるクチです。三ツ星店もいいけど、場末の飲み屋街も魅力的。
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