エンボカ軽井沢 旧軽井沢店/軽井沢


エンボカ。代々木上原にある東京店は感度の良い若い女性でいつも満席。便宜上イタリアンに分類されているのですが、明らかな独自路線が注目を集め続ける面白いピザ屋。その軽井沢店です。
日曜ランチを予約で埋めるという集客力。期待で胸が膨らみます。
エクステリアがかっこいいですが、インテリアはもっとかっこいい。目端がきく建築家の別荘をそのまま改装したような気持ちの良い空間が広がります。
ベルギーから空輸したドラフトビールで乾杯。ゆうべは種々のクラフトビールで飲み比べを楽しんだため、皆ひとかどのビール専門家。
薪窯焼野菜の盛り合わせ。旬の野菜を15種類も盛り付けたプレゼンテーションが素晴らしい。昨日はせっかくの軽井沢だというのに野菜を全く摂る事ができなかったため、貪るように食いついてしまいました。

お前バターナッツって知らないだろ、訊ねると途端に黙り込む長野くん。何気ない予想を的中させる私。
燻製盛り合わせ。レバーやタン、ベーコンに始まりシャケやツブ貝ホタテまで、山の幸海の幸が健やかに燻され酒が進む。ツマミに最適な一皿です。

ナッツと言えば、ピーナッツってナッツじゃないって気づいてたか?あれは木の実じゃなくて土中に育つ豆なんだよ。豆と言えば、きな粉って大豆からできてるって知ってたか?「そうそう、で、枝豆も大豆だってことに気づいてた?」知識不足を追い詰める私とミスターボリュームアップ。まさにトリビアハラスメント。
地元のワインが飲みたかったのですが、日本産は1本もなく、イタリアのビオものが多かったです。値付けは4,000円代と高くないので一安心。
ピザはハーフ&ハーフにしてくれるので、1人1種好きなものを選ぶことに。私はレンコン、ミスターボリュームアップはクアトロフォルマッジ。レンコンは安定の美味しさ。クアトロフォルマッジは間違いなく美味しいのですが、軽井沢まで来て食べるものではなかったかもしれません。
長野くんはアスパラ。これは素晴らしいチョイスですね。ピザというよりも野菜そのものが主役であり芯まで美味しい個体です。シイタケ嫌いは大葉を注文。柚子と醤油の風味がきいていて、ピザとしては画期的段階に入ってきました。

「大葉と紫蘇って同じって知ってるか?」長野くんの逆博識を執拗に指摘するミスターボリュームアップ。「ま、、、じでか?オレ、紫蘇、すっげえ好物なつもりだったんだけど」期待を裏切らない男、長野くん。「紫蘇巻きがメニューにあったら真っ先に注文するけど、大葉巻きならオーダーしてこなかった人生を返してくれ」と、肩を落とす長野。
スペシャリテのデザートピザ。東京店ではかなりの確率で売り切れているのですが、当店の場合はオープンと同時のランチであったためか、4種の選択肢がありました。それにしてもモモとブルーベリーを生地に載せて焼いてしまうだなんて、こんなに美味しい車輪の再発明があるか。

そんな調子じゃあ、パクチーとコリアンダーが同じものを指してるって、もちろん知らないよね?と長野くんに追い討ちをかける。「そ、それ、本当ですくゎ?家に帰って妻に知ってるか聞いてみようと思ったんですが、覚えること多すぎて忘れてしまいそうです」

その後もエシャロットとエシャレットの違い、ANAの航空会社コードがNHなのは「日本ヘリコプター輸送株式会社」が由来であることや、健康食品のDHCは「大学翻訳センター」が由来であることなどでラッシュをかけ、長野遊びが止まらない。これだから世界から弱いものイジメが無くならないんだ。


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十年近く愛読している本です。ホームパーティがあれば常にこの本に立ち返る。前菜からドルチェまで最大公約数的な技術が網羅されており、これをなぞれば体面は保てます。

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