列が進むと注文の仕方を指南する説明書きが。先の立ち飲み屋ですっかり萎縮してしまった私は「おでんセット」という易きに流れてしまいそうになる。
「あたしはアラカルトで注文するけどね」と元ヤン。これでは私の沽券にかかわる。勇気を出して鵜の目鷹の目で好みのタネをチョイスします。
しかしながら当店のマスターは、言葉づかいは荒っぽくあるものの、基本的に気さくで親切。「彼女がスタミナ頼んでるから、こっちにして半分づつ食べたほうがええんとちゃうか?」などのように、我々の不慣れな注文に対してアドバイスまでしてくれます。いや、関西弁は話してないのですが、どうしてもノリが関西のおっちゃんに近いものを感じてしまう。
3人がお酒を含めそれぞれ思い思いに注文し、これ全部で3,140円。ううむ、安いと思わず唸ってしまう。私は「スタミナ揚げ」と「錦あげ」がお気に入り。前者はツミレとガンモの中間のような食感であり、ニラをはじめとした様々な具材が詰め込まれています。後者はいわゆる練り物にイカの細切れが入っており、イカの食感が面白い。
はんぺんとギョーザ巻き。これらは注文制であり5分ほど調理に時間がかかります。現金840円と引き換えにお皿を受け取る。ギョーザ巻きが新鮮。いわゆるごぼう天のようなまき方ではなく、そのままのギョーザに帯を巻きつけるようにしているんです。
お酒は丸眞正宗(まるしんまさむね)。創業明治11年。東京23区で唯一続く造り酒屋です。50ccほど残してカウンターまで持っていくと、出汁を注いでトウガラシをパラリの出汁割りを50円で作ってもらえます。
私は「手元の皿に残った出汁と、出汁割りの出しは本質的には同じである」という仮説を元に、手元の皿の残った出汁を注ぎいれてみたのですが、なんともおでんの澱がたっぷりであり、雑味を感じてしまいました。きちんとマスターに出汁割りを作ってもらいましょう。
関連記事
私はヒールからスニーカーまでイケるクチです。三ツ星店もいいけど、場末の飲み屋街も魅力的。
- 野毛飲み屋巡り vol.1/桜木町
- 赤羽飲み屋巡り/赤羽 vol.2
- 赤羽飲み屋巡り/赤羽 vol.1
- 立石飲み屋巡り vol.3/京成立石
- 立石飲み屋巡り vol.2/京成立石
- 立石飲み屋巡り vol.1/京成立石
- 栄町飲み屋巡り vol.3/安里
- 栄町飲み屋巡り vol.2/安里
- 栄町飲み屋巡り vol.1/安里
おひとり様大歓迎の名酒場100軒を掲載。ひとり客の割合・男女比・ビールの値段などを「酔い処早見表」として整理されており読み易いです。紙媒体だと1,000円近くする本が、Kindleだとたった500円でお買い得!